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私は、学生時代...決して良い思い出はなかった。
何故かと言うと、いじめられていたからだ。
理由は単純で、馴染めなかったから。
親が元々転勤族で、よく学校を転々と転校していたのだが、当然慣れることができなかった。
北島
北島
もう何回目だろうか。 慣れたと思えば...転校だ。
そして大体いつも...窓側の席だ。 ぼんやりとしながら席に座った。
北島
もう転校は慣れたものだ。今更緊張も何も無い。ただ...クラスには馴染めないのが私である。
気が重たい中、私は欠伸混じりに一番端の窓側の人に目を向けると
可愛らしい女の子が窓の外を見ていた
ただそれだけの事なのだけど... 何故か見蕩れている自分がいた
ふと、視線に気づいたのか一瞬 女の子と視線が合った
恥ずかしかったので慌てて視線を逸らした。
休み時間になると、私の周りに人集りができる。
これも毎度のことだ。 しかし、今回は何かいつもと違う感覚だった。
女子生徒A
女子生徒B
北島
別に私は調子に乗ってるわけではない あくまで...周りが集まるだけで...
北島
気が取られていて、ふと我に返った。 慌てて集る人達に話を続けた。
北島
いつも忘れ物をしやすい私は、 案の定初日から課題を忘れ、 慌てて教室に入った。
北島
自分の机の中を見るが課題が見当たらず、慌てて鞄の中身も全部出したが見当たらない。
北島
転校初日から課題を無くすとは...。 最悪だなと溜息を吐いて
机の上に散らばった物を鞄にしまっていると、突然目の前に課題が見えた。
北島
ふと顔を上げると、今日見蕩れてしまった...窓際にいた女の子が立っている
北島
玲子
北島
玲子
北島
ふと、日中のことを思い出し 苦笑いをした。
北島
玲子
北島
北島
玲子
北島
なんて笑って見せた。 彼女にも迷惑をかけるわけにはいかない。
北島
玲子
北島
玲子
玲子
北島
玲子
北島
玲子
北島
北島
玲子
北島
玲子
北島
目を点にする彼女に、私は両手を合わせて頼み込んだ。
何度も転校し...勉強に追いつけていないのだ。
玲子
北島
彼女は少しだけ笑った。
女子生徒A
翌朝、登校中歩いていると、 目の前に身の覚えのある人物が。
北島
玲子
北島
玲子
玲子
北島
玲子
玲子
北島
玲子
まさか一緒に行けるとは 想定外だったが、私はルンルンで 玲子と一緒に学校に向かった。
北島
玲子
北島
玲子
北島
明るい日差しの中、玲子は私の方を向いて目を丸くさせていた。
私も視線を合わせるように見ては クスッと笑いながら
北島
玲子
北島
北島
玲子
北島
玲子はポカンとしていたが 私はケラケラと笑いながら歩いた。
なんだか...馴染めるか不安だったけど 初日から話せられる人が出来て 良かった。
女子生徒B
しかし、クラスに入った途端、私はすぐに気づいた。
北島
女子生徒A
玲子
昨日遠くでなんか言ってた子だ。 私は気にせず自分の机に鞄を置いた。
女子生徒A
玲子
女子生徒A
女子生徒B
玲子
女子生徒A
どういう事だ...? 昨日、玲子と課題をやっただけ...
女子生徒B
女子生徒A
女子生徒A
クラス全員に言いふらすように 大きな声で話した。
その途端、クラスの全員から 冷たい視線を向けられる。 一つ一つのガラスが突き刺さるような
そんな感覚だった
女子生徒A
ザワつくクラスに私は何も言えずに 黙ったまま下を向いた。
こんな顔見せちゃダメだ。 明るくいなきゃ...
でもこれが...噂の... イジメなんだよね...?
ぞろぞろと帰っていく中、私も 鞄に教科書などを詰めて立ち上がる。
ふと、玲子に視線を向けた。 しかし、玲子は窓の外を向いたままだ
北島
北島
玲子
北島
北島
なんと言ったら良いのかも分からず、 私は鞄を背負い直して背中を向けると
玲子
玲子
北島
玲子
玲子
北島
北島
玲子
北島
玲子
どう反応するのが正解なのか 分からず、私は頬をかいた
玲子
玲子
北島
初めて言われた。 無理しなくて良い...。 私はずっと...無理してたのは事実だ。
北島
玲子
北島
玲子
危うく涙が出そうになったが 私は涙をこらえて笑顔で頷く。
北島
女子生徒A
二人とも声の方向を向いた。
女子生徒A
玲子
女子生徒A
女子生徒A
北島
女子生徒A
北島
北島
女子生徒A
北島
女子生徒A
北島
なぜ私だけこんなに嫌われてるんだろ
転校生だから?
今思えばそうだ。
今まで転校する度、最初は皆接してくれるけど
友達と呼べる存在はいなかった。
やっと...友達と言ってくれた存在ができた。
でもきっと、玲子ともいつか 別れる日が来る。
それなら私は一生 孤独でいい
黙って笑顔で過ごしてれば良い
北島
私は返事を待たずに学校を飛び出した
あれから、学校に行っても玲子と話さなくなった。
結局、私は孤独なんだと常に 感じながら...
かといえ、いじめのような 嫌がらせはなくならなかった。
私にだけ周りは冷たい。
先生は最初からあてにしてなかった。
いつも放課後一緒にいた時間も なくなった。
昼休み、一人で食べていた時に
チラッと携帯を見たが、 私は最初から会う気はなかったので そのままスルーした。
北島
そんなことを呟きながら 私は放課後残らずそのまま 家へ帰宅した。
いつもの様に教室に入ると、 静まり返っていた。
普段向けられる視線もなく、 私は違和感を感じながらも 席に座った。
いつも窓際に座っている玲子の 姿がなかった。
担任
担任の表情もどこか暗く、私は首を傾げた。
担任
担任
その言葉に時が止まった。
玲子が...?なんで...?
担任
担任
北島
昨日、LINEをくれていたのは 私に何か助けを求めていたのか──
もし私が...あの時LINEを返していたら 生きてたのかな
女子生徒A
周りの音のなんて聞こえてなかった。
目の前が暗転していく。
北島
目を覚ました瞬間、 私は廊下に立っていた。
この見覚えのある場所... 学校に戻ってきたのか?
北島
間違いなくそうだ。私が無視して帰った日だ。
北島
北島
北島
正直、私はこの日に何があったのか 知らない。見てもいない。
ただ...あの時は自分のことでいっぱいで
無視をして帰ってしまったけど
真相を知る必要がある。
それがきっと私の中の...未練だ。
北島
携帯を強く握り締めた。
屋上に来て欲しいと言われていたので 屋上に向かった。
扉を開ける前に、ふと声が聞こえて立ち止まる。
私はそっと聞こえる範囲で覗いた。
玲子
女子生徒A
玲子
女子生徒A
女子生徒B
玲子
女子生徒A
玲子
女子生徒A
玲子
女子生徒A
玲子
玲子
玲子
私は目を見開いた。
女子生徒A
玲子
女子生徒B
玲子
女子生徒A
玲子
女子生徒A
玲子
玲子
玲子
玲子
女子生徒A
玲子
玲子
女子生徒A
玲子
女子生徒B
玲子
私は驚いて目を見開いたままだった。
女子生徒A
玲子
女子生徒A
玲子
冷や汗を流している姿を見て私は確信した。
そうか...疑いもしなかった。 でも...納得ができる...
女子生徒B
玲子
携帯を上に掲げる女子に玲子が背を伸ばす。
このままだと危ない...!
案の定、携帯に目を取られ、柵の方へ向かってしまう。
玲子
玲子が手を伸ばし、携帯に触れた瞬間
女子は手を降ろし、体制を崩した玲子が
柵を乗り越え落ちかける
北島
私の身体は無意識に動いており、 落ちかけている玲子の手を掴んだ
玲子
そうか...私がいなかった事で あのまま落ちてしまったんだ。
北島
北島
全力で玲子の身体を引っ張りあげた。
担任
女子生徒A
逃げようとする女子に私は
北島
北島
担任
女子生徒A
女子生徒B
他の職員もきて、取り押さえられる 二人を見ながら、横たわっている玲子を見た
北島
玲子
北島
玲子
北島
玲子
北島
玲子
北島
玲子
北島
北島
北島
北島
北島
玲子
北島
夢じゃない。むしろ今が夢なんだ。
実際は救えなかった。
まさかこんな事があったとは、
驚きを隠せなかったが
ずっと忘れることは無かった。
北島
玲子
北島
玲子
北島
玲子
玲子
玲子
北島
玲子
運命は皮肉なものだ。
虐待されていると知りながら
一人の少女でさえ救えない
玲子
玲子
玲子
北島
玲子
その言葉に目を見開いた。
北島
玲子
北島
玲子
玲子
玲子
玲子は立ち上がって、柵から街中を見渡した。
玲子
玲子
北島
言葉に出来なかった。 玲子の背中は夕焼けに反射し 目を細めた。
玲子
玲子
玲子
玲子
玲子
玲子
北島
玲子
玲子
北島
北島
玲子
北島
玲子
玲子
玲子
無意識に涙が頬を伝う。 止まらなかった。
北島
玲子
北島
北島
玲子
玲子
玲子
玲子
北島
玲子
玲子
玲子
北島
玲子
北島
玲子
玲子
北島
玲子
玲子
玲子
北島
玲子
北島
夕日が沈んでいく中、私は笑いながら 玲子の手を握り締めた。
もうこの感覚は…なくなるけど
北島
北島
玲子
玲子
涙が止まらなかったが、 玲子は笑顔を見せてくれた。
玲子
北島
玲子
北島
玲子
北島
玲子
北島
玲子
玲子
北島
玲子
目を細めて私が笑うと、 周りが光り始めた。 玲子は強めに私の手を握り
玲子
見送ってくれるかのように 私に最大の笑顔を見せてくれた
目を覚ますと、見覚えのある場所に 座っていた。
北島
まだ、玲子の感触が残った手を見つめた。
ふと、周りを見渡すかのように見ると 山岸は眠っており、三浦は窓の外を見ていた。
窓の外を見る三浦の姿が、 最初に出会った時の玲子の横顔と重なる。
本当に良かったのかは分からない。
でも、玲子は私のことを信じてくれた
だから私も玲子を信じる。
北島
手を握りしめた。
どこか傍にいてくれるような
そんな感覚だった。
窓から入ってくる風に私は顔を上げた
ふと、玲子の優しい香りが鼻を通った
北島
私は瞳を閉じて深呼吸した。
支えてくれた大切な友人
玲子。
ありがとう。