7本撮りの収録が終わろうとした時。
すいません、剣持さん
少し間の抜けた着信音と不穏な文面が 僕のスマホを揺らす。
加賀美ハヤト
不破湊
剣持刀也
甲斐田晴
剣持刀也
甲斐田晴
送り主は、委員長。
すいません!と謝り、外に出る。
後ろからDの声がしたが、 無視して電話を掛ける。
『もしもし!』
焦った声がする。
剣持刀也
彼女が謝るということは それなりに何かやらかした時か、 とんでもないものを見た時だ。
『すいません剣持さん、実は』
早口で聞き取りづらかったが、 どうやら酔ったガっくんを 見つけたらしい。
剣持刀也
『踏んでしまったので…』
貴方の大事な人でしょう?と 小さな声で付け足す。
なんとも彼女らしい理由だ。
剣持刀也
メモを取り出し、場所を訊く。
幸いよく知った近所の公園で、 とにかく待っていろと伝える。
『わかりました…』
委員長は全然関係ないのに こういう時待ってると言えるところは 彼女の強さ、優しさだと 勝手に思っている。
剣持刀也
今日何度目かわからないまま、 謝りながらスタジオに戻る。
不破湊
剣持刀也
少しぼかしつつも 委員長を待たせていると伝える。
加賀美ハヤト
甲斐田晴
剣持刀也
剣持刀也
いいよ。と返事を聞く前に 鞄と甲斐田くんの腕を掴み ドアへ走る。
不破湊
不破くんが何か投げ、 僕は片手でキャッチする。
不破湊
剣持刀也
グッと握り締め、走る。
甲斐田晴
駐車場に着くと甲斐田くんが 腕を引っ張った。
甲斐田晴
剣持刀也
シートベルトを着けながら スマホのマップを見せる。
甲斐田晴
法定速度でお願いね。と軽口を叩く。
本当に皆には感謝しても仕切れない。 わかってるか伏見、 お前のせいだぞ。
この時まではそうだと思っていた。
この時までは。
もくもくの
もくもくの
もくもくの
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