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#感動
みずもち
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心愛
85
病院の駐車場に停めた車の中
ドアを閉めた瞬間、それまで張り詰めていた静寂が嘘のように、なお兄がハンドルに突っ伏して声を上げて泣き崩れた
なおきり
大人のなお兄が、まるで小さな子どものようにボロボロと涙を流して肩を震わせている
助手席に座る俺は、そんななお兄の姿をただじっと見つめていた
自分のことなのに、不思議と涙は出なかった
胸にあるのは、冷たい現実と、一つの強い覚悟だけ
どぬく
俺は静かに、でも真っ直ぐな声で呼びかけた
なお兄が涙で濡れた顔をゆっくりと上げる
どぬく
どぬく
なおきり
なお兄は目を見開いて、即座に激しく首を振った
涙をボロボロと流しながら、俺の肩を掴むようにして訴えかけてくる
なおきり
なおきり
どぬく
俺はなお兄の言葉を遮るように、声を張り上げた
一瞬、なお兄が息を呑んで固まる
どぬく
どぬく
どぬく
喉の奥がカッと熱くなる
必死に堪えていた感情が、言葉になって溢れ出した
どぬく
どぬく
どぬく
なおきり
なお兄の瞳から、また新しい涙が溢れ出す
最年長として、メンバー全員に真実を伝えるべきだという責任感
だけど目の前で、ボロボロと涙を流しながら『からぴちの笑顔を守りたい』と必死に訴える俺の、最初で最後の懇願
なお兄は唇を血がにじむほど強く噛み締め、天を仰ぐようにして、声を押し殺して泣いた
どれくらい時間が経っただろう
なお兄は深く、深く息を吐き出すと、震える手で俺の頭をそっと、包み込むように撫でてくれた
なおきり
その声は、泣きすぎて掠れていたけれど、いつものなお兄の、世界一優しい声だった
なおきり
なおきり
なおきり
どぬく
張り詰めていた糸が切れて、俺の目からもようやく、大粒の涙が溢れ出した
繋がれたなお兄の手の温もりだけが、今の俺を確かに支えてくれている
どぬく
どぬく
コメント
3件


うわ……読んでて胸がぎゅってなった。なお兄が泣き崩れるシーン、もう完全に涙もろい大人の姿で、こっちまで鼻の奥がツンときたよ。どぬくが「可哀想な病人じゃなくて、からぴちのどぬくでいたい」って言うところ、すごく響いた。強がってるんじゃなくて、本当にそう思ってるんだろうなって伝わってくる。2人だけの秘密、重いね。でもなお兄にだけは甘えていいんだって思えて、少しだけほっとした。