これからどうやって生きていこう…
2時間前
結衣
ねぇ君
正彦
え、ぼくですか?
結衣
そう、君だよ君
女の子と話すことさえ珍しい僕は、クラスのマドンナ的存在である小島結衣に話しかけられたことでとても動揺した。
正彦
なんでしょう。
結衣
ちょっといいかな
正彦
えっ
結衣は、僕の腕を掴んで廊下に連れ出した。
結衣
あの
結衣
気になる事があるの
正彦
なに?
結衣
トイレの花男さんが学校にいるみたいなの
正彦
え?笑
予想だにしなかった「トイレの花男さん」というワードに驚いた
正彦
トイレの花男さん?
正彦
花子さんじゃなくて?笑
結衣
ばかにしないでよ!
結衣
ほんとにいるんだから
正彦
てか、なんで僕に相談したの?
結衣
ほら君って、言っちゃ悪いけど、友達全然いないじゃん
結衣
だから、私が変なこと言ってもみんなに広まらないと思って
可愛い顔して結構心えぐってくるなこいつ…
結衣
それに…
正彦
もうわかった…わかった笑
正彦
のるよ相談に笑
正彦
で、トイレの花男さんって何?
結衣
理科室の奥にトイレがあるの知ってる?
正彦
ああ知ってるよ。全然誰も使わないあのトイレでしょ
結衣
そう、あのトイレ。
結衣
お姉ちゃんから聞いたんだけどあのトイレ、出るらしいの…
正彦
出るって?
結衣
花男さんよ
結衣
トイレの奥から3番目を3回ノックしたら中から小さい声で
結衣
「はい」
結衣
って聞こえて…
正彦
まじかよ
結衣
だから今日確かめに行きたいの
結衣
お願い、今日、一緒にそこのトイレに行こ!
正彦
仕方ないなぁ
結衣
じゃあ昼休み、理科室前に集合ね。
正彦
昼休み?
結衣
そう、トイレの花子さんと違って、なんでも昼に出るらしいの
正彦
ま、まじかよ笑
結衣
とりあえず、昼休みになったら理科室前に来て!
正彦
わかった
キーンコーンカーンコーン
結衣
本当に出るのかなぁ
正彦
うーん、どうだろうね
ギィーーーーーー
古くなった扉を開いて男子トイレに入った。
結衣
電気つけるね
カチッ
結衣
あれ?
正彦
電気壊れてるからつかないよ
結衣
そうなんだ
結衣
昼なのに暗いね
正彦
窓は北向きだし、あんなに小さいから仕方ないよ
結衣
気味が悪いね
ぴちゃ…ぴちゃ
しまりの悪い蛇口から水滴が落ちている
そして奥から3番目の扉の前に立った。
結衣
あれ?
結衣
扉空いてるじゃん
正彦
本当だね
正彦
やっぱ迷信なんじゃないの?
結衣
いや、絶対出るはずだよ
結衣
明日も行かない?
正彦
えー明日も?
結衣
じゃあもういい1人で行く
結衣
花男さん見るまで諦めない
正彦
わかった、わかった行くよ僕も
結衣
おーさすがー
これからどうやって生きていこう
弁当を食べる場所が彼女に見つかってしまった今…