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純白のお前を俺色に

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純白のお前を俺色に

3 - 純白のお前を俺色に③

2022年01月16日

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遥紀

疲れた…

バスや電車は乗れないため、いつも自転車かあるきで移動をする

…おかげで体力は減らない

大通りを歩いていると見かける手を繋ぐ男女のカップル

私にはきっと縁のないもの

男の人なんて三ツ谷くらいしか話せない

遥紀

……情けないなぁ

いっその事、無性でありたい程だ

テストやアンケートの性別記入欄が忌々しいと感じるようになったのはいつからだろう

私みたいなのを要らない人間というらしい

遥紀

(…こうなりたくてなった訳でも無いんだけど)

吐き出す場所を失った世界に対する文句を腹の底へ押し込んだ

遥紀

ただいま

おかえり

聞いた?三ツ谷君、また賞をとったんだって

遥紀

そうなんだ

アンタも賞の一つや二つとりなさいよ

遥紀

頑張る

あ、水買ったの

運んどいてね

遥紀

うん

あとはトイレとお風呂掃除

遥紀

どっちも?

遥紀

前は

わざとらしく大きな溜め息をついて見せた眼の前の女は私を睨むと必ず言うセリフがあった

「アンタが女じゃなかったは良かったのに」

遥紀

……

自分のために変われるかな

男だったら力が強くて楽なのにね

厭味ったらしく言うこの女を後悔させてやりたい

遥紀

煩いんだけど

は?

遥紀

私、生まれたくて生まれた訳じゃないんだわ

産んでやったのにそれはないでしょ?!

遥紀

アンタがそれ言う?笑

遥紀

散々人の事こき使っといて

遥紀

使えないって分かったら男だったら良かった?

遥紀

ふざけないで

遥紀

一時の快楽のために私が生まれたとするなら死んでやってもいい

んなっ

千咒と風羽ちゃんに教えてもらったボクシング

使ってはいけない、そんなのわかってる

でも風羽ちゃんが言っていた

自分が傷つかないためならなんだってするって

守りたいものがあるわけじゃない

助けられた事があるわけじゃない

何も残ってないから何も失わない

ならとことん堕ちてみよう

あ"ッッ

母が振り上げた拳より先に私の拳が母の腹に当たった

遥紀

……どう?痛いよね

遥紀

私はね

遥紀

もっと痛かった

もっと心配されたかった

そんな私は欲張りだろうか

遥紀

縁切ろうね

遥紀

じゃあね

行く宛?無いよ笑

遥紀

……もしもし

三ツ谷

おう、遥紀からなんて珍しいな

遥紀

ママと縁切った

数秒の沈黙が何分にも感じられた

家庭的で「普通」な三ツ谷は私を否定するかな

三ツ谷

……お前が言うんだからそれくらいの事があったんだよな

遥紀

……

三ツ谷

…大丈夫、否定なんてしねぇよ

遥紀

は、

三ツ谷

遥紀、俺んち来るか?

電話越し、それでも気づいてしまう程三ツ谷の声が震えていた

遥紀

えと、

三ツ谷

……怖いなら、無理しなくてもいい

遥紀

…ううん、大丈夫

頑張って守ろうとしてくれただけで充分だから

遥紀

今から向かうね

三ツ谷

ん、準備しとく

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