一覧ページ

怪異探求倶楽部

第4話 - File1−偽心霊スポット作戦−④

2025年07月15日

#ホラー

#高校生

#怪異

#都市伝説

#一次創作

#ドラマ

×××

交際相手

おい！コラ！

佐藤美波

何よ？

交際相手

俺の飯はまだかよ！

佐藤美波

ちょっと待ってよ

佐藤美波

佳苗がご飯
食べ終わるまで待ってよ

佐藤美波

それに佳苗を保育園に
連れて行かなきゃ

佐藤美波

その後でいいでしょ？

佐藤佳苗

・・・・・

交際相手

んなガキ知るかよ！

交際相手

早く持ってこい
っつってんだよ！飯！

佐藤美波

あーもう！うるさいわね！

佐藤美波

だったら自分で用意
したらいいでしょ？

佐藤美波

子供じゃ無いんだから！
それくらい出来るでしょ？

交際相手

んだとこのクソが！

交際相手は佳苗の母美波（みなみ）を足蹴りする

佐藤美波

ちょっと！蹴らないで！

佐藤美波

やめてってば！

交際相手

うるせーよ！

交際相手

てめーがナメた
口きくからだろーが！

佐藤美波

だから辞めてって！

佐藤佳苗

あ・・あの・・

佳苗が交際相手に恐る恐る声をかける

交際相手

ああ？なんだ？

佐藤佳苗

これ・・食べていいよ

佐藤佳苗

お、お父さん・・・

佳苗は自分が食べている朝食を差し出す

佐藤美波

か、佳苗・・・

交際相手

ああ？お父さんだ？

交際相手

てめーにお父さんなんて
言われる筋合いねーぞ

交際相手は佳苗の頬を平手打ちする

佐藤佳苗

いった

佐藤美波

ちょっと！
佳苗に暴力辞めてよ！

交際相手

うるせーよ！

交際相手

つーかこいつは俺に
ガキのおこぼれ
寄こしやがったんだ

交際相手

大人をため腐った
ガキには躾しねーとな

交際相手

そうだろ？クソガキこら！

佐藤美波

何が躾よ！ただ自分が
イラついてるだけでしょ

佐藤美波

佳苗はアンタの
サンドバッグじゃないの

交際相手

あーあ！うるせー

交際相手は呆れた表情で家から出て行こうとする

佐藤美波

ちょっと！
どこ行くのよ！

佐藤美波

まだ話は
終わってないわよ

交際相手

パチンコだよパチンコ

交際相手

てめーが
うるせーからな

佐藤美波

何がパチンコよ！

佐藤美波

大した稼ぎもないくせに

交際相手

黙れ！

交際相手

帰ったらずく
飯にすっからよ

交際相手

用意しとけよゴミ

佐藤美波

ちょっと待ちなさいよ！

美波の訴えも虚しく交際相手はパチンコに行く為に外出する

佐藤美波

・・・・・

佐藤美波

なんて奴なの・・・

佐藤美波

ごめんね？佳苗

佐藤美波

痛かったわよね？

佐藤佳苗

ううん！私は平気

佐藤佳苗

来年小学生になる
大人だもん♬

佐藤美波

佳苗・・・

佐藤美波

ぐすっ・・・

佐藤美波

ごめんなさいね

佐藤佳苗

ヨシヨシ

佳苗は美波の頭を優しく撫でる

佐藤美波

佳苗・・・

佐藤佳苗

私はお母さんが
居てくれれば

佐藤佳苗

他に何も要らない

佐藤美波

佳苗・・

佐藤美波

う・・うう・・

美波は涙を流しながら佳苗を抱きしめる

佐藤美波

佳苗は優しいね・・・

佐藤佳苗

そうかな？えへへ

佳苗は照れたように笑う

その日の夜

佐藤佳苗

う、うー・・ん

佐藤佳苗

ムニャムニャ

佳苗はベッドの上で健やかな表情をして眠る

佐藤美波

・・・・・

そんな佳苗を美波は暖かな眼差しで見つめる

佐藤美波

佳苗・・・

美波は眠る佳苗の頭を優しく撫でる

ガチャ

佐藤美波

（帰ってきた）

交際相手

あー！クソが！

交際相手

今日も負けた！

佐藤美波

おかえり

佐藤美波

遅かったわね

交際相手

よぅ！美波！
腹減ったからよ

交際相手

飯頼むわ！飯！

佐藤美波

ないわよ？そんなの

交際相手

はぁ？今朝用意
しとけっつったよな？

佐藤美波

確かにアンタに言われたわ

佐藤美波

けど私は用意する
なんて言ってないわよ？

交際相手

んだとコラ！

交際相手

そー言う屁理屈良いからよ

交際相手

とりあえずなんか作れよ

佐藤美波

もう我慢の限界・・

交際相手

ん？我慢が何だって？

交際相手

まぁ何だって
構わなねーからよ
さっさと飯──

佐藤美波

出て行って

交際相手

はぁ？

佐藤美波

この家から出て行って
そう言ったのよ

佐藤美波

もう別れましょう

佐藤美波

アンタには愛想が尽きた

交際相手

なん・・だよ・・急に

佐藤美波

急にですって？

佐藤美波

ずっと我慢してたのよ

佐藤美波

でもそれも限界

佐藤美波

私はこれかの人生は
佳苗と2人で生きていく

佐藤美波

そう決めたの

交際相手

本気なのか？

佐藤美波

ええ・・本気よ

交際相手

いいのか？30目前の
シングルマザーなんて

交際相手

今後相手してくれる
ヤツなんて居ねーぞ？

佐藤美波

構わないわ

佐藤美波

私には佳苗が居る

佐藤美波

佳苗さえ居てくれれば
私は何も要らない
何も望まない・・

佐藤美波

佳苗だって
そう言ってくれたわ

交際相手

・・・・・

佐藤美波

だからもう
終わりにしましょう

交際相手

そっか・・・

交際相手

なら仕方ねーな

交際相手

別れてやるよ

佐藤美波

話が早くて助かるわ

交際相手

だったらさ最期に
飯作ってくれよ

佐藤美波

だから自分で──

交際相手

最期くらい
良いじゃねーかよ

交際相手

最期だからよ！

佐藤美波

はぁ〜・・・

佐藤美波

分かったわよ・・・

佐藤美波

でも冷蔵庫の残り物で
作る簡単なヤツしか
用意できないわよ？

交際相手

それでいいよ！

佐藤美波

分かった・・・

美波は呆れた様子で気怠そうにキッチンへ向かう

交際相手

・・・・・

交際相手

ナメやがって・・・

佐藤美波

えー・・っと

美波は冷蔵庫の中身を確認する

佐藤美波

（野菜炒めくらいしか
作れないわね）

佐藤美波

野菜炒めで良い？

美波は交際相手に尋ねるが返事がない

佐藤美波

ねぇ？聞いてる？

佐藤美波

野菜炒めで良いか
って聞いてんだけど？

佐藤美波

何とか言ったら──

グサッ

佐藤美波

うっ・・・

美波は腰にに感じた事の無い激痛が走りその場にうずくまる

佐藤美波

（な、何・・この痛み）

美波は痛みを覚える腰に手で触れる

佐藤美波

な、何よ・・これ・・

美波の手には大量の鮮血がこびりついていた

佐藤美波

う・・うぐぅ・・

美波は痛みに耐えきれずその場に崩れるように座り込む

交際相手

はぁ・はぁ・・

交際相手

てめーが悪いんだ

佐藤美波

ア、アンタ・・・

交際相手

どいつもこいつも
俺の事見下しやがって

交際相手

殺してやる！

交際相手

てめーだけじゃねー

交際相手

あのゴミ娘も
まとめて殺してやるよ！

佐藤美波

やめて！佳苗だけは！

交際相手

うるせー！

佐藤美波

佳苗には手出ししないで

美波は最期の力を振り絞り交際相手に向かっていく

交際相手

死ね！！クソ！！

グサッ

交際相手は美波の首筋に包丁を突き刺さす

佐藤美波

がはっ！

交際相手

死ね！死ね！死ね！

グサッ

佐藤美波

うがっ！

グサッ

佐藤美波

がはっ！

交際相手は美波の体に何度も包丁を突き刺さす

交際相手

はぁ・・はぁ・・

交際相手の足元には既に生き絶えた美波が横たわっている

佐藤美波

・・・・・

交際相手

へへ・・ざまぁみろ

交際相手

俺を見下した罰だよ

交際相手

後はあのゴミ娘だな

佐藤美波

・・・・・

交際相手

・・・・・

交際相手は美波を見つめる

交際相手

まぁ、最期くらい
頼み聞いてやるか

佐藤佳苗

う、うー・・ん

佐藤佳苗

お母さん？

深夜に目を覚ました佳苗が寝ぼけ眼を指で擦りながらリビングに歩いてくる

佐藤佳苗

あれ？お母さん？

佳苗は辺りを見回すがそこには美波の姿はなかった

佐藤佳苗

どっか行ったのかな？

佐藤佳苗

ん？

佐藤佳苗

何？コレ？

佳苗はテーブルの上に置き手紙があるのに気づく

佐藤佳苗

え！？お菓子！？

佐藤佳苗

わぁーい！

佐藤佳苗

やったぁー！！

佐藤佳苗

おっかし♬

佐藤佳苗

おっかし♬

しかし佳苗がいくら美波の帰りを待とうとも帰ってくる事は無かった

佐藤佳苗

おか・・あさん

佐藤佳苗

帰って・・来て

佐藤佳苗

私・・お利口に

佐藤佳苗

お留守番・・・

佐藤佳苗

出来てるよ・・・

佐藤佳苗

おか・・・

佐藤佳苗

・・・・・

白縫信愛

はっ！！！！！

信愛は気がつくとその場にうずくまり目からは涙が溢れ出ていた

白縫信愛

はぁ・・はぁ・・

白縫信愛

はぁ・・はぁ・・

白縫信愛

そんな・・・

白縫信愛

そんなのって・・・

白縫銚子

信愛！？

白縫銚子

大丈夫！？

白縫銚子

意識ハッキリしてる？

うずくまる信愛に銚子が駆け寄る

白縫信愛

お、お母さん・・・

白縫銚子

バカね！無闇に
霊が近づくんじゃないの

白縫銚子

精神の共有を
してしまったら

白縫銚子

信愛の体が
蝕まれるかも
しれないのよ？

白縫信愛

信愛の・・記憶を見た

白縫銚子

え？記憶？

白縫信愛

多分魂に刻まれた
佳苗の記憶だと思う

白縫信愛

勝手に頭の中に
入り込んできたの

白縫銚子

なるほどね・・・

白縫信愛

佳苗・・・ぐすっ

白縫銚子

随分と辛い
ものを見たのね

銚子は信愛を優しく抱きしめて頭を撫でる

白縫銚子

そんな佳苗ちゃんを
救えるのは信愛よ！

白縫信愛

でも・・・

白縫銚子

言ったでしょ？

白縫銚子

申し訳ないって
気持ちが信愛にあるなら

白縫銚子

誠心誠意

白縫銚子

彼女を祓ってあげるの

白縫信愛

わ、わかった・・・

信愛は立ち上がりゆっくりと佳苗に近づく

白縫信愛

佳苗・・・

白縫信愛

ごめんね・・・

花牟礼さくら

信愛・・・

白縫信愛

アナタを祓う・・・

白縫信愛

アナタの居場所は
ここじゃないから・・

花牟礼さくら

・・・・・

白縫信愛

さようなら・・・

白縫信愛

信愛・・・・

信愛は佳苗の頭に優しく手をのせてお経を唱える

白縫信愛

霊堂霊冥霊界遊鬼

白縫信愛

霊障消滅安寧祈願

白縫信愛

浄化清明合掌礼拝

白縫信愛

安らかに還れ

白縫信愛

鎮魂を願いて

白縫信愛

霊魂成仏

信愛がお経を唱え終わるとさくらは何かに解放されたかのようにその場に崩れ落ちる

白縫信愛

さくら！大丈夫？

花牟礼さくら

・・・・・

さくらはまだ意識が朦朧としているらしく信愛の問いかけには応じない

白縫銚子

除霊してすぐだから
まだ目覚めないわ

白縫銚子

しばらく安静に
しときましょう

白縫信愛

そ、そうだね・・

するとさくらの体から一筋の彗星のような光が天に舞うように消えていく

菅生茜

何・・あの光

白縫銚子

信愛か祓った
佳苗ちゃんよ

菅生茜

あれが・・・

茜は天に消えていく光を物珍しそうに見上げる

菅生茜

天国に行けたのかな？

菅生茜

佳苗ちゃんは・・・

白縫銚子

さぁ・・どうでしょうね

白縫銚子

でもきっと天国
行ってるわよ

白縫信愛

（佳苗・・・）

信愛は天を見上げてゆっくりと手を合わせる

佐藤佳苗

ここ・・どこ？

佳苗は気づくと花畑のような場所に立っていた

佐藤佳苗

私・・どう
なっちゃったの？

佐藤佳苗

信愛はどこ？

佐藤佳苗

お母さんはどこ？

佳苗が不安そうに辺りを見回していると

こちらに向かって走ってくる女性を見つける

佐藤佳苗

あ、あれは・・・

佐藤美波

佳苗！！！

佐藤佳苗

お母さん！？

佐藤佳苗

お母さーーん！！

こちらに向かってくる女性は佳苗が長い間待ち焦がれていた母親である美波だった

佐藤佳苗

わぁぁぁぁん

佐藤佳苗

お母さん！
会いたかったよ！

佳苗は美波に抱きつき涙を流す

佐藤美波

ごめんね？佳苗！

佐藤美波

ずっとひとりで
辛かったわよね？

佐藤美波

寂しかったわよね？

佐藤佳苗

ううん！平気だよ？

佐藤佳苗

私もう大人だもん！

佐藤美波

強がっちゃって

佐藤美波

佳苗ったら・・・

佐藤美波

ぐすっ・・・

佐藤美波

もう離さない！離れない！

佐藤美波

これからはずっと
お母さんと一緒よ？佳苗！

佐藤佳苗

うん！ずっと一緒！

佳苗は母との再会を噛み締めるように美波を力強く抱きしめる

怪異探求倶楽部

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

5件

×××

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。