優しい君は人を刺ス。

俺の事もさ、

刺してくれない？

悲しそうに、苦しそうに そういう君を

突き放すことなんて、

弱い僕には、できっこ無くて

なんて

心の浅いところから、 引っ張り出した言葉を持ってきて

そしたら、

君は喜んでるのか分からない顔で

って口にして。

もうわかんなくなって

正気になんてなれ無くて

どうでも良くなって

＿＿＿＿＿＿＿＿

気がついたら、 時間が経っていた。

ゆあんくんは、 もう居なくなっていて

窓に目をやると 夜になっていた

寝ようと思った

けど寝れなかった

心がぐちゃぐちゃだった

取り敢えず、 頭の中を整理しよって

まず、 僕はゆあんくんを刺した

絶対刺した

それから部活はサボって

帰った

力が入らなくて

凄く歩くのは遅かったけど

ここまでは、まだ良かった

いや、

良くは無かったんだけど。

それから、屋上で ゆあんくんが発見されて

その場に落ちてたナイフとかで

僕は見つかって

次の日、逮捕されて

罰として

処される。

『 頼まれた』

なんて

ただの言い訳にしか すぎなくて

それで終わり

それで、 全て無かったことになって

僕も逝ける。

そう、思ってたのに

そう、信じてたのに

君は生きていた

無傷で。

なんで？

君は二人いるのか

あー、もうわかんない

助けて＿＿＿＿＿＿

あ、そうだ

学校。

今日は……行かないと、

キーンコーンカーンコーン

廊下の方を観ると、 ゆあんくんが居た。

君は今日も生きていた。

コツコツコツ＿＿＿

コツコツコツ＿＿＿

僕はふと、時間を見た。

スマートフォンのホーム画面。

11月22日 12：45

嫌気が差した。

何となく僕の中で 線と線が繋がった気がした。

きっと、 今日もゆあんくんに会ったのは、

今日も、ゆあんくんが 生きていたのは、

ゆあんくんを刺してから、

繰り返しているから。

だって…………

だって、

昨日も、今日も、

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