もう誰も愛せなくなりました。

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りうらのお母さんは昔から冷たい人だった。

みんなこうなんだって…

これが普通なんだって…思ってた

中学生になって初めて

母の異常さを知った。

ｶﾞﾁｬ…

どこを見渡してもお母さんの姿はなくて、

そのかわりとでも言うように机の上には見覚えのない白い紙が置かれていた

ちょっと出かけてきます なにか適当に食べてください

何度目かもわからない夜の外出

多分…どっかで男でもつくってたんじゃないかな、笑

最後に自炊してもらったのはいつだったか、

それすらも思い出せない。

今思えばとんでもなくかわいそうな子だったんだなと自覚できる。

高校生になって

初めての彼氏ができた。

この頃は毎日がほんとに充実してて

幸せかと聞かれたら胸を張って幸せだと言えるくらい、

まろはたくさんの愛をくれた。

だからお返しに

りうらもたくさんの『初めて』をプレゼントした。

ぎゅっ…（手

ｷﾞｼｯ…

ぁ"ｯ…♡ひ"…//♡♡

かわええよっりうらｯ…♡

ん…っ♡ま…ろｯ

ぅ"あｯ♡♡！？♡

っは♡♡

愛してんで♡

っ…♡

りぃら…もっ…♡だいすきｯ…♡♡

ほんと…大好きだったのに、

やっと手に入れた幸せは

いとも容易く壊れてしまった。

まろの目に映っているのはりうらじゃなくて

青ざめた顔で震えるほとけっちだった

なんで？ねぇなんで？

なんでこうなるの？

りうらのなにがだめだったの？

まろはどうしてほしかったの？

ほとけっちはなんでそっちにいっちゃったの？

友達ってなに？

恋人ってなに？

りうらはただ愛してほしいだけだったのに…

いや…違うか…

愛されてなかったんじゃなくて…

りうらが愛せてなかったんだ。

気づけば涙は止まってて

からっぽな自分だけがそこにいた。

その日を境にりうらは学校でしゃべることをやめた。

それでも

やっぱり心配してくれる人はちょこちょこいて

それにほんの少し救われている自分がいた。

大学生になった。

高校での知り合いと関係を絶って

遠く離れたこの大学に進学。

なんでか『かわいい』『かわいい』 と寄ってくる男がたくさんいたから、

それを利用して、りうらは寂しさを紛らわすために片っ端から告白した。

結果的に1年の間でかなりの数の男と付き合うことになったわけだけれど

どんなに好きを伝えても結局求められるのは『カラダ』だけだった。

初めてサークルの飲みに参加した時

突然話しかけてきたピンク髪の男の人

身長はりうらより10センチほど高い

その人は机の上に1000円札を3枚ほど置いて

足早に店を去っていった。

りうらのことはりうらが1番わかってる

りうらっていう人間は人を愛することができない

愛し方がわからない

だから愛されない

もう…誰とも深い関わりは持たない

同じ過ちはおかさない

俺とりうらは中学でずっと同じクラスだった

いつもきらきらした笑顔を振りまくりうらに

俺は人目で虜になった。

高校もりうらと同じとこを選んだ。

本人にはゆわず、喜んでくれたらいいなぁっていう軽い気持ちで。

ぎゅーっ！！

りうらがそこまで言ったところで俺はその場から逃げてしまった

見ず知らずの男に先を越されたことへのショックで頭の中はぐちゃぐちゃ

それからすぐに中退を決め、少し離れた別の高校を受験した。

だからさ…、適当に選んだ大学でりうらを見かけたとき

運命だって思ったんだよ？

そこからずっと話しかける機会を伺ってた。

それなのに…