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僕は産まれる前からの記憶を持っている
そういう人はかなり少ないらしいけど...
それに加えて一度見たものは絶対に忘れない記憶力を持っている
そういう人も珍しいらしい
この能力を羨ましいと思うかもしれないが絶対にそんなことは無い
嫌な事も忘れられない
忘れたい事も忘れられない
そんなのが脳裏にくっついて離れてくれない
そんな能力を本当に欲しい?
僕は絶対にいらないなぁ...w
でも、持ってしまったならしょうがない?
そんな一言で片付けられるほどの事なんかよりもっとしんどい思いをしたのに...w
でもそれを決めるのは僕じゃないんだって
ある人に言われたの
だからみんなに教えてあげる それで判断してみて
僕の初めて感情は「眩しい」だった
そりゃそうだろって思うかもしれないけど、僕はその感覚を記憶して覚えているんだ
僕を産んだ時、母はこの世の終わりみたいに泣いていた
それから数日、母は退院して僕は初めて 家に帰った
母は毎日僕を見る度に睨んだ
そして産まれて数ヶ月で僕は母に 殺されそうになった
僕がお腹がすいて泣いてしまった時に 母の心の糸が「プツン」と切れた
母は僕の首に手を置き こう言った
「お前さえ居なければ」
「お前さえ居なかったら」
と
母は育児の疲れで鬱状態にあったのだ
しかも父は単身赴任中
育児に家事で
心身が疲弊していた
そんな中、泣き叫ぶ騒音が家に居たら
皆さんならどうする?
僕ならそれを排除しようとするであろう
母にとってはそれが僕だったというだけだ
母が僕の首を絞めると当然僕は危機的状況で泣き叫ぶ
それが母の耳に届いた
母は正気に戻って僕を見た
母の顔は血が通っていないかのように 青白くなっていた
そして、母は僕に泣きながら謝りだした
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
そう何度も何度も
僕は謝罪なんかよりも 母のことが心配でならなかった
父は僕が産まれてから1度も家には 帰って来ていない
誰が母を助けるのか
母を助けてくれる人なんて 身近にいなかった
だから
「僕が守らなきゃ」
僕はそう思った
まずは泣く事なんかよりも 母を落ち着かせるために笑った
無邪気におもちゃで遊んでいるように 楽しそうに笑った
そうすると母も泣きながら 笑ってくれた
「ごめんね」
「私があなたを守るから」
そう二言を言った
それからは毎日愛情たっぷりの生活を 送っていた
そんな日常に問題が起きた
僕は発達が早かった とても異常な程に
1歳になる前に言葉を話せるようになった
歯がないから流暢では無いけれど 大人と同レベルくらいなら話せた
事件が起こったのは 僕が1歳の頃
あの日は普通のお昼だった
いつものように本を読んでいた
本の内容は弟ができるという内容だった
その中に主人公が言っていた文を見て僕はポロッと言葉をこぼしてしまった
(弟が生まれた時、とても眩しそうだった)
それに対して
「もっと眩しかったよ」と
それを聞いた母は驚いた顔をしていた
母は驚きを隠せずに僕に聞いた
お母さんから産まれた時の事覚えてるの?
そう聞かれると僕は
何も考えずに 「うん」と正直に言ってしまった
母の顔はドンドン青くなっていった
産まれてからずっと覚えてるの?
「うん」
じゃあ、お母さんがゆあんを...
小さい声でそう恐る恐る聞いてきた
「覚えてるよ」
何も考えずに答えてしまった
すると母は僕が怖くなったように
怯えてぼくから離れていった
それから
母は廃れたように毎日どこかに行った
毎日毎日
家に居なかった
家に帰らないこともあったし
何日もご飯がない日だってあった
ある日、僕は母の怒りに触れて箱に閉じ込められ、 ベランダに出された
そこで反省しなさいと
それは6月の梅雨の時期だった
僕は箱の中でずっと反省していた
母が帰ってくるまで箱から出ては行けない
母は僕のせいでおかしくなって しまったから
そのうち喉が渇いてきた
そして最悪なことにさっきまでの晴天とは裏腹に雨雲どんどん薄暗くなった
雨がポツポツと降り始めた
時間が経つにつれ雨は激しくなっていった
雷もなりかなりの強風も吹いていた
それに最悪だったのは箱の隙間からどんどん雨水が入ってきた
雨は全然やまない それどころかどんどん強まっている
入ってくる隙間はあるのに水が出る隙間はなかった
そこからどんどん増えていってとうとうお腹位まできた
僕は怖くて怖くて泣きそうだった
それでも母を守るために箱の中に居続けた
そのうち水は僕の顔まで来ていた
死ぬかもしれないと思ってきた でも、お母さんが笑顔になるなら死んでもいいのかなと思った
そして遂に水は箱を埋め尽くすくらいに溜まっていた
死ぬかもしれないという気持ちでいっぱいだった
誰かが帰ってきた
母が帰ってきてくれたと思った
帰ってきたのは母ではなく面識がない 父だった
父はカーテンを閉めようと窓まで来た
そこに大きな箱が置いてあり違和感と排水溝が溜まり水が溜まっていたことが気になってベランダを開けた
すると中からはお母さんと呼ぶ子供の声が聞こえていた
父はとても焦った
なぜそこから子供の声がするのか
なぜこんな外に出されているのか
箱を開けると溺れかけて恐怖に怯える息子が縮こまっていた
父は驚愕していた
そしてすぐに正気に戻り、急いで僕を箱から出し、お風呂に浸からせ温めた
その間、父は「大丈夫、大丈夫だからな」と 言い続けた
僕は死にそうになったことで頭は落ち着いていても身体はこわばっていた
だからずっと震えていた
そしてその日は眠ってしまった
それが良くなかった
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