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やっぱり好きだから。

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やっぱり好きだから。

1 - やっぱり好きだから。

♥

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2020年12月25日

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「私好きな人いるんです!」

平井 和

...え?

目の前に居た先生は 驚きを隠しているつもりの表情で

視線が合った。

私は先生にゆっくりと近付いて

口を開いた。

春二 惟央

好きな人を振り向かせたいんです!!

平井 和

いや、急すぎんだろ。

平井 和

...で?

予想外の言葉が返ってきた。

先生の口から出た1文字に

先生も興味を示しているのが分かって

心の底が暖かく、嬉しくなった。

春二 惟央

いやあ、好きな人全然私に振り向きそうもないんですよ。

春二 惟央

男子と女子で考え方違うからさ〜?

先生は私に視線を浴びせながらも

丁寧に頷いてくれた

私はあやふやに先生に伝えて

先生が私の耳に静かに教えてくれた。

「男は思ってくれるだけで嬉しいよ」

平井 和

じゃあ、気をつけて帰れよっ!!

春二 惟央

あっ、せんせ───。

私の声は届かなかったけど

先生の発した言葉に胸が騒がしい。

春二 惟央

先生ー!それ、一緒に運びます!!

春二 惟央

あっ、先生!!おはようございます!!

春二 惟央

朝ご飯何食べましたか?

春二 惟央

あ、先生!

春二 惟央

どうしたのって?笑

春二 惟央

聞いてよ!!ボールが顔に突撃してきた!笑

春二 惟央

真面目に痛いんだけど笑

春二 惟央

え...?

春二 惟央

絆創膏ありがとうございます!笑

春二 惟央

先生かっこよすぎだった笑

春二 惟央

え、もう1回?笑

春二 惟央

聞こえないフリしてんのばればれ!!

玄関の前で今日も先生の笑顔を思い出す。

「─ほんと、好きだなあ。」

心の声が溢れ出てしまう。

段々先生と話す頻度が多くなり 特別ってわけじゃないけど

皆と比べて近い距離感に感じる。

春二 惟央

...っわ!

何かの感覚が頭の上を過ぎった。

平井 和

惟央(いお)こんなとこで何にしてんのー?

春二 惟央

えっ、先生なんでここに?

平井 和

何でだと思う?

春二 惟央

あ!私に会いたかったからでしょ!笑

口が滑ったと思いながらも先生と会話する。

でも、先生の表情はいつもと変わらなくて

平井 和

あっはは笑会いたかったのもあるけど笑

冗談のように先生の中から 私の言葉が吹き飛ばされて消えていく

平井 和

これ。忘れてんぞ?

春二 惟央

え?笑これだけで??

平井 和

だって来れなかったら明日大変だぞー?

平井 和

俺もわざわざここに来てやったんだからさ?

平井 和

お礼ぐらいしろよー笑

春二 惟央

あ、ごめんごめん。有難うございます。

春二 惟央

それと

先生が来たことに気持ちが抑えきれなかったのか

今なら成功できると思ったのか

「先生好きです。」

慌てて口を抑えるけど 先生の心を、もう修正はできない。

さっきまでと違った 重たい空気が流れ走る。

今は私の鼓動しか耳に入ってこない。

平井 和

あっ、そうだなー。

平井 和

...うーん。

先生は後ろにあった手を前に出した

そこには光っていたのかもしれないけど

ボヤけて淡くなった指輪があった。

朝学校を行くのを拒否したけど

何となく今日も先生の笑顔が見たかった。

やっぱり好きだから

でも、先生の表情が変わることは無い

少し切ないけど

この心の声は出さずに閉まっておく。

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