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「私好きな人いるんです!」
平井 和
目の前に居た先生は 驚きを隠しているつもりの表情で
視線が合った。
私は先生にゆっくりと近付いて
口を開いた。
春二 惟央
平井 和
平井 和
予想外の言葉が返ってきた。
先生の口から出た1文字に
先生も興味を示しているのが分かって
心の底が暖かく、嬉しくなった。
春二 惟央
春二 惟央
先生は私に視線を浴びせながらも
丁寧に頷いてくれた
私はあやふやに先生に伝えて
先生が私の耳に静かに教えてくれた。
「男は思ってくれるだけで嬉しいよ」
平井 和
春二 惟央
私の声は届かなかったけど
先生の発した言葉に胸が騒がしい。
春二 惟央
春二 惟央
春二 惟央
春二 惟央
春二 惟央
春二 惟央
春二 惟央
春二 惟央
春二 惟央
春二 惟央
春二 惟央
春二 惟央
玄関の前で今日も先生の笑顔を思い出す。
「─ほんと、好きだなあ。」
心の声が溢れ出てしまう。
段々先生と話す頻度が多くなり 特別ってわけじゃないけど
皆と比べて近い距離感に感じる。
春二 惟央
何かの感覚が頭の上を過ぎった。
平井 和
春二 惟央
平井 和
春二 惟央
口が滑ったと思いながらも先生と会話する。
でも、先生の表情はいつもと変わらなくて
平井 和
冗談のように先生の中から 私の言葉が吹き飛ばされて消えていく
平井 和
春二 惟央
平井 和
平井 和
平井 和
春二 惟央
春二 惟央
先生が来たことに気持ちが抑えきれなかったのか
今なら成功できると思ったのか
「先生好きです。」
慌てて口を抑えるけど 先生の心を、もう修正はできない。
さっきまでと違った 重たい空気が流れ走る。
今は私の鼓動しか耳に入ってこない。
平井 和
平井 和
先生は後ろにあった手を前に出した
そこには光っていたのかもしれないけど
ボヤけて淡くなった指輪があった。
朝学校を行くのを拒否したけど
何となく今日も先生の笑顔が見たかった。
やっぱり好きだから
でも、先生の表情が変わることは無い
少し切ないけど
この心の声は出さずに閉まっておく。