兄弟なんかじゃいられない

仏間

紫兄は仏壇の前でしゃがんでいる。

紫兄は胸を押さえてぽろぽろと涙をこぼしていた。 橙くんが涙を拭っている。

僕と橙くんの声が見事に重なる。

ドアから、桃兄と赤兄、それに黄くんものぞいていた。

バチバチの2人。 桃兄は僕を掴む腕を強くした。

みんなが笑っている。 あぁ、幸せだなぁ。

学校

ｻﾞﾜｻﾞﾜｯ

僕はあの夜の一部始終を澪に話した。

放課後

その時

クラスメートが指を刺した方向には

僕は桃兄の所に駆け寄った。

僕は澪のところに戻った。

思いっきり背中を押される。

帰り道

僕たちは他愛ない会話をしながら帰っていた。

桃兄は口を尖らせた。 この表情は見覚えがある。

桃兄はニヤニヤしながら僕のほっぺをつつく。

桃兄は何も答えない

桃兄はそっぽを向いて、プルプル震えていた。 髪の間から見える耳は赤い。

僕は桃兄側にくるっとまわった。

桃兄は耳を赤くして嬉しそうにしていた。 いかにもニヤニヤが止まらないみたいな顔をしている。

桃兄は僕の頬にちょんとキスをした。

僕は自分の唇をちょんと触って、桃兄を見る。

僕は桃兄の言うがままに力を抜く。

桃兄がそう言い、口と口が触れる。

僕は求めるように桃兄の背中に手を回す。 桃兄は何回も僕にキスをした。

桃兄は僕の耳に口を寄せた。

桃兄は僕の手を引っ張って先に歩く。 僕は手を繋がれたまま後ろを歩いた。

僕の顔は真っ赤で、今も火が出そうだ。

どこかの誰かが、「初キスはレモンの味」とか言ってたけど