竜胆
蘭
俺は戸惑う 兄ちゃんを 自分の席に座らせた。
これで 準備は完了…かな。
今、この場では 邪魔者でしかない俺は
兄ちゃんの後ろに立つ。
蘭
蘭
三途
そうやって、俺に助けを求めるかの様に 俺に麗しい瞳を向ける 三途。
綺麗だなぁ……
俺は彼に 見惚れながらも
ふっ、と笑みを零してやった。
三途
蘭
その言葉から 数十秒が経った…
すると、
蘭
そう 唐突に口にする兄ちゃん。
変なとこで勘いいよな…この人。
気が利く男… 流石としか言い様がない。
三途
三途
三途
その言葉で 顔を覆い隠し
赤面を晒しているだろう、兄の姿。
兄ちゃんのそんな顔… 初めて見たかも。
恐らく、兄の手で覆い隠された口元は
口角が上がりっぱなし なのだろう。
にやにや しちゃって…(笑)
蘭
蘭
三途
……
蘭
段々と 空気と化していく俺。
分かってはいるけど、何だか虚しかった。
三途
三途
三途
三途
練習の時のに 比べたら 上出来だな…
よく頑張った。
それが言えたなら もう心配要らねぇよ…
諦め……付けなきゃな…(笑)
俺は そう思いながらも
三途に グッドサインを向けてみる。
兄ちゃんの返事は きっと
『YES』
だ。
蘭
………………は…????
なんで………………
兄ちゃんだって、三途には それなりの好意を抱いてるはずだ。
なのに、なんで……。
……
兄ちゃんが要らねぇッて言うなら…
俺が…取ったって良いよな…?
そんな考えが 俺に過ぎった。
三途
蘭
三途
……?????
そこから、理由を話す兄ちゃんの声。
その声は 今の俺には 一切届かなかった。
……はは、(笑)
やっぱり俺に……
アイツを手に入れる事は 出来ない…か。
蘭
三途
1人でそんな感情に浸る。
蘭
……?
全く 2人の会話を聞いていなかったが
俺の名が聞こえた。
俺と話すことなんて…
別に なんもねぇだろ……。
……今は1人になりたかったのにな。
そう驚愕している間にも
三途は お暇するようで、 家から出ていってしまった。
ガチャ……
兄弟 2人っきりになった部屋。
静まり返った 空間で 兄ちゃんは話し出した。
蘭
蘭
……。
竜胆
俺は 出来る限り…
" いつも通り " に振る舞うよう
けら、と笑ってみせる。
……すると、
返事もせず こちらに歩み寄る 兄。
……???
俺は兄ちゃんに…
黙って 抱き締められた。
コメント
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兄貴は気づいてんだな(т-т)
えっ。まって泣いたんだが
もうさ、3Pでよくね?