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竜胆

…え、

竜胆

ど、どうしたんだよ…兄ちゃん…(笑)

竜胆

……兄ちゃん…??

…お前さ

もっと、したいようにしていいんだからな…?

そう言って、俺の頭を撫でてくる手。

竜胆

…何言ってんの?兄ちゃん(笑)

竜胆

別に 俺、好きなように暮らしてるよ…?

そうじゃなくてさ…。

お前、三途のこと 好きなんだろ…?

竜胆

え……、

なんで兄ちゃんが知って……

俺は 三途への想いを 誰にも話したことはない。

だから、兄ちゃんが 知ってるはずないのに…。

そんくらい見てれば、分かるよ…(笑)

お前の兄ちゃんなんだしさ。

竜胆

…いつから知ってたの

割と最初の方からじゃないかな?

なんとなく、そんな気がしてた みたいな?

竜胆

は、(笑)

やっぱ、兄ちゃんには 敵わねぇな…(笑)

竜胆はさ、ちゃんと三途に伝えたの?

『好き』って。

……

竜胆

……伝えてねぇよ。

だって…

相手が兄ちゃんなら 無理じゃん…(笑)

……

俺の言葉で 俺を抱き締める力が

ぎゅぅぅ、っと強まった。

…何で 伝えてもねぇ癖に 諦めてんだよ

最初から負けた気 になってんじゃねぇよ

それでも俺の弟かよ…!

少し眉を顰めながら 声を荒らげて 言ってくる 兄。

竜胆

…弟だからさ。

竜胆

分かるんだよ…(笑)

竜胆

兄ちゃんには勝てねぇ って。

……

だから、そうやって決めつけんなよ

やりもしねぇ、行動にも移さねぇ

そんな奴が勝てる訳ねぇだろ…!

この言葉に 俺は どこか既視感を覚えた…

……そうだ。あの時の…

数十分前… (18話 参照)

三途

俺、こんなの初めてで、告り方もなんも分かんねぇし……

竜胆

自分の想い、素直に伝えればいいと思うけど?

竜胆

叶わねぇ恋になる可能性もあるかもしんねぇけどさ

竜胆

やれることはやってみようぜ?

そう 俺が論した時の言葉だ。

人には カッコつけてあんなこと 言っておいて

自分は まだなんもしてねぇじゃん…

……だっせ、(笑)

竜胆

そう、だな……

竜胆

兄ちゃんの言う通りだよ。

俺は 引き吊れた笑いを浮かべる。

竜胆……

竜胆

…でもさ、兄ちゃんだって

竜胆

ちょっと気に入ってるだろ?

竜胆

三途のこと。

……さぁ?

兄ちゃんの この言い方は俺には分かる。

竜胆

ふーん…

竜胆

…じゃあ俺、アイツに告っちまうよ?

お好きにどーぞ(笑)

竜胆

もし、取られても文句言うなよな。

取られたら また、

奪い返せば良いだけじゃん?(笑)

そういう兄は もういつもの調子に戻っていた。

本気でぶつかってきなよ。

結果なんて考えずにさ。

竜胆

ン、負けねぇから、(笑)

俺は この時、心から

兄ちゃんが " 灰谷蘭 " で良かった。

そう 改めて思えた。

それと同時に俺は

今すぐにでも 三途に この想いを打ち明けたくて仕方なくなった

竜胆

……兄ちゃん、

ん、行っておいで。

俺が今から 何をしに行くのか 察しのついた 兄ちゃんは

俺から離れようとする。

そんな兄ちゃんを 俺がもう一度 抱き寄せると 兄は

???

と 不思議そうな顔を浮かべている。

俺がなんで また抱き締め返したかって?

そんなの単純だ。

この人に 伝えたいことがあるから。

竜胆

兄ちゃん

竜胆

ありがと、大好き。

ッ…

俺もだ〜いすき。

…ほら、俺のことは今はいいからさ

行っといでよ?

竜胆

ン、ありがと兄ちゃん

そうもう一度 感謝を述べれば

俺は兄に 背を向け 玄関の方へ急ぎ足で向かった。

ガチャ…( 外に出る音 )

竜胆

えーと…

竜胆

三途の家はこっち方向だから…

竜胆

多分こっちの道だよな。

俺は 三途が帰り道にするであろう 道を、ひたすら

走り回り、探し求める。

すると、遠くで さらッ、と靡く

ピンク色の髪。

見つけた……!!

俺はすぐさま 彼の元に行こうと、歩みを進めた。

<灰春> 同棲してみたら案外悪くなかった。

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コメント

82

ユーザー

やばい、号泣案件、

ユーザー

ドッカーン(破裂しました)(墓)あの世に行ってきます…!

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