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文化祭当日
朝の空気はざわついているのに
どこか透明だった
体育館の舞台袖では劇の準備が進んでいた
衣装、照明、音響…そして、"台本"
俺は音響席に座りながら、 ヘッドホンで音のチェックをしていた。
だけど、心は落ち着かなかった。
脚本のラストシーンに差し掛かった時
"自分がどうするか"を まだ決めていなかった
そのとき───
rn
rnさんが、舞台裏から顔を出す。
小さな笑顔を浮かべていた
rn
俺は、ゆっくり頷いた
ur
ur
ur
ur
rn
俺らは、もう言葉を交わさなかった
でも目だけで、すべて通じ合っていた
舞台が始まり、物語は進んでいく
架空の学校を舞台とした、ただただ普通に 生活している生徒たちの物語
でも主人公は周りに"自分"を隠されていた
笑いあり、シリアスあり、
クラスメイトの演技も、予想以上に観客を 惹きつけていた。
───そして、クライマックス。
主人公が仲間から離れるシーン
演者のセリフに合わせて、静かなピアノを 流す予定だった
───が
ふと、手を止めた。
ur
俺は、勢いよく立ち上がった
舞台袖へ、小走りで向かう
演者たちが驚き、舞台の上がざわつく
観客たちもざわめき始める中、俺は
舞台の中央に立った
ur
ur
証明が俺を照らす
客席は、静まり返っていた
ur
ur
ur
ur
ur
ur
舞台裏から舞台袖に出てきていた rnさんが、驚いた顔で立ち尽くしている
ur
ur
ur
一旦、深呼吸をする。
ur
ur
ur
会場が、しん……と静まり返る
その一瞬の後、拍手が起こり、 次第に会場を包んだ
rnさんの目には、涙が浮かんでいた
でもそれは、"迷子の涙"ではなかった
文化祭から数日後
季節は9月の終わりを迎えようとしていた
放課後、人気のない図書館
俺らは、並んで座っていた
rnさんが静かに笑う
rn
ur
rn
ur
俺らは笑い合った
それは大声でもなければ、 見せるためのものでもない
"静かで、確かな、本音の笑顔"だった
秋の夕暮れは短くて、空はもう オレンジ色に染まっていた
ur
rn
俺らは並んで歩き出す
手は繋いでない。言葉もほとんどない。
だけどそれが、とても普通だった
時々視線がぶつかって、 小さな笑いがこぼれる。
そのたびに、"言葉のいらない時間" が交わされていた
rnさんが呟いた
rn
rn
俺は、ポケットの中で手を握りしめた
ur
ur
rnさんが振り向き、微笑む
rn
ur
rn
ur
俺は苦笑しながらも言った
ur
その一言にrnさんは顔を緩めて、 小さく「どういたしまして」 と呟いた
俺らはこれからも、 迷ったり疲れたり、黙り込んだりしながら
でも、"静かに"隣にいるという強さを胸に 未来へ歩いて行く。
"うるさい俺"は、もう必要ない
夕焼けの中、俺らは静かに並んで歩く
今までも、これからも───
第三章(urrn編)完
next 第四章(mfdn編)
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コメント
12件
初コメです! やっぱ主さんさいこーです! mfbn nohr ttsv 編全部楽しみです これからも頑張ってください
続き待ってます!!
たつシヴァ編が早く見たい!