偽物親子の逃避行〜未来の夢と約束〜

まだ、家庭環境が良かった時に 一度だけ行ったことがあるんだろう 遊園地。

ぼくの机にはその時に撮ってもらった時の 写真がずっと飾ってあった。

それを見て 『もう一度だけでいいから行ってみたい。』 と、ずっと思っていた。

ぼくは、お父さんと手を繋いで 遊園地に向かった。

〜遊園地〜

遊園地を見れば少しはあの時のことを 思い出せるかな…と思ったけど やっぱり何も思い出せなかった。

だって、今は…

お父さんが一緒にいてくれるから… お父さんとの思い出を作ればいい。 そう思った。

遊園地の中はすごくにぎやかで 何もかもがキラキラして見えた。

ぼくが指さしたのは…

ぼくは メリーゴーランドにかけて行った。

〜メリーゴーランド〜

ぼくが馬に座るとメリーゴーランドは ゆっくりと周り出して上下に揺れて とても楽しかった。

乗っていると…

ぼくはお父さんを見つけ 大きく手を振った。

すると…

と、手を振り返してくれた。

〜彼方(お父さん)視点〜

真冬はメリーゴーランドから俺を見つけると 嬉しそうにぶんぶんと手を振ってきた。

だから、俺は……

…と、小さく手を振り返した。

俺は真冬の笑顔を見て……

そう、無理に決まってる。

だって俺は……

”犯罪者”

俺は一度、この手で人を刺して殺した… 汚れた”人殺し”だ。 もう…普通の人間の道には戻れない。

そして汚れた俺は、本当は 真冬と一緒にいることだって 許されない人間なんだ。

そんなの、わかってる。

でも…

真冬がまた嬉しそうに手を振ってくる。

そう思いながら 俺はまた、真冬に手を振り返した。

〜数時間後〜

あの後、他にも たくさんのアトラクションに乗って 楽しい時間があっという間に過ぎていった。

そして…

最後にぼくが選んだのは──