主
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 年齢操作注意⚠️ 兄弟パロ注意⚠️ 関東組虐められ注意⚠️
主
主
主
第11話 光を宿す場所
夜の闇を切り裂くサイレンの残響が、まだ耳の奥に残っていた。
父が連行されていく姿を見ても、らんの胸には実感が追いつかない。
怒号の余韻は消えず、足は震え、息が浅い。
だが、弟たちの小さな手が必死に袖を掴んでいるのを感じると、不思議とその場から逃げ出さずに立っていられた。
いるま
らん
昨日は結局、眠れなかった。
思い出す度過呼吸になりそうな状態であるらんをいるまは横目で見る。
そして、静かに口を開く。
いるま
いるま
反論を許さぬ声音に、らんは抵抗できなかった。
診察室の明かりは、眩しいほど白かった。
清潔な匂いと紙の音。
白衣の医師が冷静な声で言う。
らんはわずかに首を振った。
拒絶の言葉が喉で引っかかる。
けれど、なつとすちが隣で不安そうに見つめているのに気づいた瞬間、力が抜けた。
布地が持ち上げられる。
そこに現れたのは、青黒く残る痣、細かく裂けた傷跡。
医師は一瞬だけ息を呑んだが、すぐに表情を整えた。
質問に、らんの心臓が跳ねる。
視線が床に吸い寄せられる。
らん
声にならない。
沈黙の中、いるまの声が重なる。
いるま
いるま
静寂が落ちた。
らんは呼吸を整えようとするが、喉の奥が焼け付く。
言えば、すべてが現実になる。
けれど、今さら隠せるものも残っていなかった。
らん
かすれた声が、やっとこぼれた。
らん
らん
らん
止まらなかった。
言葉が堰を切ったようにあふれ出す。
らん
らん
拳が震え、涙が頬を濡らす。
なつが唇を噛んで小さな肩を震わせ、すちも堪えきれず涙をこぼした。
なつ
すち
途切れ途切れの声が、らんの胸に突き刺さる。
その温かさが逆に痛い。
診察が終わったあと、六人は待合室に並んで座った。
白い壁に時計の針が進む音が響く。
らんの頬にはまだ涙の跡が残っていたが、今は少しだけ呼吸が落ち着いていた。
いるま
いるまが口を開いた。
いるま
らん
らんが顔を上げる。
いるまは笑っていた。
力強く、迷いのない笑顔。
いるま
いるま
いるま
隣のみことが苦笑する。
みこと
みこと
こさめも、こくりと頷く。
こさめ
こさめ
らんの視界が揺れた。
長い間、消えていたハイライトが――胸の奥に差し込む光が――確かに見えた。
その瞬間、弟たちの瞳にも光が戻っていた。
なつは小さな声でつぶやく。
なつ
いるま
いるまの声は、力強く響いた。
いるま
その言葉に、すちが泣き笑いの顔でうなずいた。
すち
らんは俯き、震える唇を噛み締めた。
そして、ぽつりと小さく呟いた。
らん
静寂の中、いるまが即座に返した。
いるま
いるま
いるま
涙が溢れた。
止めようとしても止まらなかった。
だがその涙は、これまでの絶望とは違う温度を持っていた。
第11話・了
主
主
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡120
主
主
コメント
2件
関西組優しいしかっこいいし関東組も兄弟愛がすごくてなんやらかんやらでめちゃくちゃ感動しました! 続きも楽しみに待ってます!!