この作品はいかがでしたか?
707
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私は諦めたりしない
いつだって人は無限の可能性を秘めている
だから縛られてはいけない
目を閉じてはいけない
選択肢は無限にあるのだから
私が今ここで証明してみせよう
さぁ
物語の始まりだ
私は固定概念と云う名の束縛に
ナイフを向けた
ダメだ
こんなんじゃダメだ
分かっていても踏み出せない
弱虫な僕が邪魔をする
友達と楽しそうに会話する君
僕はそれを遠目で盗み見ている
こんなの、ただの怪しい人だ
僕がうじうじとしてる間に
君は友達と別れどこかへ行こうとしていた
もしかして1人になるのかな
ならチャンスは今しかない
伝えなければ
今日こそ君に僕の思いを
人気の無い渡り廊下
そこに差し掛かった時
僕は君を引き留めた
男の子
自分でも驚く大きさの声が出た
君も驚いた表情で振り返る
さぁ、言うんだ
伝えなきゃ始まらない!
男の子
爆発しそうな心臓を押さえ
僕は"弱虫な僕"に
ナイフを向けた
女の子
女の子
注文して約10分
目の前に運ばれた糖分タワー
甘党には堪らない輝くシロップ
触らなくても分かるフワフワな生地
チョコソースが絡められた季節の果物
女の子
女の子
だが
このケーキ屋にはとある噂があった
女の子
女の子
女の子
信じていないとはいえ
その噂を口にして少し身震いする
もしも本当に入っていたら...
女の子
女の子
女の子
頭を振ってリセットし
改めてパンケーキと向き合う
どこから見ても美味しそうなパンケーキにしか見えない
女の子
女の子
女の子
両手にナイフとフォークを持ち
「いただきます」と言った
その瞬間
白い何か
白い何か
女の子
白い何か
白い何か
白い何か
白い何か
私は静かに
ナイフを向けた
チラチラと雪が降っている
クリスマスとして100%の演出だ
そして私にとっても...
女性
男性
女性
男性
男性
男性
女性
誰が見ても私達は上手くいっていた
今日もクリスマスを祝って
これからレストランでディナーの予定
白い息を両手に吹きかけて歩く
貴方のその姿が可愛く思えてしまう
その姿は可愛いのだけれど...
私達はディナーを終えると
イルミネーションを見に駅前まで足を運んだ
レストランで贈られたイヤリングを揺らし
私は貴方を振り返った
女性
男性
男性
女性
男性
男性
そう言って差し出される手
大きくて、優しくて、頼りになる
私の大好きな貴方の手に
私はそっと自分の手を重ねた
女性
男性
男性
女性
貴方は子供の様に笑い
つられて私も吹き出してしまう
やっぱり貴方と居られれば
どのクリスマスも幸せだ
来年の約束を交わした私達は
お互いの首元へと
ナイフを向けた
ピッ
データ初期化中
解析完了56%
仮想空間構築中
接続問題無し
案内プログラム機動まで10秒
9...8...7
5...4...3
2
1
案内プログラム機動
ピピッ
皆さん、おはようございます
それではこれよりチュートリアルを始めます
そうして始まった僕らのゲーム
いや、ゲームと思っているのはほんの僅かだけだろう
さぁ、ナイフをお取りください
殺人ゲームの始まりです
ピピッ...ビーッ!!
不快な電子音が鳴り響くと同時に
周りの奴らは目の色を変えた
僕はこんな所で死ぬ訳にはいかない
不気味に切っ先を煌めかせながら
僕は周囲にナイフを向けた
ててててん、ててん、ててーん
てててててれててーててーてー
今日、私は
初めて料理をするのであった!
まずはお肉の準備からしていきましょう
お肉を切る時は斜め下にナイフを向けて
力を入れずにスっと切っていきます
女の子
女の子
私は深呼吸をして
まな板へとナイフを向けた
いかがでしたか?
皆さんもナイフの取り扱いには十分ご注意を
では、また会いましょう
おっと、そうでした
物語を終える合言葉は...
"ナイフを向けた"
〜fin〜
コメント
6件
シンプルにセンスの塊で好き
そして読み終えた私はそっと作者にナイフを向けた‥🗡
オムニバス形式、最近ぺぺさんよく書いてるけど、よく同じテーマでこんだけネタがあるなと尊敬してしまう…… やっぱり発想力が違うんだろうなぁ とりあえずパンケーキのあれは……アウト……( ˘ω˘)