国見side (過去)
小6のバレンタインの日
俺は幼なじみである○○のことを2人だけの秘密の野原で待っていた
夕方も終わりかけで、日がないから体温がなかなか上がらなかった
マフラーに顔を埋めてカイロを握りしめる
ボーッと野原から見える街並みを見ていたら、ふと、人が現れた
国見 英
さっきまで誰もいなかったはずのその場所に、突然彼女は現れた
彼女は不思議そうに辺りを見回すと座っていた俺に気がついた
そして、びっくりした顔をしてこっちを見つめたまま固まっていた
背中まで伸びる巻かれたきれいな髪
長くて束感のあるまつ毛
クリっと綺麗な二重の瞳
そして、姉が通っている高校の制服
素直に綺麗だと見惚れざるを得なかった
国見 英
ここはずっと○○と2人の秘密の場所だった
今まで人と会ったことは無い
ここに来るまでに色んな障害物や小さな抜け道を通らないといけない
なのになんで汚れ1つ付けずに来れたのだろうか
?
女子らしい高めの声が小さな声で聞こえた
困ったように目線をそらしてほっぺをかく仕草がとても可愛らしい
国見 英
△△ ○○
彼女が指さした方は俺たちが来る方と反対側だった
国見 英
国見 英
?
国見 英
何故か、笑いがこぼれた
国見 英
?
国見 英
国見 英
?
国見 英
?
?
国見 英
国見 英
?
?
国見 英
何故か、どんどん気になる
自分でもどうかしてると思う
他人なんていつも大して興味無い
ましてやその辺にいた人に話しかけるなんてしない
でも、思ってしまう
もっと君を知りたいと
君は、俺を惹き付ける何かがあった
他の人とは違う、何か
俺はそれがなんなのか知りたい
国見 英
?
国見 英
?
?
国見 英
?
国見 英
ふと、彼女が悲しげに俯いた
国見 英
?
国見 英
国見 英
?
?
?
国見 英
国見 英
?
国見 英
?
?
彼女は泣きそうになるのを必死に堪えてるようで無理に笑っているのが見え見えだった
病気かなにかなのだろうか
きっと長く生きられない理由があるのだろう
多分、恋愛をしてもすぐに別れがきてしまう儚い恋
それでも
国見 英
?
国見 英
国見 英
俺がそう言うと、彼女は大きく目を見開いて
そして
?
?
?
?
ふと声に出して笑い始めて、涙を流し始めた
国見 英
?
?
?
国見 英
?
国見 英
?
?
?
?
?
?
国見 英
小6の俺には
多分、理解したつもりでも、全然わかっていなかったと思う
でも、運命だとか奇跡だとか別に信じてなかった俺が
初めて運命の出会いを体感した瞬間だった
?
?
?
国見 英
?
?
君のその笑顔が、夕方の西日に照らされてキラキラと輝く
?
国見 英
?
国見 英
彼女は戻りかけた体を捻ってこっちに近づいてくる
?
君はそう言うと、俺の頬に軽く口付けをした
国見 英
髪の毛なのか、服なのか良い香りが鼻をくすぶる
?
彼女は元気よく手をふって走り去っていった
その笑顔に、心臓が大きく跳ねる
恋だ、と自覚せざるを得ないほどに
国見 英
慌てて立ち上がった時には、もう見えなくなっていた
俺はそのまま立ち尽くす
△△ ○○
背後に、○○の気配がする
俺は彼女がさっきまでいた場所を見つめながらいった
国見 英
国見の部屋 (過去終わり)
あれから彼女とは1度もあっていない
姉に聞いても分からないの一点張り
そもそも1回あったくらいじゃそんなに覚えていないって
彼女が来たと言っていた方向の道も、俺は見つけることが出来なかった
名前も聞けなかった
もう、4年が経つ
彼女が待つと言った期間だ
彼女が誰なのかも、本当に約束の日に来るのかも分からない
それでもなお、彼女が好きな俺は
おかしいのだろうか
もうすぐ、2月14日
俺の運命が決まる日だ
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし