家族が寝静まって

暗闇に包まれている

普段はとてもうるさい電車の音が

空気から伝わって微かに聞こえる

それに何故か安心してしまって

何かに惹かれるみたいに私は起きた

吐く息はまだ白くて

上を見れば星は綺麗で

歩いて行く先には誰もいない

猫がふらっと歩いてた

1カット

その場面、その瞬間

何故か心が暖かくなった

起きてる？と聞けば

直ぐに相手に届いて

ほんの数分待てば返信が来る

それもそれでいいけど……

今、幸せ？と聞いて電源を切った

確実に今

私はこの世から離れていっている

連絡手段を無くして完璧に1人になって

何故か泣きたくなった

窓から見える

夜の暗さにも負けない

マンションの光が見えた

空気が冷たくて

息をするたびに肺が痛くなった

一瞬でもいいから

繋がりたかった

太陽が顔を出してきた

また今日がきた

私はそれを否定したくて

この世を否定したくて

まだ誰も起きてないこの街で

大声で

みんなが起きるくらいの大声で

『この世界なんかクソッタレー！！！！』

って叫んだ。

そしたら近づけるかな

憧れのあの子みたいに

今までの自分を捨てて

新しい自分に。