大好きなキミ

どうしよ…

電話の相手は青ちゃん、青ちゃんの彼氏は橙くん…

最近桃くん青ちゃんばっかり構ってるし、橙くんに相談しようかな。

あいつに相談すんのは気が引けるけど…っ

赤くんの部屋です

ブチッ

よし、こうなったら…

1日目

失敗

2日目

失敗

3日、4日、5日…

連敗

7日目

なんで。なんでこんなことに…ｯ

やっちまった…

赤は何も悪くないのに。

全部、俺が悪いのに。

なんで、なんで…。

赤には、俺じゃない誰かと、ちゃんと、

幸せになって欲しいなぁ…

ピーンポーン

インターホン越しに、橙と、目を真っ赤に腫らした赤が立っていた。

遡ること数十分前…

もうやだ。…死にたい。死にたい。死にたい…

橙くんの目はとても優しくて、

思わず大泣きしてしまった。

話終わった

橙くんは、ずっと背中をさすってくれた。

赤の目には大量の涙が溜まっていて。

赤の目は真っ赤になっていて。

赤の声は震えていて。

俺は赤のことをこんなにも悲しませてしまう。 赤とは別れるべきだ、と悟っていた。

別れたくないよ。

他のやつに渡すなんて嫌だよ。

ごめん。赤、ごめん。

抱きしめたい。この手で、いますぐ赤を抱きしめたい。

ごめん。橙。俺には、これしかできない。

赤を幸せにするには、この方法しかないんだよ…ｯ

不器用でごめん。こんなのを好きになってくれてありがとう、赤。

もしかして。

桃は、赤には自分じゃだめだと思っとるんちゃう?

こんなにも赤を悲しませて。赤を幸せにするには、これしかないと…?

俺は赤に一歩近づき、顔を両手で挟んだ。

俺と赤の口が触れる寸前…

バシンｯ

俺の手を…

桃が叩いた。

バタン

ぎゅうっ

数年後、

2人の右手の薬指に指輪がはまっているのは、また別のお話。