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カレカノごっこ

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カレカノごっこ

1 - カレカノごっこ

♥

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2019年05月31日

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彩未

ねぇ憩

ん?

彩未

このごっこいつまでやるつもり?

ごっこ?

彩未

なにとぼけてんの…

彩未

憩が始めたことじゃん

覚えてない

ごっこ、そう聞いたらおままごとだとかそういうものを思い浮かべるだろう。

でも私たちのごっこは違う。

カレカノごっこだ。

翌日 学校

まな

ねえ、彩未

彩未

なに?

まな

憩とごっこやり始めてどんくらいなの?

彩未

んー、1年?くらい

まな

…それさ、やってて楽しいの?

彩未

なわけないでしょ

彩未

デートもなにもかもごっこだから

まな

んまぁ、憩自体は顔も悪くないからそのまま普通のカップルなればいいのに

彩未

それがねえ

まな

あーあ、またリア充の誕生かよ

彩未

してないわ

まな

…とりま彩未から告りなよ

彩未

え!?

彩未

なにいきなり。さっきリア充を妬んでたでしょうが

まな

それはそれで嫌だけど、このままだと焦れったくてこっちの方が嫌

彩未

…考えとく

全授業終了

彩未、帰ろ

彩未

うん

私も正直、この状況はすごく焦れったい。

たまに私は本当のカップルだと思って接することがあるが、違うと気付くとすぐに冷めてしまう。

だから…、早く付き合ってしまいたい。

でも自分から言う勇気もない。

今日のバスケ俺、大活躍だったろ

彩未

あのシュートには思わず拍手しちゃったよ

だろ

彩未

そういえば、明日技術の課題提出じゃん

なんだよ、俺が大活躍してた話だったのに

彩未

すいませんー

彩未

技術のやつまだ私終わってないんだけど

大丈夫だ、俺なんもしてない

彩未

え、それやばくない?

マジやばいw

二人肩を並べて歩く。

信号が黄色から赤に変わり、私たちは横断歩道の前で止まる。

長いの沈黙が訪れる。

…遅れたけど、今日で1年記念だな

ぱっと信号が青に変わる。

彩未

…そうだね

私たちは同時に歩きだす。

ありがとう

憩が私の手を取る。

彩未

私はその瞬間に手を離した。

彩未

ご、ごめん

そう、

こっちもなんか…ごめん

私たちはごっこだから。

手は、握らない。

彩未

また長い沈黙。

そして、私は痺れを切らせた。

彩未

憩、あのさ私たち…

彩未

その…ごっこじゃなくて、その…

なに?

彩未

…ちゃんと付き合わない?

ついに口に出してしまった。

憩は黙ったままだ。

私と憩は立ち止まる。

これはやってしまった…、と私は心の中で頭を抱える。

彩未

彩未さ、なんか勘違い…してるよな?

彩未

え?

え、って…、俺ら

付き合ってたんじゃなかったのか?

彩未

!?

え、俺だけそう思ってたとか…、やめろよ恥ずかしい

彩未

ごめん、恥ずかしいだろうけど…そうだった

やっぱり…、おかしいと思ってたよ

彩未

え、じゃあ、私たち、

付き合ってるよ、ちゃんと

そうだったの!?

これは私が1年も勘違いしてたわけで…

彩未

ごめん!なんか告白が曖昧だったから、カレカノごっこだと…

まじかよ…

今度は憩が頭を抱えた。

告白が曖昧、だったか?

彩未

う、うん…

…そうか

憩がすぅーーっと息を吸う。

彩未、一年も俺だけがお前のこと想ってたんだな

真っ直ぐな視線。

勘違いさせてごめん

目を合わせられない。

オイ、目合わせろよ

憩が少し膝を曲げる。 私の顔を両手ではさみ、顔を近づける。 あと少しで顔と顔が触れてしまうくらいに。

胸が高なった。

これから大事なこと言うんだからさ

私は憩に目を合わせた。

綺麗な茶色をしていた。

彩未

彩未

うん

また憩がすぅーーっと息を吸う。

彩未が好きだ。誰よりも、いちばん好きだ

だから…、俺のそばにいてくれ

どきん、と胸が音を立ててなった。

嬉しくて。でも_______

彩未

そこは、付き合って、って言わないと

私は半分満面の、半分意地悪な笑みで言った。

…そうだな

憩は半分満面の、半分仕方なさそうな笑みで言った。

俺と____

「付き合ってください」

彩未

もちろん。これから、よろしくね

私はにっこり笑った。

そう言ってくれないと死にそうだったよ

憩もにっこり笑った。

さ、帰るか

彩未

うん

そう言うと憩は、私の手を取った。

もう、躊躇う必要はない。

私はその大きくてたくましい手をしっかりと握り返した。

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