ゲームをプレイしたり 漫画を読むと考えさせられる。
『君は天に選ばれし勇者だ』とか 『伝説の一族の生き残りだ』なんて、 主人公はいつだって特別な存在で
自分もそんな主人公になりたくて 必死にレベル上げを繰り返したり
子供の頃はヒーローごっこもした。
でも、大人になっていく途中で 多くの人が気付かされる。
“自分は特別なんかじゃない”
僕は、 天に選ばれし勇者でも無ければ 伝説の一族の生き残りでも無い。
有象無象。その他大勢。 街の一般人A。
何だったら、名字だって 日本で一番多いでお馴染みの佐藤。
『特別』とは真逆の存在だ。
もし、自分が特別な存在で 世界の運命を託される勇者だったら···
佐藤君
佐藤君
バチ···バチバチ···ッ!!
佐藤君
突然、大きな音を立てながら 目の前の空間に亀裂が生じ
中から一人の女性が飛び出してきた。
エミリー
エミリー
佐藤君
佐藤君
エミリー
エミリー
佐藤君
エミリー
エミリー
エミリー
エミリー
エミリー
佐藤君
エミリー
エミリー
確かにこの人混みの中、 あれだけ大きな音を立てながら 突如現れた彼女の存在を 周囲の人が気する様子は全く無い。
彼女の事は 僕にしか見えていないのだ。
でも───
佐藤君
佐藤君
佐藤君
佐藤君
佐藤君
佐藤君
エミリー
エミリー
エミリー
エミリー
佐藤君
正直、突然の非日常的な出来事に 理解が追い付いていない。
嘘みたいな話だが、目の前には 僕にしか見えない女性が 確かに存在して
世界を救ってほしいと 僕に懇願して来ているのだ。
こうなったら、やるしかない。 僕が世界を救ってやる···!
佐藤君
佐藤君
エミリー
エミリー
エミリー
佐藤君
エミリー
エミリー
佐藤君
···え、何??
あれ···? え、どうしよう···
思ってたのとだいぶ違った···
ついさっきまで、 世界を救うとか未来を変えるとか シリアスな話してたよね···?
何でこの人は今 萌え萌えキュンの話をしてんの···?
佐藤君
エミリー
佐藤君
エミリー
エミリー
そこなんだよなぁ
そこが 全く分からないんだよなぁ···
何でそうする事で 世界が救われる事になるの···?
佐藤君
エミリー
エミリー
それは無理な頼みです···
だって、あなたと違って僕は 周りの人達から姿も見えるし 声も聞こえるんだから···
何の説明もされずに そんな生き恥を晒すのは御免です···
絶対に説明だけはしてください···
佐藤君
佐藤君
エミリー
エミリー
エミリー
エミリー
エミリー
エミリー
だいぶ時間かかりそうだなぁ···
今の所まだ、僕の奇行のせいで ネットが炎上してるだけなんだけど···
ここからどうやって 世界を救う事に繋がるの···?
佐藤君
佐藤君
エミリー
佐藤君
エミリー
エミリー
エミリー
いや、これは流石に 僕じゃなくても良くない???
「萌え萌えキュン」って 叫ぶだけの作業に 選ばれし人も何も無いでしょ···
「天に選ばれし人」ってのは 生贄に当選したって事なの?
佐藤君
エミリー
エミリー
佐藤君
エミリー
エミリー
エミリー
響きません···
どんなに強い思いを持っていても、 「萌え萌えキュン」では 人の心には響きません···
先程あなた自身が 仰ってたじゃないですか
ただ、ネットが荒れるだけです
エミリー
エミリー
エミリー
込められません···
流石の僕でも「萌え萌えキュン」に そこまでのメッセージ性は 込められません···
「萌え萌えキュン」側からしても あまりにも荷が重いと思います···
佐藤君
佐藤君
エミリー
エミリー
佐藤君
佐藤君
佐藤君
エミリー
えぇ、分かっています
本来の自分であれば 決して辿り着くはずの無い答えに 辿り着きました···
自分が勇者だったら どれだけ自分を犠牲にしてでも 世界を救うと心に決めていたのに···
この結果には 自分でも驚きを隠せません
佐藤君
佐藤君
エミリー
エミリー
エミリー
ズルいよぉ、 その聞き方はズルいよぉ···
そんなの人類の平和に 決まってるじゃぁん···
もう何も言い返せないよぉ···
佐藤君
エミリー
エミリー
佐藤君
エミリー
佐藤君
エミリー
佐藤君
エミリー
佐藤君
エミリー
佐藤君
エミリー
エミリー
勘弁してもらえませんか···?
周りの人達からの視線が 痛くて痛くて···
エミリー
佐藤君
エミリー
佐藤君
エミリー
佐藤君
ザワザワ···
ザワザワ···
何かヤバい奴いる···
何だアイツ? うるせぇな···
動画撮っちゃお···ww
佐藤君
佐藤君
佐藤君
佐藤君
佐藤君
佐藤君
ザワザワ···
ザワザワ···
え、怖···
世界救うとか言ってるww
近寄らない方が良いな···
佐藤君
佐藤君
佐藤君
エミリー
エミリー
エミリー
エミリー
エミリー
佐藤君
エミリー
エミリー
バチ···バチバチ···ッ!!
そう言い残し、 突如現れた謎の女性エミリーは 再び空間に現れた亀裂へと飛び込み 目の前から姿を消した。
ザワザワ···
ザワザワ···
佐藤君
佐藤君
《To Be Continued》
コメント
1件
かつての「萌え萌えキュン」をこんな風に消化するとは思いませんでした……( ˘ω˘) かつてのJAMさんもきっと世界の命運を背負って渾身の「萌え萌えキュン」を配信したんですね……( ˘ω˘) エミリーが途中めちゃくちゃテンション上がって楽しそうなのヤバかったですwww