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蘇枋隼飛

…………

楡井秋彦

………蘇枋さん?

蘇枋隼飛

……ん?何、にれくん

楡井秋彦

ボーッとしていたので、どうしたのかなと…

桐生三輝

すおちゃん大丈夫?最近ずっとそんな感じだけど。

蘇枋隼飛

……ニコッいや、何でもないよ。ちょっと考え事しててね。

楡井秋彦

そうですか。何かあったら言ってくださいね!

蘇枋隼飛

ありがとう、にれくん。

蘇枋隼飛

……ところで、桜くんは?

桐生三輝

桜ちゃんなら、もう帰ったよ?なんか急いでたみたい

蘇枋隼飛

そう…

『一目惚れ』だった。

初めて出会ったときから。

桜くんの真っ直ぐな瞳が、眩しかった。

桜遥

『俺がてっぺんとる。』

その言葉を聞いたとき、桜くんなら本当に成し遂げるかもしれないと思った。

蘇枋隼飛

桜くん、知ってる?実は___

桜遥

え、そうなのか!?

人のことをすぐ信じてしまうような素直さも。

蘇枋隼飛

なんてね、嘘だよ笑

桜遥

っな、はぁ!?

蘇枋隼飛

桜くん、可愛いね笑

桜遥

ッッッう、うるせぇッ!!///

すぐに顔を赤くして照れるところも。

すべてが愛おしかった。

……でも。

桜くんには、好きな人がいて。

それも両想いで。

俺の入る隙なんてないと、わかってるから。

側で見守ることにした。

桜くんが幸せなら、それでいいから。

桜くんが、学校に来なくなった。

LINEしても、返信どころか既読すらつかない。

楡井秋彦

桜さん、どうしたんでしょうか…

桐生三輝

返信がないのはともかく、既読つかないのはちょっとおかしいよね…

桐生三輝

すおちゃん何か知らない?

蘇枋隼飛

んー…街でも見かけないしなぁ…

嘘。

ほんとは、心当たりがある。

楡井秋彦

桜さんの家に行ってみますか…

蘇枋隼飛

………にれくん、桜くんの家には俺が行くよ。

楡井秋彦

…?分かりました、じゃあよろしくお願いします!

蘇枋隼飛

うん

コンコンッ

蘇枋隼飛

………桜くん、いる?

シーン

蘇枋隼飛

………入るよ?

ガチャッ

蘇枋隼飛

………

やっぱり。

部屋はもぬけの殻。

しかも、たぶんしばらく帰っていない。

…………何となく予想していたが、本当にそうかもしれない。

蘇枋隼飛

こんにちは、十亀さん

十亀条

あれ、この前の眼帯くんじゃん。一人で来るなんて珍しいねぇ。

この人は獅子頭連副頭取の十亀条。

………桜くんの、彼氏。

蘇枋隼飛

ちょっと聞きたいことがあって。

蘇枋隼飛

うちの桜くん、知りません?

十亀条

桜〜?ん~…俺も最近会ってないからなぁ…

そんなはずはない。

十亀条

風鈴にも来てないのぉ?

蘇枋隼飛

そうなんです。家に行ってみましたけど、帰ってないみたいで。

絶対、知ってるはずだ。

最初は、大丈夫だと思ってた。

でも、桜くんを見るこの人の目は異常だ。

真っ黒などろりとした感情が映っている。

桜くんは気づいてないみたいだけど、危険だと思っていた。

十亀条

見かけたら、報告するよぉ。

蘇枋隼飛

そうしてもらえると嬉しいです。みんな探してるので。

十亀条

…………桜は、愛されてるんだねぇ。

ほら。

今も、暗く濁った目をしてる。

蘇枋隼飛

当たり前です。

蘇枋隼飛

桜くんに何かしたら、俺絶対許しませんから。

そう言って、十亀さんを睨みつけた。

それからしばらくして、桜くんがまた学校に来るようになった。

でも。

どこかボーッとしていて、あれだけ好きだった喧嘩もあまり力が入っていないようだった。

楡井秋彦

桜さんどうしたんでしょうか…。まるで別人みたいです…。

蘇枋隼飛

…………。

桐生三輝

見て見て〜、最近できたカフェ。4人で行ってみない?

楡井秋彦

わぁ、美味しそうですね!行きましょう!

桐生三輝

すおちゃんも行こ?

蘇枋隼飛

あ、俺ダイエット中だから。

桐生三輝

んもぉ……食べなくてもいいから、ね?

蘇枋隼飛

んー…まぁ、いいよ。

楡井秋彦

桜さんも行きましょう?

桜遥

…………。

楡井秋彦

……桜さん?

桐生三輝

およ?桜ちゃん?

やはり今日も上の空で。

楡井秋彦

桜さん、桜さん!

桜遥

…ぅお!?な、なんだよ

楡井秋彦

もう、何だよじゃありませんよ!桜さん、どうしたんすか?戻ってきてから何か変ですよ?

桜遥

……そうか?

蘇枋隼飛

うん、何か上の空なことが多くなったね。

桜遥

……ずっと一緒にいたやつが、いきなり離れてったんだよ。

桐生三輝

え、なになに?別れたの?

ずっと一緒にいたやつ。

きっと十亀さんのことだろう。

やっぱり桜くんは、十亀さんが好きなんだな。

…………俺じゃ、だめなのかな。

桐生三輝

そんな気になるなら、会いに行けばいいのに。

桜遥

楡井秋彦

そうすっよ!直接桜さんの気持ちを伝えれば、何か変わるかもしれないっすよ!

桜遥

…!そう、だな………っし、俺今日早退するわ!

そう言って、桜くんは走って教室を出て行った。

桐生三輝

あんまり急ぐと危ないよ〜

楡井秋彦

でも桜さん、すごく嬉しそうでしたね。

桐生三輝

しょーがないっ、カフェは3人で行こっか。

楡井秋彦

ですね。パンケーキ、楽しみです〜!

桐生三輝

あはは、にれちゃんかわいー笑

桜くん行っちゃった。

………大丈夫かな?

あの桜くんが、もう戻ってこないんじゃないか。

そんな気がした。

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