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放課後
果歩
慎吾
瑞樹
今日は3人で、中学時代の先生の結婚祝いを買いに行く約束
職員室から戻ると
《ガタンッッ!》
瑞樹が慎吾に掴みかかっていた。
果歩
教室の中には、他に誰もいなかった。
2人の視線が、足元に落ちてる、紙、に注がれた。
果歩
拾うと、プリクラだった。
慎吾と亜矢の…
亜矢が慎吾にキスしてる…頬に
あ…れ…?
教室を飛び出した。
慎吾
瑞樹
瑞樹は、掴み上げた慎吾を乱暴に離すと、教室を出た。
あ、どうしよう
どこに行けばいいのかもわからない。
誰も…誰も来ないところ
気付いたら、屋上に来ていた。
寒い…な…
自分の感情がわからない。
なんで逃げ出したんだろう…
プリクラを見た。
ショックだった。
何で?
亜矢が、慎吾を、好きだったんだ
どうして気付かなかったんだろう。
…慎吾は?
慎吾は、亜矢の気持ち、知って…
写真は、慎吾が驚いた顔で映ってた。
たぶん、亜矢が不意にしたんだ、キス。
そのあと、慎吾は、どうしたんだろう。
亜矢に、何て言ったんだろう。
もう、心臓が壊れそうだ。
瑞樹は…
瑞樹は、 何で慎吾に掴みかかってたんだろう。
あれを見て…怒ってた?
どうして…?
私は、どうしたいの?
亜矢に謝りたい…
どうして?
私が、慎吾を、好きだから。
《バタンッ》
屋上のドアが開いた。
そこにいたのは…
慎吾
慎吾が、走ってくる。
やっとわかった
もう、止められなかった。
私の中から溢れてくるのは
『慎吾が好き』の気持ちだけ。
そのまま、走ってくる慎吾に
抱きすくめられた。
果歩
慎吾
果歩
慎吾
それだけ言って、それだけ聞いたら…
慎吾の腕の中で、私は、
屋上の寒さも亜矢のプリクラも、遠くに消えて行く感覚に包まれていた。
《ガタン…》
ドアが鳴った。
慎吾
慎吾は少し、手を緩めたけど、 私を離さなかった。
瑞樹
瑞樹が静かに言った。
壊れる…でも…もう…
少しだけ…慎吾の腕から少しだけ離れて、大きく息を吸った。
果歩
瑞樹も大きく息を吸った。
瑞樹
そして、慎吾に向かって言った。
瑞樹
慎吾は黙って私から手を離した。
瑞樹は、私の顔を覗き込んで
瑞樹
って笑った。
笑ってたけど、泣いてるみたいだった。
困って、慎吾を見ると、 慎吾も泣いてるみたいに笑って頷いてた。
私も、笑おうとしたんだけど、どんな顔になってるかわからないまま、頷いた。
瑞樹の腕が、私を包んだ。
それは、優しかったけど、必死に力を入れないようにしているのが伝わってきて。
瑞樹
そう言って、 瑞樹は屋上から、いなくなった。
『幼なじみ』は終わってしまった。
朝、瑞樹が家の前を通る。
果歩
瑞樹
瑞樹の首には、マフラーはない。
公園の先で、慎吾が待ってる。
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
仕方なく、1人で公園に向かって歩いた。
気付いた慎吾が、 こちらに向かって歩いてくる。
私を通り過ぎて…
慎吾
瑞樹
慎吾
瑞樹
慎吾
あ、それだよね!慎吾、ナイス!
あれからずっと考えてたこと。
どうしたらいいのか、わからないけど、 瑞樹に なんて言ったらいいのか、考えてた。
幼なじみが終わっても、瑞樹は大切な人。
慎吾は、ホントにストレートに正しい。
いつも。
瑞樹
果歩
慎吾
私たちの関係は、 少しずつ変わっていくけど、 大切な人だってことは、 いつまでも変わらない。
亜矢にも、それを伝えよう。
笑ってくれると、いいな。