今日は店の中が騒がしかった
もちろん、いつも騒がしいけれど
今日はいつもよりまして。
今日は俺の復職日。
またここで働き、稼ぐの繰り返し
あの人は…
ッ、
あの人は、くるだろうか
きりやんさんからの電話からはや1ヶ月
そこからの連絡は何もなく
今あの人が何をしているのか
どこにいるのかもわからなかった
会社勤め、ということだけしか知らない
仕事場はどこで
どんな仕事をしているのか
ストレスはたまるっぽいけど…
仕事で、ストレス…か
俺はこの仕事が自分に合うと思ってる
嫌気が刺す時もあるが、ごくたまにだ
ストレスがたまることはないし
話しているだけで稼げる、
これ以上の仕事は他にない
他に取り柄がない、から
もてなすためだけに覚えた遊びも
芸を一つ持っていると良い、その言葉で
上達させた歌と舞も
別に誰だってできる
……でも、誰だってできるけど、
歌は好きだった
先輩が歌っていたから、俺も歌い出した
上達させたいと思った
Nakamuとスマイルが褒めてくれた
Nakamuが声を褒めてくれた
スマイルが歌い方を褒めてくれた
初めて客の前で披露した歌
綺麗だった、と言ってくれた
あの人は
酔っていたけど
寝ぼけていたけど
そう言ってくれたのが
誰よりも嬉しかった
一目惚れの相手
もう一度あの目で見て欲しい
俺と同じ、蒼い目で。
Nakamu
舞札をもって俺に笑いかける
札に書かれた部屋名は『桜吹の間』
あの人だろうか
あの人だと、いいな
きんとき
Nakamu
Nakamu
そう言って拳を前に出してくる
きんとき
Nakamuだって待ってる人がいる
外の話を聞かせてくれる、その人を
お互い、だ
俺は待合室を後にして、階段を上った
桜吹の間は言えば
夜伽の部屋、である
ちゃんと会って、対面で。
話したいんじゃなかったのか…?
え、なのにここ?
ヤるき満々ってこと?
は?
いや流石に客だし言わないけど
話したいって言ったのお前じゃん…
はぁっと呆れのため息を吐きつつ
目の前の戸をみる
この奥には、あの人がいる
会って土産話きいて、それから
文句にしよう
大丈夫
たった3ヶ月顔を見てなかった
それだけ
戸の前で膝をつき正座をする
床に手をつけ
きんとき
きんとき
少し震えた
会えるのを待っていた
声が聞けるのを待っていた
会えるんだ…ッ
1秒、2秒…
返事がない
そう思っていたら静かに戸が開く
グイッ
きんとき
俺はしゃべらない相手に引っ張られ
暗い部屋へと連れ込まれた
投稿が遅れてしまいすいません…
今週から復活で書いていきますので
よろしくお願いします…
next_♡1600
すみません…欲張らせてください…
コメント
9件
無理せず頑張って下さい💪 自分もこの作品の続きを見たいという気持ちを欲張らせて貰います😁😁
えー! すごい良いところだ!! 続きが気になりすぎます!!
むちゃくちゃ好きです!神作! 風早さんのすごくいいです!✨