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セイコ
あ、ヒカリちゃん
セイコ
ちょっとちょっと
ヒカリ
どうしましたか？セイコさん
セイコ
私、今日も仕事で家に帰らないから机の上に置いておいたお金で夕ご飯でも買って食べてね
ヒカリ
あ…はい…
ヒカリ
また…ですか
セイコ
なによ
セイコ
文句でもあるの？
ヒカリ
いいえ…別に特にないですけど…
セイコ
じゃあいいわよね！
セイコ
そういえば再婚してはや２か月だけど、最初は驚いたわぁ
セイコ
夫にまさか連れ子がいたなんて、ほんとに寝耳に水よ！
セイコ
ま、その連れ子っていうのはヒカリちゃんのことなんだけどねぇ
セイコ
あなたもあの人酷いと思わない？
ヒカリ
いや…私にとっては優しいお父さんです…
セイコ
あら
セイコ
なによ嫌ねぇ、いい子ぶっちゃって
セイコ
ほんと、いまだにお母さんと呼んでもくれないのはなんでなの？
セイコ
私何かした？
ヒカリ
ちょっと私がまだ慣れていないだけなので……
セイコ
はぁ、早く慣れて頂戴よね？
セイコ
近所の人になんて言われるかわかったものじゃないんだから！
セイコ
あーいやだいやだ
ヒカリ
あの……
セイコ
なに？
ヒカリ
明日の朝って帰ってきますか…？
セイコ
はっ！
セイコ
何バカげたことぬかしてるのよ！
セイコ
貴方しか居ない家に誰が帰るっていうのよ
セイコ
そんなの死んでもごめんだわ！
ヒカリ
そ、そんなひどい…
セイコ
だってあんた、物分かりはいいかもしれないけれどsnsに載せてもみんなの反応悪そうなんだもん
セイコ
あんたみたいな子供、いなかったら完璧な結婚生活だったのになぁ
ヒカリ
そこまで言う必要ないじゃないですか……！
セイコ
あらぁ？文句言うなら本当にいなくなってくれてもいいのよ？
セイコ
あの人も全然家に帰ってこないし、あんたが居なくなってくれたら楽なんだけどねぇ。
ヒカリ
なんてこと言うんですか……
セイコ
まぁいいわ
セイコ
私の言ってることが理解できたなら
セイコ
もっと私の言うことを聞くいい子になって頂戴！
セイコ
そうしたら、あなたも家族だって認めてあげるわよ
ヒカリ
はい……
ヒカリ
わかりました……
セイコ
なによ、いきなりしおらしくなっちゃって！
セイコ
じゃあ、今日明日とご飯は自分で作って食べといてね
セイコ
よろしく
ヒカリ
はい、わかりましたセイコさん……
～１週間後～
セイコ
あ、ヒカリちゃん
セイコ
私明日から３日間旅行行くからお留守番よろしくね
セイコ
突然でちょっと申し訳ないけど、それくらい家族なんだから我慢できるわよね？
ヒカリ
3日間ですか？
ヒカリ
え、でも父さんもかえってこないし
ヒカリ
全然家の冷蔵庫にもご飯なんてないのにどうすればいいんですか…！
セイコ
そんなの知らないわよ！
セイコ
大体、もう高校生なんでしょ？
セイコ
それくらいしっかりしてよね
ヒカリ
なに？それとも前のお母さんにはそんなに甘やかされてたのかしら！
ヒカリ
母さんのことは関係ないですよ…！
ヒカリ
そんなこと言わないでください！
セイコ
じゃあ最初から口答えしないでよね！
セイコ
あんたは私の一応娘なんだからいう事くらい聞きなさい！
セイコ
そんな悪い娘はいらないわよ！
ヒカリ
分かりました…
ヒカリ
ごめんなさい…
セイコ
ふん
セイコ
それで良いのよ
ヒカリ
そういえばどこに旅行に行くんですか…？
ヒカリ
一応、父さんにセイコさんがどこにいるか聞かれたら言わないといけないので…
セイコ
あぁ、熱海に行くのよ！
セイコ
いいでしょ～
セイコ
社員旅行で２泊3日よ！
ヒカリ
分かりました
セイコ
あ、そうだ
セイコ
ここ１週間、洗濯とか掃除もしてなかったから
セイコ
ヒカリちゃんやっといてね
ヒカリ
え、そうなんですか
セイコ
そうよ！
セイコ
だって私も人付き合いで忙しかったのよ？
セイコ
ヒカリちゃんは高校生だからわからないと思うけどねぇ
ヒカリ
セイコさん、近所のママ友とご飯に行ってたところしか見てないんですけど……
ヒカリ
あれが忙しいっていうんですか！
セイコ
あんたみたいな、私よりも年も幼い人間が何を分かった口きいてるのよ！
セイコ
はぁ…ほんとに物分かりが悪い子供なのね
セイコ
あの人に言って躾けなおしてあげるわ！
ヒカリ
いちいち父さんに言わないでくださいよ！
ヒカリ
直接話したいです！
ヒカリ
今、セイコさんどこにいるんですか
セイコ
あら、私？
セイコ
今は仕事の人と会食してるのよぉ
セイコ
ヒカリちゃんには一生食べられなさそうなおいしいご飯を食べれて幸せだわぁ
ヒカリ
いいですよ、別に…
ヒカリ
私は普通の食事でも満足できるので…
セイコ
ふん、まぁ貧乏人ってことなのね
セイコ
あの人と再婚してから私は贅沢さしてもらってるんだけどねぇ
セイコ
ヒカリちゃんは安上がりでいいわぁ
セイコ
私みたいに舌が肥えちゃうと大変だからね、逆に幸せだと思えばいいわね！
ヒカリ
そうですか……
ヒカリ
じゃあ今日もセイコさん帰ってこないってことですか…
セイコ
まぁ、そうなるわね
セイコ
明日には帰ってきてあげるから朝ごはんの用意でもして待っててちょうだい！
ヒカリ
わかりました、セイコさん
セイコ
ま、といっても明日はすぐ旅行に行くからあんま食べないんだけどね
セイコ
とりあえずよろしくね！
ヒカリ
はい……
ヒカリ
今家に材料もお金も全然ないんですけどどうすればいいですか？
セイコ
はぁ？
セイコ
それぐらい安いんだから
セイコ
あなたが出しなさいよ！
セイコ
あなたのこと養ってあげてるのは私が優しいからなのよ？
セイコ
それぐらいも自分で出せないの？
ヒカリ
以前、お小遣い全部没収されてから１円も自分でもってないので……
ヒカリ
ほんとに何も作れないです……
ヒカリ
ごめんなさい……
セイコ
あーいやだいやだ
セイコ
使えないったらありゃしないわ
セイコ
もういいわ
セイコ
お腹すかせていときなさい
セイコ
私知らないから！
ヒカリ
そんな……！
ヒカリ
私こそ知らないですからね……
〜３日後〜
セイコ
あらら、ヒカリちゃん生きてるー？
セイコ
返事してもしなくてもいなくなってくれてるほうがありがたいんだけどねぇ
ヒカリ
生きてますよ
ヒカリ
おあいにくさまです
ヒカリ
明日旅行から帰ってくるんでしたっけ
セイコ
そうよ！
セイコ
いやー楽しかったわぁ
セイコ
ヒカリちゃんも行ければよかったのにねぇ
セイコ
あ、ヒカリちゃんの分最初から予約してないんだったわ笑
ヒカリ
はぁ…そうですか…
ヒカリ
で、明日の何時ごろ家に着くんですっけ？
セイコ
何時ごろだっけねぇ
セイコ
そんなこと聞くだなんて、珍しいじゃない
セイコ
なに、出迎えの準備でもしてくれるのかしら？
ヒカリ
まぁ、そうですよ
セイコ
あら！
セイコ
やっと私好みのいい子になってくれるのかしら？
セイコ
ヒカリちゃんもやっとやる気を出してくれたのねぇ
ヒカリ
あ、でも出迎えるのは私じゃないですよ？
セイコ
え？どういうことよ
ヒカリ
警察の人が話を聞きたいらしいので笑
セイコ
へ？
セイコ
警察ってどういうことよ？！
セイコ
私、なんにも悪いことなんかしてないわよ！
ヒカリ
うわぁ…
ヒカリ
自覚すらしてなかったんですね
ヒカリ
ろくなお金も与えず、食事も与えずに毎日過ごさせているのは
ヒカリ
虐待じゃないと思ってるんですか？
セイコ
は？え？
セイコ
何言ってるのよ！
セイコ
そんなの社員旅行なんだからしょうがないじゃない！
ヒカリ
あぁ、それなんですけど
セイコ
何よ！なにか文句あるの？！
ヒカリ
そもそも社員旅行じゃないですよね？
ヒカリ
本当は誰と行ってたんですか？
ヒカリ
熱海に社員と旅行だなんて大ウソじゃないんですか？
セイコ
な、何を言ってるのよ！
セイコ
私は本当に社員旅行で熱海に行ったのよ！
セイコ
そもそも私が不倫してる証拠でもあるっていうの？
ヒカリ
はぁ……
ヒカリ
私不倫だなんて言いました？
ヒカリ
一言でも言いましたか？
セイコ
何を言い出してんのよ！
セイコ
あなた、私のことはめたわね！
セイコ
罠にはめたんだわ！
ヒカリ
なんにも言ってないのに自分から不倫だなんだっていったのはセイコさんじゃないですか笑
ヒカリ
情けなさすぎますよ？
セイコ
でもそんなのあなたが証拠なんて持ってるわけないわよ！
セイコ
子供の推論なんて誰が信じるのよ！
セイコ
焦って損したわぁ
ヒカリ
私が今ここでこれを言ってるってことは、証拠があるに決まってるじゃないですか笑
セイコ
なんですって…？
ヒカリ
そもそも、セイコさんの帰りが深夜になり始めた１ヵ月くらい前から調べてたんですよ！
ヒカリ
会社に電話したら五時に退社したよってすぐ教えてくれましたよ
ヒカリ
娘って言ったら簡単にね
セイコ
はぁ？！
セイコ
あなた私の会社に電話までして調べたの？！
セイコ
気持ち悪い子だわ！
ヒカリ
なんとでも言ってください、一番気持ち悪いのは不倫してるあなたなので
セイコ
ああ言えばこう言うのね…！
ヒカリ
それからは簡単でしたよ？
ヒカリ
興信所を雇って調べたら、ほぼ毎日と言っていいくらいに証拠を撮ってきてくれました！
セイコ
興信所？！
セイコ
そんなところにどうやって依頼してるのよ！
セイコ
あなたまだ高校生じゃない！
ヒカリ
あぁ、そんなことですか
ヒカリ
そんなの父さんに頼んだに決まってるじゃないですか
ヒカリ
私のお金なんかあるわけないですし！
ヒカリ
お小遣い全部没収したのだれでしたっけ？
セイコ
あなた、なんてことしてくれたの！
ヒカリ
セイコさん、何も思わなかったんですか？
セイコ
なにがよ！
ヒカリ
普通に考えたら、再婚したばかりの娘を再婚相手と一緒にしておいて
ヒカリ
しかも一切かかわらないっておかしいと思いませんか？
セイコ
そんなのあなたの事なんてどうでもいいからじゃないの！
セイコ
私がそんなこと知ったことじゃないわよ！
ヒカリ
はぁ…
ヒカリ
まだ理解できないんですね
ヒカリ
私はセイコさんがどんな人間か見極めるよう父さんに言われてたんですよ
セイコ
はぁ？！
セイコ
いったいどういう事よ！
ヒカリ
父さんの目の前でだけいい人ぶってたみたいでしたけど
ヒカリ
残念でしたね！
ヒカリ
本当に優しい、いい人間なら私に酷いことをしないだろうって思ってたんですけど
ヒカリ
しっかり虐めまがいのことや自身は一切家事をせずに遊ぶとか…
ヒカリ
本当に論外すぎてびっくりしました
セイコ
そ、そんなことがあるなんて…
ヒカリ
残念ながら、現実ですよ！
ヒカリ
お義母さん笑
セイコ
も、もういいわ！
セイコ
家に帰ったら私の荷物全部まとめて実家に帰らせてもらうんだから！
ヒカリ
だから無理ですって
ヒカリ
セイコさん、忘れてるんですか？
ヒカリ
私に送ってた嫌がらせとかいじめまがいのメッセージのこと……
ヒカリ
あれ、警察の児童担当の人に見せたら血相変えてましたよ？
ヒカリ
だからもう家の前に警察官の人いますもん
セイコ
じゃ、じゃあ私は逮捕されるってこと……？！
ヒカリ
すぐには逮捕されないんじゃないですか？
ヒカリ
まぁ任意で事情聴取はされると思いますけど笑
セイコ
そ、そんな……
セイコ
私、なんにも悪いことなんかしてないじゃない！
セイコ
あなたが言うこと聞かないのが悪いのよ！
セイコ
私だって最初は頑張ろうとしてたのに！
ヒカリ
再婚して１ヵ月で不倫してそれは無理があるんじゃないですか…？
ヒカリ
言い訳にしても苦しすぎますよ
セイコ
なんでそれを……！
セイコ
なんでそんなこと知ってるのよ！
ヒカリ
だから調べてもらったって言ってるじゃないですか？
ヒカリ
逆になんで覚えてないんですか笑
ヒカリ
さっき伝えたばっかりですよ？
セイコ
どうしたらいいのよ！
セイコ
なんで私のことをいじめようとするのよ！
ヒカリ
いや……自業自得じゃないですか？
ヒカリ
今までのつけが来ただけですよ……
ヒカリ
まぁ、浮気してる分の慰謝料もあとから請求するので
ヒカリ
よろしくお願いしますね！
セイコ
そ、そんなぁ！
～後日談〜
ヒカリ
その後、セイコさんはしっかり警察でしぼられた後に家に帰ってきました。
ヒカリ
今は離婚調停中ですが、結局セイコさんは今まで使った分のお金を
ヒカリ
自分で稼いで返さないといけなくなったようです。
ヒカリ
両親に助けを求めたはいいのですが、事情を知ったセイコさんの両親は
ヒカリ
一切助けないという方針だったらしいです
ヒカリ
なりたくても慣れないとは思いますが、私はこんな大人にならないようにします！
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
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