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rara🎼
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nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 天使パロ
rara🎼
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rara🎼
rara🎼
──それは、ほんのささやかな温度だった。
触れられたのは、心の深く。
届いたのは、祈りの届かない場所。
天界の夜は、いつもより静かだった。
高く広がる空には、雲が薄く流れ、月の光もその向こう側でくすんでいる。
いるまは、大聖堂の裏手にある小径を、ゆっくりと歩いていた。
石畳に落ちる自分の影が、どこかよそよそしい。
片手には、細く巻かれた金の祈糸。
それは昔、なつと対で身に着けていた祈りの証だった。
いるま_ドミニオン
呟く声は、誰に向けたものでもなかった。
だが、それは明らかに、どこかで空を見ている“誰か”を意識していた。
かすかに風が吹き、祈糸の端がひらりと揺れる。
いるま_ドミニオン
返事は、ない。
だが、いるまは空から目を逸らさなかった。
光を失ったはずの夜空を、じっと見つめていた。
──あの日、交わした約束。
“壊れたら、止めてくれ”
“見捨てるな”
それが、まだ心のどこかに残っているのなら。
いるま_ドミニオン
絞り出すように、呟いた。
その頃、こさめは星見の塔にひとりいた。
高く、静かな場所。
天界の光が、遠く地上の街灯のように小さくまたたいている。
そこから見える景色は、まるで誰かの記憶のように滲んでいた。
こさめ_アークエンジェル
小さく名を呼ぶ声は、震えていた。
胸の奥に残っていた熱が、少しずつ痛みに変わっていく。
こさめは祈りの光をひとつ、小瓶に閉じ込めていた。
かつてなつが教えてくれたやり方。
小さな祈りを瓶に溜めて、言葉では伝えきれない想いを宿す。
こさめ_アークエンジェル
手のひらに浮かべた小瓶の中で、白い光がふるふると揺れた。
こさめ_アークエンジェル
こさめ_アークエンジェル
そこまで言った時、頬を涙がつっと伝った。
けれど、袖で拭いもせず、そのままの顔で祈りを空へと放つ。
こさめ_アークエンジェル
こさめ_アークエンジェル
祈りは静かに、空へと昇っていった。
それは、どこまでもささやかで、けれどまっすぐな祈りだった。
地上、朽ちた教会の屋根の上。
なつは、ぼんやりと夜の街を見下ろしていた。
背にある黒翼が、風にゆるやかに揺れる。
その顔には、昔の面影がうっすらと残っていた。
けれど、目の奥の光は深く沈み、誰かを救うための“使命”ではなく、“衝動”のように変わっていた。
なつ_ソロネ
耳に届く、微かな泣き声。
なつはそっと屋根から飛び降りた。
地面は冷たく、空気は湿っていた。
──少女が、路地裏に膝を抱えて座っていた。
少女
か細い声。
その声を、天界はもう拾わない。
なつは静かにその前に立ち、影のように手を差し伸べた。
なつ_ソロネ
少女が顔を上げる。
その瞳には、恐れと希望が入り交じっていた。
少女
なつは首を横に振った。
なつ_ソロネ
なつ_ソロネ
それでも手を差し伸べる。
その掌には、かつて天界で使っていた祈りの痕が、微かに残っていた。
黒に染まったはずの手から、かすかに淡い光がにじむ。
少女
なつ_ソロネ
少女が、その手を握る。
────それは、ひどく温かかった。
少女
少女の声に、なつの表情が僅かに揺れる。
なつ_ソロネ
なつ_ソロネ
そう言った声の奥には、自嘲と痛みが滲んでいた。
だがその痛みすら、なつの中に残る“人間への想い”の証だった。
天界・高台の縁。
らんは、みことを伴って空を見ていた。
みこと_パワー
らん_ソロネ
らん_ソロネ
ぽつりと、らんが言う。
その声はどこまでも静かで、苦い余韻が残っていた。
らん_ソロネ
みこと_パワー
らん_ソロネ
らん_ソロネ
みことは言葉を返せなかった。
代わりに、ぎゅっと胸の前で拳を握る。
────自分が抱く“救いたい”という想いが、なつと同じ場所に繋がっているかもしれないことが、少しだけ怖かった。
いるま、こさめ、なつ、らん、みこと。
それぞれの祈りと記憶が、今夜、そっと交差していた。
ほんの僅かに灯る温度。
それは、もう天使では居られない誰かの、最後の祈りかもしれなかった。
第7話・了
rara🎼
rara🎼
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡80
rara🎼
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