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医者
et
驚愕して声が出なかった。
今まで私は有名人が癌になりましたとかのニュースを他人事の様に聞き流していたけど、いざ自分がその身になるととてつもない死への恐怖と絶望感に襲われた。
傍らでは両親が号泣していて、yanくんは目尻を赤くしながらも涙をこらえていた。
しかし医者は私たちを安心させるかのような柔らかな声で話を続けた。
医者
医者はそう私に聞いた。
完治すると聞いて安心したのか、今まで堪えていた涙が溢れ出た。
昔どこかで、癌の治療を受けると髪が抜けるとか聞いたことがある。
しかし死の淵に立たされた私にはそんなことを気にしている場合ではない。
そんな私が選んだ選択はもちろん_
et
医者
ガラッ…
yan
医者が出ていくとyanくんがそう涙を流しながら独りで呟いた。
暫くすると医者が戻ってきて、両親が何枚かの書類にサインをした。
手続きが終わったのか、お母さんは
etの母親
そう言い、お父さんと一緒に病室をあとにした。
私は病室でyanくんと2人きりになった。
しばらくの間静寂が流れていたが、先に重い沈黙を破ったのはyanくんの方だった。
yan
yan
yanくんはまだ涙で赤くなった目元を擦りながら、絞り出すように言った。
yan
yanくんはそう言って、私の手を優しく握った。彼の掌は少し震えていた。
et
やっと声に出せた言葉は、掠れて小さかった。
彼の温かさが、私の不安を少しだけ溶かしてくれる気がした。