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文化祭の準備に追われる日々を送り、 気がついたら、文化祭当日になっていた。

調理部で担当になったクッキーを持って、 調理部の店の中に入り、クッキーを出すと、

先輩

わっ上手。

って先輩が。

我ながら、愛未ちゃんと練習したかいあって、綺麗にできたと思う。

私は2番目に愛未ちゃんと売り子を担当することになったのだが、 私たちの時間は1番忙しいのだとか。 私たちの次の時間帯にはもう、 ほとんど残っていないのだとか。

とりあえず教室に戻ると、

手越

おはよう。

手越くんが挨拶してくれて。

○○

おはよう。

って返す私。

それを見て、クラスの男子が、

男子

○○の旦那が怒るぞ!!

○○

だっ、旦那!?

男子

増田のことに決まってんじゃん!

男子

将来の旦那だろ?照れんなよ!

○○

変なこと言わないでよ!

男子

手越も、
増田と○○いい感じだと思うよな!?
クラス公認のカップルだし!!

○○

こ、公認って!!
ありえないからっ!

増田

つーかさ!?
俺にまで付き合ってんのか?
って聞いてくる女子いっぱいいるんだよ。

増田

まあ俺は、面倒だから
うん。って答えてんだけどね。

○○

えっ?

待ってね……?貴久は女子に私と貴久のことをよく聞かれるの?でしかも、肯定してんの? 私がいくら否定しても信じてくれないのって、貴久が肯定したから?

だから私と貴久が付き合ってるって噂が絶えなかったの?え………?

○○

今度からは全力で否定してよね!
私は貴久のことなんてどうも思ってないもんねぇだ!!!

思わず大きな声で叫んだ。

手越くんに変な誤解されたくない。

男子

うわ、増田かわいそ!
結構イケてんのに

○○

ないない、貴久は絶対にない笑笑
好きになるなんてありえない笑笑

男子

そんな大否定しなくても。
後ろで本人めっちゃショック受けてるけど。

○○

えっ………?

ゆっくり振り返ると、悲しそうな貴久。

あっ……やばい。

傷つけた。私。

いつもは明るいのに、今はなんか重い。

どうしよう。かなり気まづい。

○○

ご、ごめん貴久。私…

貴久を傷つけるつもりなんてなかったの。

増田

謝る必要なんてないだろ。
聞かなくたって○○の気持ちなんて分かってたし。

○○

ちっ、違うの!貴久。

増田

つーかもう文化祭始まるよ。

増田

お前は店番だろ?
俺は、周りに行ってくるから。
じゃあ。

とっさに伸ばした手は空をかいただけで、 貴久には届かない。それに……

貴久は目を全く合わせてくれなかった。

口調と態度もよそよそしかった。

男子

アイツ、かなりヘコんでるね。

そんな声も耳から抜けていく。

貴久を傷つけた。

貴久は優しくしてくれたのになんで私は。

ただただ呆然としていた私。

貴久に甘えて告白の返事をしなかったのも私。それなのにこんな最低な形で……。

からかっていた男子にムキになったとはいえ、あんなにひどい言い方をする事はなかった。 私。本当に最低な女だ。

どんなときも笑っていた貴久のあんな顔は初めて。私のせいで。

今まで散々助けて貰ったのに。

恩を仇で返してしまったのだ。

つづく…

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