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俺は、四葉を待たせてる。
もう戻らない気でいるのに。
『待ってろよ』とか。
『次来る時は教室だから』とか。
拓海
拓海
拓海
でも、どうせいつかみんなにバレる。
俺がとんでもない不良だったことが。
拓海
拓海
拓海
引き出しから、縦長の封筒を取り出して、 ペンをはしらせる。
拓海
拓海
1ー6
教室前の廊下
拓海
拓海
隣のクラスの男子達
隣のクラスの男子達
拓海
女子達
隣のクラスの男子達
拓海
隣のクラスの男子達
拓海
なんだ·····遅かったのか。
隣のクラスの男子達
隣のクラスの男子達
隣のクラスの男子達
隣のクラスの男子達
隣のクラスの男子達
拓海
拓海
拓海
拓海
隣のクラスの男子達
俺が入ろうとしたタイミングと、 こいつらが出ようとしたタイミングは、 ほぼ同時だった。
隣のクラスの男子達
隣のクラスの男子達
拓海
だけど俺は、表情一つ変えずに教室に入る。
今はそれどころじゃない。
渡さなくてはいけないんだ──!
拓海
四葉のやつ、驚いて座り込んでやがる。
四葉のペンを借りようと思って、 ペンポーチをあさった。
男子達
拓海
ギロリ
ついつい睨んでしまった。
俺が手紙の裏面に書いたのは、
こんなこと言っても無駄だろうけど、
ずっと四葉が好きだった。
拓海
四葉に手紙を渡した。
みんな俺にびびってる。
拓海
幸いなことに、行きも帰りも、 先生たちには会わなかった。
まあ、塀から侵入してんだけど。
拓海
軽々と塀を飛び越える。
ふと、寂しさが襲ってきた。
拓海
泣きたい。
でも、泣かない。
もうあの日以来、泣かないって決めたんだ。
中三の秋
拓海の部屋
拓海
今まで気づくことができなかった。
今まで喧嘩して、八つ当たりして、 何のメリットがあったんだ。
目からは、大粒の涙が流れていた。
自分が男だってことはわかってる。
男として泣きたくはない。
でも、涙は止まってくれない。
拓海
小学一年の時、両親が離婚して、俺は父についていった。
父も仕事が忙しくて、 俺に構う時間なんてない。
仕事でいつも遅いし、いつも俺は独りだった。
こういう放し飼いもいつの間にか、 俺にとってストレスとなった。
それから、俺は不良になり、 父にも八つ当たり。
俺はずっと苦しめてた。
男手ひとつで子供一人育てんのは、 きっと辛いんだろうな。
今になってわかる。
拓海
拓海
俺が自分の行いに気がついたきっかけは、他でもない。
いつの間にか、一人になっていたからだ。
一人になってやっと気がついたんだ。
拓海
この時、変わろうと思った。
このままじゃダメだって。
大声を上げて涙を流す俺は、 とんでもなくダサかったと思う。
だから、泣くのはやめにしよう。
自分の過去を恨むのはやめようって。
先のことを考えようって──!