由鶴
貴方、何か悩んでいませんか?

央世呂はバイト帰りに運動公園を横切るのだが、そこでスーツの女性に呼び止められた
紺色のスーツ
青黒く長いサラッとした髪
青い宝石のピアス、紫の瞳
独特な雰囲気のある人だ
央世呂
もしかして、僕に言ってる?

由鶴
私は貴方に声をかけました

央世呂
僕に悩み?なんで?

由鶴
そう見えたので

央世呂
それだけで声かけるの?

由鶴
私、個人的に営業している占い師でして

由鶴
いわゆる、客引きです

央世呂
僕、興味なーい

央世呂
他の人のとこに行って

由鶴
待って

央世呂
帰りたいんだけど?

央世呂
通報するよ?

由鶴
表世界の人間に私は捕まりませんよ

央世呂
表?

由鶴
いえ、気にしないで

由鶴
それより

由鶴
あなたのその心は、貴方が思っている以上にボロボロですよ

央世呂
心?

央世呂
心とか、よく分かんないんだよね

央世呂
僕には無いと思うよ

由鶴
ありますよ

央世呂
ないよ

由鶴
あります

央世呂
ねえ、しつこい

央世呂の言葉に反応するように、由鶴のピアスが青く光る
由鶴
…。

由鶴
少し、怒らせてしまいましたね

央世呂
いや?

由鶴
怒ると言うより、イラつきか…

由鶴
それにしても、上手な笑顔ですね

央世呂
もう帰っていい?

由鶴
帰っても、眠れないのではないですか?

由鶴
いや、寝ないのか

由鶴
そうやって自虐する

央世呂
いや?

由鶴
嘘はつかなくていいです

央世呂
占い師だって、嘘で仕事してるものじゃないの?

央世呂
もう行くから

央世呂
!?

地面に打たれた弾丸の跡は順番に
花が咲き、宝石が生え、氷が貼っている
由鶴
すみません

由鶴
どうしても、話がしたくて

由鶴
私、魔法使いなんです

央世呂
…嘘

由鶴
これを見ても、嘘だと言いますか

家までの近道で神社公園を横切るのだが、その道中で女の人に声をかけられた。
由鶴
リロードすれば
まだまだ撃てますよ

央世呂
じゅーとーほー?だっけ

央世呂
武器、持ってちゃいけないんじゃないの?

由鶴
安心してください

由鶴
これは魔法協会で杖として申請して、ちゃんと受理されています

央世呂
いや、分からないし

由鶴
しかし、これを見てしまったからには、ただでは帰せませんね……

央世呂
えー、アンタが勝手にしたことじゃん

由鶴
あ、そうだ

由鶴
よろしければ、一緒にお仕事しませんか?

由鶴
うちは副業も大丈夫ですよ

央世呂
いや、しないよ?

由鶴
もしくは記憶を消しましょうか?

央世呂
できるの?

由鶴
記憶操作の魔法は獲得していませんので、物理で脳に衝撃を与えます

由鶴
どうでしょう?

央世呂
嫌だよ

央世呂
なんでそこまでするの?

由鶴
…。

由鶴
魔法は、秘密なんです

由鶴
表世界の一般人に見せてしまえば、私が罰せられます

央世呂
じゃあ、ちゃんと罰せられてねー

央世呂
バイバーイ

由鶴
お願いします

由鶴
私を助けると思って

由鶴
貴方がこのまま、私の仕事仲間になればその罪も無しです

由鶴
断るなら、頭に衝撃を

央世呂
脅しじゃん

央世呂
マジでやるの?

由鶴
やらなければなりません

央世呂
拒否権、無くない?

由鶴
はい、ありません

央世呂
僕、バイトかけ持ちしてるから、時間あまり無いよ?

由鶴
その点は、後々考えましょう

由鶴
私は四季宮由鶴(しきみや ゆづる)

由鶴
心魔法使いです

央世呂
…柴入 央世呂(しばいり おせろ)

央世呂
苗字嫌いだから名前で呼んで

央世呂
あと、ボディタッチ無理

由鶴
握手も?

央世呂
無理

由鶴
分かりました

由鶴
これからよろしくお願いします。
央世呂くん
