雨夜の香り

生まれた瞬間、俺たちはある階級に分類される。

‪α‬ β Ω

‪α‬であるだけで優等生と称えられ、

βであるだけで平凡と言われ、

Ωであるだけで落ちこぼれと罵られる

これがこの世界の「常識」だ。

今はどの性も平等とされていると言われてるけど、現実はそんなに綺麗じゃない。

Ωが優秀な成果を上げても

"どうせ‪α‬に体売ったんでしょ？w''

とか

‪α‬のミスやのに

"Ωのヒートせいだ''

とか

俺が警察官になった時もや

同僚がラットを引き起こした時、原因を俺のせいにされてクビにされかけたこともあったな

...どんなに努力しても''Ω''というレッテルは消えない

だから俺は、誰にもΩと見られないように生きるんや。

朝の警察署はいつもざわついている

コーヒーの匂い、眠そうな誰かの欠伸

所属してる課の割には似つかわしくない雰囲気である

この2人は俺が所属している組織犯罪対策第三課の仲間だ

こっちは木翠（きすい）シヴァ、 俺と同じ巡査部長だ

この班のゆるキャラ的存在でふざける時はふざけるが、優秀な同期だ

この人は青葉（あおば）なおきり、 この班の班長で、警部補だ 一応先輩ではあるのだが...

こうやって思考も行動も奇想天外だが、ものすごく仕事が出来る

上下関係もないし、本当に愉快な職場だ

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

この子は白焔（はくえん）どぬく この班の班員で、巡査だ

見た目も雰囲気もふわふわしてる後輩で、その姿とは裏腹にとても強い

そうしてまったりした話をしていた頃だった

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

至急至急

東京本部から各局 新宿内で爆発事故 組織犯罪の可能性あり 7時18分 組対三課 緊急配備を発令する

「Colorful」、表では大企業として名を轟かせているが、実態は人身、薬物売買、人身取引や誘拐など人に関する犯罪が多い。

今日のシヴァさんが持っていた書類もこの「Colorful」に関するものだ

何度調査をしても決定的証拠が見つからず、長年頭を抱えている