冬休み中、
小学4年生の健人は 毎日公園に遊びに来ていた。
蒼太
おい、健人!
健人
ん?
蒼太
どこみてんだよ!
蒼太
早く鬼ごっこするぞ!
健人
うん…
蒼太
ていうか、
蒼太
さっきからそこの変な女ばっか見てて
蒼太
お前、気持ち悪いぞ?
健人
ごめん、ごめん
健人
でもさ、あの人のこと気になるんだ
蒼太
なんでだよ!
健人
僕、鬼ごっこ抜けるね…!
蒼太
しらねえよ、勝手に抜けてろ!
その女の子は木の下で微笑んで 何かを見ていた
健人
あの…
少女
なあに?
少女が振り向いた瞬間、
健人はドキッとした
健人より少し上の年齢で、
髪は綺麗な黒。 そしてツヤツヤと光っている。
肌は雪のように白く美しい。
鼻はスラッとしていて
唇の色は綺麗な赤色
顔が小さいのに目がでかい
そして白い半袖のワンピースを着ている。
健人
(芸能人よりも綺麗…)
健人は見とれていた
少女
ねえ、どうしたの?
健人
あ、あの…
健人
(なんて言えばいいんだろう…?)
健人
僕とお友達になってよ!
少女
オトモダチ…?
健人
うん、お友達
少女
いいよ
健人
本当?ありがとう!
健人
僕の名前は
健人
鈴木 健人!
健人
きみは?
少女
私は、
クロツ サツキよ。
クロツ サツキよ。
クロツ サツキ
わあ!素敵な…
健人
うん?
健人がよそ見をしていると
少女はいなくなっていた。
健人
あれ?
その次の日も、 健人は公園に来た
健人
あ!
クロツ サツキ
あら、健人くん…だっけ?
健人
そうだよ!
クロツ サツキ
あなた、明日もこの公園に来る?
健人
うん、行くよ!
クロツ サツキ
あら、そう…
クロツ サツキ
私は明日会えないわ…
クロツ サツキ
健人くんのこともっと知りたかった…
クロツ サツキ
じゃあね
健人
なんでよ!待ってよ!
走っていってしまったサツキを 追いかけようとしたが、
もう姿が見えなくなってしまった…
健人の母
ねえねえ、健人
健人
なに?
健人の母
近所に、黒津さんっているじゃない?
健人
わからないよ…
健人の母
黒津さんの娘さん、
健人の母
亡くなったんだって…
健人
ふーん、僕知らないよ
健人の母
まあ…そうよね…
健人
(黒津…?)
健人
(クロツ…?)
健人
(クロツ…サツキ…)
僕はなんで不思議に思わなかったのだろう。
あの子が…
冬に半袖のワンピースを来ていたことを。







