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主
主
私は生贄にされた。
この漁村を支えていると言われるかにの神様の生贄にされたのだ。
これは100年以上続く伝統で、この小さい村が100年も続いたのはこのおかげだと村人みんなが思っている。
私はあまり信じていない。
神様がいるはずならどうして私は虐められているのだろう。
毎日毎日参拝して、なけなしのお供えをして…
雨が降る中、付き人もいないまま白無垢を着て裾を泥で汚しながら神社まで歩く。
凪紗
決して泣くなと言われたのに。 頬に跡が出来ていく。
もうどうしたらいいの…
神様なんて居ないのに、本堂には水も食料も無いのに…。
生贄が逃げ出さないと、家は昨日焼かれたばかりなのに…。
その時、涙で歪んだ視界の隅に、何かがうつった。
凪紗
かに
凪紗
凪紗
驚きすぎて声を出ない私の手を取りながらかには続けた。
かに
口から泡を吹いていた。
それと同時に後ろから大量のカニが出てきて、私の白無垢の裾を持つ。
従者
私は視界が暗くなっていくのを感じた。
主
主
主
主
主