テラーノベル
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今日も、薬に手を伸ばす。
これで、、楽になれる、、。
そう思った、なのに、手が震えていた。
薬を飲むと、記憶を曖昧にし、夢と現実の境目がわからなくなる。
目を閉じると、いつも見る夢に囚われる。
今日も、、か。
暗い廊下。誰もいない廊下の扉が開く。
鏡を見ると、
そこにはユメの中の俺自身の歪んだような顔が映っている。
狂気に満ちたよう笑みだ。
自分の声が聞こえる。
いむ...?
「ユメ」の中の俺は現実ではありえないような行動をする。
部屋の中を意味もなく徘徊し、
何かの気配を感じると爪を立てたり、
突然叫び声を上げたりもしている。
その夢のせいでうなされているのか、大家から静かにしろなどの連絡がくる。
時には、
いつもベッドで寝てるはず、
でも、
たまに、夢で倒れた場所で寝てることがある。
この現象はなんなのだろうか。
誰か部屋にいたりするのだろうか。
いや、ただの勘違いか。
いむ、?
そう、ただの夢のせいだ。
そう自分に言い聞かせていた。
だが、次第に現実でも影響が出てきた。
部屋が荒れていたり、
物が動いてたり、
ある日には部屋が血まみれだった時もある。
その日はたまに何かわからない
動物、?の肉塊などがあったりした。
いむ、?
やがていむの意思は崩壊し出す。
鏡を見ると、そこには映るのは見知らぬ狂った顔、
本人はそれを自分だとは認めない。
いや、認められないのだ。
ゆ、、ゆめ、、、だ、、
どーせ、、悪い夢、、、なだけ、、
ずーっと自分に言い聞かせる。
そしていつの間にかに、どんどん薬に手を伸ばしていく。
その日の0:00時頃。
いむはまた廊下を歩いている。
だがその足取りは自分の意思ではなく、
勝手に足が動くような感覚だ。
壁の向こうから微かにささやきが聞こえる。
壊れたお前は、もう誰のモノでもない。
その声の正体はわからぬまま。
彼がわかるのは、夢と現実の境目が崩れた世界と、
どんどん自分が壊れていくだけ。
自身の狂気に気づけぬまま。
今日もいつの間にかに、薬に手を伸ばしかける。
彼は、自身が壊れていくのを、じっと見つめることしかできぬままだ。
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