るぅと君side
雲ひとつない天気
太陽が眩しく、僕は目を閉じる
赤咲莉犬
目を閉じていると君の優しい、大好きな声が響く
黄瀬るぅと
赤咲莉犬
僕はこの、なんでもない、二人で会話をする時間が好きだ
黄瀬るぅと
赤咲莉犬
黄瀬るぅと
赤咲莉犬
キーンコーンカーンコーン
赤咲莉犬
赤咲莉犬
僕はこのチャイムが嫌いだ
僕と莉犬のこの時間をすぐに終わらせてしまうから
だけど、今回のチャイムは、なぜか、終わりを感じるチャイムだった気がした
僕達はクラスに戻ると席に座る
莉犬と僕は席が隣同士、だから、たくさん莉犬と話せる
赤咲莉犬
黄瀬るぅと
莉犬と日常的な会話ができる、こんな、
黄瀬るぅと
そう、思っていても
それは、すぐに壊れてしまう
黄瀬るぅと
赤咲莉犬
黄瀬るぅと
黄瀬るぅと
赤咲莉犬
赤咲莉犬
手の平を見ると口を押さえていた手が血だらけになっている
モブ
モブ2
赤咲莉犬
黄瀬るぅと
赤咲莉犬
赤咲莉犬
クラッ
黄瀬るぅと
僕の視界が急に真っ暗になる
最後に聞こえたのは、莉犬の泣きそうな声だけだった
黄瀬るぅと
黄瀬るぅと
目を覚ますとすぐに入って来たのは白い天井と無機質なピッピッという音
シャァー(カーテン開ける)
医者
黄瀬るぅと
医者
医者
黄瀬るぅと
医者
医者
医者
黄瀬るぅと
僕は、医者に言われたことをぼんやりしながら、思い出す
『るぅとさんは心臓病です』
『余命はあと半年です』
何度、思い返しても、まだ理解できない
僕が心臓病なんて、あと、半年で死ぬなんて
死ぬのは、少し怖い、でも、それより
黄瀬るぅと
僕が大好きな君に、まだ、何も、伝えられてないのに
まだ、君と行きたい場所があるのに
ぼんやりと歩いていると、学校に着いてしまった
黄瀬るぅと
ガラガラ
赤咲莉犬
モブ
教室に入ると莉犬を初めとした色々な人に心配された
紫崎ななもり
青柳ころん
桃井さとみ
橙ジェル
僕と莉犬の親友、なーくん、ころちゃん、さとみ君、ジェル君も来た
黄瀬るぅと
黄瀬るぅと
黄瀬るぅと
心臓病のことを言うと全員が静かになった
泣き出す人もいれば、絶望したようになっている人もいた
モブ2
モブ
青柳ころん
桃井さとみ
紫崎ななもり
橙ジェル
チラッと莉犬の方を見てみると、君は思い詰めたような顔をして、俯いていた
黄瀬るぅと
主
主
主
主