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もっと、仲よくなろうね!   後編の続き

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もっと、仲よくなろうね! 後編の続き

1 - もっと、仲よくなろうね! 後編の続き

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2022年05月20日

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自分

その夜、風奈が夕食をとっていると、グラグラッと体がゆれた。

風奈

地震!

自分

同時に、ケージからガシャッ、ガシャッと激しい音がした。

自分

見ると、ルルがあちこちぶつかりながら、ケージ内を飛び回っている。

風奈

あぶない、けがしちゃう!

自分

風奈があわてると、キッチンからお母さんが顔を出した。

風奈のお母さん

パニックになってるのよ、風奈、声をかけてあげて

自分

風奈は急いでケージのそばによった。

風奈

すぐにおさまるよ。あたしがそばにいるから、大丈夫だよ

自分

少し安心したのか、ルルはとまり木にとまって、ハッハッと短く息をした。

風奈のお母さん

オカメインコは地震とか、大きな音がしたりすると、パニックを起こしやすいんだって。風奈がそばにいるときにそうなったら、声をかけて安心させてあげてね

自分

風奈はドキドキし続ける胸に手をあて、こくん、とうなずいた。

自分

2週間がたったころ。風奈がいつものようにあわ穂を手にのせてケージの入り口に手を入れると、ルルがちょこんとのってきた。ほわっとあたたかいぬくもりが伝わってくる。風奈はうれしくて飛びあがりたいのをこらえて、心の中でさけんだ。

風奈

(きゃー、ルルが手にのってくれたっ)

自分

ルルが食べ終えてから、風奈は興奮してお母さんに言った。

風奈

もう手のりになったって言えるよね

風奈のお母さん

ううん、まだ。次はケージの外に自分から出てくるようになるのを待つの。ただ、部屋には小鳥にとって危険なものがいろいろあるから、注意しなきゃいけないみたい

自分

お母さんはお店の人からもらったプリントを見せながら、ひとつひとつ、風奈に説明してくれた。

風奈

こんなに注意することがあるんだ!

自分

風奈がびっくりすると、お母さんは深くうなずいた。

風奈のお母さん

もともと人間と小鳥はちがう場所で生きてきたから、いっしょにくらすときは小鳥に合った環境を整えないと、事故が起きたり病気になったりして、へたしたら死んじゃうんだよ

自分

死んじゃう━━という言葉が、ずしんとくる。

風奈

あたしとルルはちがう生きものなんだよね……

自分

ちがう生きものとか、小鳥にあった環境とか、風奈は思いもしなかった。

自分

でも、知れば知るほど、ちがいがわかってくる。室温も風奈が気持ちいい温度がルルにとっていいわけではない。ちょっとしたことでパニックになって、けがしそうになったりもする。

風奈

ルルが安心できる環境にならないと、手のりにはならないんだね

風奈のお母さん

そういうこと!

自分

それから風奈は毎日ケージを開けて、あわ穂を手にのせて待った。

自分

ルルはなかなかケージから出てこようとしなかったが、2ヶ月がたったころ、ちょこっと出て、あわ穂を食べはじめた。てのひらから伝わってくるぬくもりに、ほっとする。

風奈

(命がここにある……)

自分

風奈がそうっと頭をなでると、ルルはうっとりと目を細めた。

風奈

ルル、ゆっくりでいいから、もっともーっと、仲よくなろうね

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