この作品はいかがでしたか?
63
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ルマ
あお
きい
僕はお盆になると、 此処の家に帰る。
あお
キッチンの奥から 『チンッ!』と言う 機械音が聞こえてきた。
きい
きい兄ぃが電子レンジに 近づき、中にあるものを 取り出す。
茶色のおまんじゅうだ。 温かそうな湯気を出しながら 、ほんのりとした甘い香りが 鼻をくすぐる。
このおまんじゅうは、 僕の大好物だ。
あお
きい
そう言って、 まだきい兄ぃと暮らしていた 時、いつも僕が座っていた テーブルの席に おまんじゅうを置く。
きい
あお
しかし、きい兄ぃは、 それっきり、僕の方を見よう ともせず、イスに座って テレビを見る。
怒っているのだろうか。 でも、
どこか寂しそうにも見える。
帰ってきたのは、 兄の家を出て一人暮らしを していた弟。 彼は、一人暮らしを していた時、不慮の事故で
亡くなりました。 兄は、死者が帰ってくる というお盆に、彼が 大好きだった おまんじゅうを、彼の 定位置だった 食卓の席に置きました。 しかし、兄にはもう、 弟を見ることも、 話す事もできません。
コメント
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悲しいということは何となくわかったよ(
わぁお、怖いか怖くないかわからん☆