注意 この作品には、BL要素が含まれております。 苦手な方は閲覧をおやめください。 大丈夫な方はそのままどうぞ。
春、毎年俺はこの公園に来ている。
…あの人に会うために。
虎井 直樹
虎井 直樹
桜乃
虎井 直樹
桜乃は、ここの公園の桜の精霊…のような存在らしい。 毎年の春の、桜が綺麗な時期に現れる。 女っぽいが、れっきとした男だ。
俺が彼と出会ったのは、俺がガキの頃だった。
虎井 直樹
虎井 直樹
出会った日、親とはぐれてしまった。 花見で人が多かったからだろう。
そんな時に、桜乃に出会った。
桜乃
虎井 直樹
桜乃
桜乃
虎井 直樹
父
母
虎井 直樹
母
虎井 直樹
一瞬マジで分からなくなった。 すると、父さんが面白いことを言ってくれた。
父
虎井 直樹
父
父
虎井 直樹
その年から、ずっと通い続けてきた。
虎井 直樹
桜乃
虎井 直樹
桜乃
優しい微笑みを零す、桜乃。
虎井 直樹
その笑顔に、
……数年前から恋していた。 俺が、この世で初めて愛した人で。
虎井 直樹
桜乃
虎井 直樹
毎年、こうやって伝えようとしてはやめてしまった。 そうして、また来年に先延ばしして。
今年もまた、先延ばししようと思っていた。
桜乃
虎井 直樹
桜乃
桜乃
虎井 直樹
そう、告げられるまで。
桜乃は、公園の大きな桜の木の精霊だった。 それはわかっている。
だが、その木は確実に朽ちていっていた。 そして、今年の夏。
桜の木が、切られることになったらしい。
危険だからだとのことだ。 桜乃は、それを聞いてしまった。
桜乃
虎井 直樹
桜乃
虎井 直樹
気づいた時には、桜乃に抱きついていた。
桜乃
虎井 直樹
虎井 直樹
虎井 直樹
桜乃
虎井 直樹
虎井 直樹
抱きしめながら、目からなにかが零れるのが解った。
桜乃
虎井 直樹
桜乃
温かい腕が、俺を抱き返した。
桜乃
桜乃
桜乃
桜乃
虎井 直樹
桜乃
桜乃
虎井 直樹
虎井 直樹
桜乃
虎井 直樹
唇に、何かが重なる。 すぐに何なのかが分かって、顔に熱が帯びられたのがはっきりと感じられる。
桜乃
虎井 直樹
桜乃
桜乃
そういうと、桜乃は消えていく。 たくさんの、桜吹雪と一緒に。
虎井 直樹
手を伸ばしても、もう遅かった。
俺はそこで泣いた。ずっと泣いていた。
気持ちとは真反対な太陽が、俺の背中を照らした。
コメント
18件
感動(T ^ T)
うわぁぁぁぁ感動した…!!!