TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

歩幅と距離は恋次第!!

一覧ページ

「歩幅と距離は恋次第!!」のメインビジュアル

歩幅と距離は恋次第!!

2 - 初めての感情

♥

340

2025年06月12日

シェアするシェアする
報告する

1年B組 教室

神代先生

ここが君の教室だよ。場所は覚えたかい?

ん~…忘れたから明日も案内してくれ♡

神代先生

はい、覚えてるね。

むぅ、ツレないな。

神代先生

君の席はあそこだよ。丁度席替えした後なんだ。

おぉ、ここか。

神代先生

ちなみに、今日は1限目から体育だけど、体操服はあるかい?

む、初耳だな。ある訳ないだろう。

あ、類の体操服を貸してくれてもいいんだぞ!

神代先生

無いよ。僕、先生だし。

え~、ジャージくらいはあるだろ?

神代先生

あるけど生徒には貸せません。保健室で借りてきなさい。

ん〜、保健室が分からないから、一緒に行こう!類!

神代先生

昨日行っただろう?

忘れた♡

神代先生

…じゃあ、今日覚えてね?

は~い♪

保健室

神代先生

失礼します。

朝比奈先生

あら、神代先生。それと…

天馬です。

朝比奈先生

あぁ!あの天馬くんだね。

神代先生

体操服を借りたいんですが、いいですか?

朝比奈先生

分かりました。ちょっと待ってて下さいね。

朝比奈先生

はい、どうぞ。洗って明日返してね。

ありがとうございます。

神代先生

……君、朝比奈先生には敬語使えるんだねぇ。

む?そりゃあ使うだろ。

神代先生

おや、僕には?

類は特別だから♡

神代先生

礼儀はちゃんとしようね。

神代先生

ほら、授業始まっちゃうよ。早く着替えてグラウンド行っておいで。

類も来るのか?

神代先生

授業あるから無理だよ。

えぇーー…じゃあオレ、そっち行きたい。

神代先生

3年生の授業だからダーメ。

むぅ…

神代先生

とにかく、早く着替えてきなさい。頑張ってね。

は~い

グラウンド

生徒

東雲せんせ~♡♡今日なにするのー?

東雲先生

ん?新体力テスト。50メートル走やるぞ~

生徒

えーーー!!50メートル走~??

(ほぅ、あれが体育教師か。なんか見た事あるな。)

東雲先生

え、あれ?天馬?

あ、どうも。

東雲先生

おぉ!お前来てたのか!偉いじゃねぇか!

まぁ…

東雲先生

…お前、さてはオレが誰だか分かってねぇな?

いや、見たことはあるんですよ。

東雲先生

去年のお前の担任だよ、バカヤロー

担任…

あっ!!河川敷まで追いかけてきた変人!!

東雲先生

誰が変人だ。

(そうだ!そういえば去年、つまらないから脱走しようとしたら追いかけられたんだった!)

(この人、化け物級に足速かった気がする…)

(あの後、結局河川敷で捕まったんだったか)

東雲先生

ったく…まぁ、去年もほとんど学校来てねーし、覚えてなくても仕方ないか。

東雲先生

今年は来る気になったのか?

えぇ。興味惹かれるものがありまして。

東雲先生

へぇ?そりゃいい事だな。

東雲先生

だけど…お前、まさか本当に留年しちまうとは……

まぁ、あれだけサボってたら当然ですね。

東雲先生

当然って…今年は頑張って進級しろよ~

キーンコーンカーンコーン

東雲先生

お、授業始めんぞ~号令!

東雲先生

じゃあ、まずは50メートル走から。出席番号順に並べ~

(オレはたしか、21番か。)

(えーと……誰が何番か分からん…)

生徒

あ、あの…

む?

生徒

天馬さんは多分ここ…だと思います。

おぉ!ありがとう!

(優しい生徒だな。彼は……ほう、出席番号1番か。)

東雲先生

じゃ、位置について。よーいどん

東雲先生

え〜…天馬、6.13秒。

(うむ、あんまり衰えてないな。)

東雲先生

お前、やっぱ足速ぇな。サッカー部来いよ。

チーム系の競技苦手なんで。

東雲先生

ん~、そりゃ残念。

東雲先生

次走るヤツ準備しとけよー

放課後

ザーーーー

(……いやいや、おかしいだろ)

(あんなに晴れてたのに?!なんでこんな豪雨なんだ?!)

(髪崩れるの嫌だなー…傘…持ってないし、)

生徒

あの、

む?

生徒

もし良かったら、折りたたみ傘ですが…どうぞ。

えっ?

生徒

俺は傘あるので、良かったら使ってください。

あっ、ありがとう!!

(なんとまぁ、優しい生徒か……あ、名前!!なんならクラス聞くのすら忘れた!!)

神代先生

おや、天馬くんじゃないか。

あ、類!

神代先生

「先生」ね。傘無いのかい?

いや、さっき…

神代先生

う~ん…貸し出し用の傘も無いねぇ

神代先生

途中まで送っていこうか?

………………

……いや、いい。実はさっき借りたんだ。

神代先生

おや、そうだったんだねぇ

だが、貸してくれた人の名前もクラスも知らなくて…

(…あ、傘に名前書いてる!)

類!!「青柳」って人が何年何組か知ってるか?!

神代先生

えぇ……君、本気…?

神代先生

青柳くんは同じクラスだよ。1年B組。なんなら、君の前の席の子さ。

えっ?!

神代先生

本当に周りを見てないんだねぇ…

き、興味ないというか…

だがまぁ…同じクラスなのか。また礼を言わねばな。

神代先生

明日もちゃんと来てくれるのかい?

まぁな。

神代先生

ふふ、待ってるね。

…………類、やっぱり一緒に帰ろう。

神代先生

仕事あるから無理です。

さっき途中まで送るとか言ってたじゃないか!

神代先生

あれは困ってると思ったから聞いたんだよ。

オレは今も困ってるぞ!!

神代先生

おや、何に?

類と一緒に居たいから帰れなくて困ってる!

神代先生

また明日も会えるだろう?今日はここでバイバイだよ。

む……

じゃあ、類の仕事が終わるまで待つ!

神代先生

早く帰りなさい。

え~~~~

じゃあ、明日職員室まで行くから、一緒に教室まで連れてってくれ!

神代先生

うぅん…

連れてってくれるなら、今日はもう帰る!

神代先生

……分かったよ。一緒に行ってあげるから、今日は帰ろうね。

あぁ!

じゃあ、類!また明日!

神代先生

うん、また明日ね。

職員室

神代先生

(ふぅ…)

朝比奈先生

先生、懐かれてましたね。

神代先生

あぁ…そうなんですよ。原因は不明ですけど…

朝比奈先生

でも、いい事ですよね。去年はほとんど一切来なかった天馬くんが、授業まで受けてるんですから。

神代先生

そうですねぇ。教師として嬉しい限りではあります。

神代先生

ただまぁ、もう少し礼儀も弁えてくれたらなぁ…

朝比奈先生

ふふ、そうですね。

東雲先生

お疲れ様でーす。雨ヤバいっすね。

神代先生

お疲れ様。天気予報では曇りだったのにねぇ。

神代先生

あ、そうだ。体育の授業、天馬くんどうでした?

東雲先生

ん?あぁ、特に問題とか起こしませんでしたよ。真面目に受けてました。

東雲先生

50メートル走したんですけど、天馬やっぱり速いんすよ。6.13秒。

神代先生

えっ、速いね。君の高校時代と同じくらい?

東雲先生

そーっすね。オレの全盛期で6.06秒なんで。

神代先生

すごいねぇ…

朝比奈先生

そういえば、お二人共傘はありますか?

神代先生

あ~…

東雲先生

ん〜…

朝比奈先生

無いんですね。

神代先生

降ると思わなくて…

東雲先生

同じく。

朝比奈先生

良ければ、お二人共車で送りますよ。

神代先生

え?!い、いえ!申し訳ないです!

東雲先生

オレも走りゃ何とかなりそうなんで~

宵崎先生

そんな事言わないで…お二人共、乗っていってください。

宵崎先生

雨の中走ったら怪我するかもしれないし、風邪を引いても大変なので。

神代先生

よ、宵崎先生…ありがたいですが…

朝比奈先生

なら、言い方を変えます。乗っていって下さい。

東雲先生

…じゃ、お言葉に甘えさせてもらいます。

東雲先生

今度なんか奢らせて下さいね。

神代先生

あ、僕も。

宵崎先生

じゃあ、また今度ご飯食べに行きましょうか。

翌日

職員室

るーいっ!♡おはよう!!

神代先生

おはよう。「先生」をつけなさい。

神代先生

もう少しだけ待ってね。

は~い

東雲先生

あれ、お前なんで職員室?誰かの呼び出し食らってんの?

あ、いーえ。類を待ってます。

東雲先生

え、「類」?

東雲先生

お前…神代先生のこと呼び捨てにしてんの?

類は特別なので。

東雲先生

マジか

神代先生

お待たせ、天馬くん。

あ、類♡

神代先生

だから「先生」だって言ってるでしょ。

東雲先生

懐かれてますね~

神代先生

うぅん、ナメられてるの間違いかもねぇ…

東雲先生

アンタ優しいから。ナメられてもしゃーないっすね。

神代先生

うん?褒めたの?貶したの?

東雲先生

両方っすね。

神代先生

彰人くんひど~い

むっ

神代先生

あ、君寝癖ついてるよ。

東雲先生

は?セットだっつってんだろ

神代先生

直してあげよっか。

東雲先生

いらねーよバカ

類!!

神代先生

あぁ、ごめんね。教室行こうか。

むむむ……

類!!アイツとはどういう関係なんだ!!

神代先生

アイツ?

さっきの変人体育教師だ!

神代先生

変人……

神代先生

ふふ、東雲先生のこと?そこまで変人じゃないと思うけどねぇ

ソイツだ!どういう関係だ?!

神代先生

どう…先輩後輩かな。

な……にしては親しかったぞ!

神代先生

そりゃあ、高校時代からの付き合いだからね。

こ、高校時代から……

むむむ…

神代先生

今日は不機嫌だねぇ。どうしたんだい?

さぁ…?

(なんか、類が誰かと仲良さそうにしてるのが嫌だ…)

(むむ…こういう感情は初めてだな…)

神代先生

…天馬くん、手出して。

神代先生

ふふ、これあげる。

…飴か?

神代先生

うん。頑張って学校来てくれてるから、ご褒美。

神代先生

君にだけだから、みんなには内緒だよ?

オレにだけ…

(オレにだけ!!)

あぁ!分かった!

神代先生

ふふ、機嫌直ったみたいで良かった。

NEXT

この作品はいかがでしたか?

340

コメント

2

ユーザー

嫉妬してる司可愛い!続き楽しみにしてます!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚