〇〇
君は一枚紙を見せた
衣更真緒
なんかはじまったぞ
明星スバル
テストのこと?
〇〇
綺麗に並んだ文字の束
明星スバル
やっぱりテストのことじゃん
遊木真
明星くん〇〇ちゃんにテスト見せたの?
氷鷹北斗
あぁ、俺にも見せてきた。
遊木真
えぇ…
〇〇
「歌にも命があるんだ」と
〇〇
自分によく教えてくれた。
明星スバル
確かにそうだよね〜。
衣更真緒
いいこと言う人だな。
〇〇
私はその意味など知らずに
〇〇
ただひたすらに歌い続けた。
明星スバル
〇〇ってアイドルだったのか!?
氷鷹北斗
いや、それにしては踊りが下手だったぞ。
遊木真
氷鷹くん、それはあまり言わないようにしようよ…
〇〇
望んだような声は出せなくて
〇〇
君を困らせた。
衣更真緒
「君」って誰?
〇〇
次も次の日もまた
〇〇
私は歌を歌い続けた。
明星スバル
〇〇の歌ききたい!!!
歌って〜!!!
歌って〜!!!
遊木真
確かに。僕もききたい!!!
〇〇
同じところでつまづきながら
〇〇
何度も言葉を重ねた。
衣更真緒
いっぱい練習したんだなぁ。
氷鷹北斗
〇〇、歌ってみてくれないか?
〇〇
つまづくことも次第に減った。
〇〇
君は「よく頑張ったね」と__
明星スバル
うん!!!〇〇はすごく頑張ったよ!!!
〇〇
その時確かに感じた鼓動は
〇〇
私の中に生まれた「心」
〇〇
でしょうか?
遊木真
?
うん。そうだと思うよ。
うん。そうだと思うよ。
衣更真緒
(少し様子がおかしい…)
〇〇
旋律をなぞるキカイの声
〇〇
静かに揺れてる瞳の中
衣更真緒
〇〇、何かあった?
氷鷹北斗
衣更、どうした?
衣更真緒
いや、〇〇の様子少しおかしいと思って
氷鷹北斗
そうは見えないが……
〇〇
君は時々本を見せた
〇〇
綺麗に並んだ文字の束
明星スバル
教科書?
遊木真
確かに〇〇ちゃんたま〜に忘れることあるもんね。
〇〇
「人にも命があるんだ」と
〇〇
自分によく教えてくれた。
氷鷹北斗
〇〇も人だろう
〇〇
私はその意味をよく知った
〇〇
いつかそれが終わる日が来ると
遊木真
僕らも一緒にいられる時間が限られてるしね……。
〇〇
そしてもう二度と
〇〇
目を覚ますことも無いと
明星スバル
うん……。
〇〇
そこに命があるの?
〇〇
それが人を動かしているの?
衣更真緒
(;-ω-)ウーン
どうだろう……
どうだろう……
氷鷹北斗
俺も分からないな。
〇〇
「当たり前だろ」君は笑った
氷鷹北斗
そうだったのか。
明星スバル
俺は違うと思うけど
〇〇
この先もずっと君のそばで
〇〇
歌いたかった
〇〇
歌いたかった
明星スバル
じゃあ一緒に歌おう!!!
遊木真
軽音部の部室にお邪魔する?
衣更真緒
朔間先輩が許してくれるかだよな。
〇〇
でもそれは叶わないんだ。
氷鷹北斗
………そうか。
〇〇
その時確かに軋んだ歯車
〇〇
私の中で藻掻いてる「心」の音
衣更真緒
〇〇…
〇〇
旋律をなぞるキカイの声
〇〇
静かに揺れてる瞳の中
明星スバル
ごめん。
遊木真
〇〇ちゃん。ごめんね。
〇〇
……
〇〇
もうマスターのメロディ間違えずに歌えるよ
〇〇
だからいつもの、
いつものように
いつものように
〇〇
くしゃくしゃって
頭を撫でてよ………
頭を撫でてよ………
氷鷹北斗
〇〇……
〇〇
初めての声
〇〇
君を呼ぶ声
〇〇
今も覚えていますか?
衣更真緒
〇〇、その人はもう…
遊木真
衣更くん!言わなくていいよ。
遊木真
多分〇〇ちゃんも分かってるから。
衣更真緒
でも…
〇〇
やがて歌は大空を越え飛び立って
〇〇
いつかくれて君の元へ届いてゆく
明星スバル
〇〇?なんか変なこと考えてない?
明星スバル
大丈夫だよね……?
〇〇
私がいつの日か壊れたって
衣更真緒
冗談だよな……?
遊木真
〇〇ちゃんは壊れないよ!!!
〇〇
君の歌はずっと
〇〇
瞳の中
〇〇
彼方深く
氷鷹北斗
……〇〇?
氷鷹北斗
なんで…こんな所で寝ているんだ…?
遊木真
えっ、氷鷹今どこ?
明星スバル
いた、北斗!!!
明星スバル
〇〇が居たって
ほん、とう、か…
ほん、とう、か…
明星スバル
〇…〇??
遊木真
〇〇ちゃん!!!
衣更真緒
救急車…呼ばなきゃ…
明星スバル
〇〇!!!!!!
……ピッ……ピッ……ピッ………ピッ
ピ━━━━━━━━━━━━