テラーノベル
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藤澤涼架side.
僕は目の前にいる男の人を見つめる
大学生…というよりマスコットみたいな、雰囲気
すると、男の人はくるくると指を回し始めた
そして胸を横切るように手のひらが動く
急な行動に訳もわからず首を傾げると、心の声が聴こえた
『手話…わかるかな、…』
あ、そういうことか。これは、手話か
手話なら僕はわからない
fjsw.
僕はそう言ってその場を離れようと踵を返した
綺麗で可愛い人だったけど、いつ心の声が聴こえてくるかわからない
気持ち悪いって言われないって、保証されてる訳じゃ無いんだから
だから僕は人と喋るのが嫌いだ
上辺と内面の違いがわかってしまって
喋るのが辛くなるから
だからあの時も
心の声と現実の声を間違えなければ
こんなことにはならなかったのに
少しだけ後悔する
すると、今度はもっと大きい声が頭に響いた
『いかないでっ…!』
聞こえるのと同時に、腕を引っ張られる感覚
僕が振り向くと、男の人は僕に紙切れを見せた
待ってて
fjsw.
僕は近くにあったベンチに座る
彼はずっとペンで紙に何かを書いている
…この子、全然喋んないな
そう思いながら彼を見ていると
彼は書き終わったのか僕にさっきの紙切れを見せてきた
さっきの『待ってて』の下に何やら長い文
待ってて 大森元貴って言います 前からずっと藤澤さんのことみてて、 やさしいし、かっこよくて、あと、 かわいい洋服とか、きれいな髪とか、ずっとすてきだなって、! 急にごめんなさい、あの。 お友だちになってほしくて。
目を通すと、今までかけられなかった言葉が並んでいた
大森さん、は緊張しているのか手をもじもじと動かしている
『気持ち悪いって思われちゃったかな…』 『引かれちゃったかな、』 『どうしよ、若井ぃ…』
その子の心の声が僕の頭に響く
スルーしつつ、ずっと気になっていたことを聞く
fjsw.
大森さんはハッとしたように紙にまた何かを書いた
はなせないの、病気で
それを見て納得する
風邪とかで喉を痛めたのかなって思ってた
『話逸らされちゃったぁ…』 『お友達、無理だったかな』
頭の中にまた大森さんの心の声が響く
眉毛はハの字に下がり、見るからに落ち込んでいた
この子は、内面と外側がびっくりするほど変わらないな
そう思った瞬間、言っていた
fjsw.
僕がそう言うと、大森さんは破顔させた
太陽の光を集めたみたいな、眩しい笑顔
その笑顔は
すごく綺麗で、それでいて、すごく可愛かった
そして何故かとても
心臓がどくどく動く
fjsw.
照れを隠すように早口で言うと、大森君はまた眉毛をハの字に下げた
『本当は…名前で呼んで欲しいな…』 『でも、流石に気持ち悪い…?』
fjsw.
そういうと大森君…いや、元貴は
ぱぁっと花のように笑った
コクコクと頷く
…この子は、正直で真っ直ぐで…
内面も外側も何も変わらないな
心の声と言葉に嘘がない
すごく、明るくて、…可愛い人だなって思う
fjsw.
元貴にそう言うと、元貴はまた紙に何かを書いた
でも書き終わっても僕にそれを見せる素振りが無い
ただ黙って、また考えこんでいる
『なんて呼べばいいんだろ…』 『涼架さんだと硬いし…呼び捨ても、駄目』 『涼ちゃんどうかなって思ったけど…』 『馴れ馴れしくあだ名で呼んでいいのかな、…』 『何こいつって思われちゃう?』 『でも僕はそこが駄目なとこだから…』 『一人じゃ決めきれないよ…若井ぃ、助けて…』
fjsw.
そういうと元貴はもじもじと紙を差し出した
涼ちゃんて、よんでいい?
色々なことが相まって可愛いなと思いながら「いいよ、」と言う
『よかったぁ…!』 『若井いないのに、友だち作れたぁっ!』 『今日お見舞い行った時自慢してやろ、!』
そう心で叫びながらガッツポーズする元貴に
僕が、ついつい言っちゃったんだ
fjsw.
その名前を出した瞬間
元貴の心の声が変わる
『なんで、若井にこと知ってるの…?』 『え、知り合い…?』 『でも若井知り合いじゃないよって…』 『嘘、?え、?』
元貴の顔が段々と歪んでいく
そりゃそうだ
だって今日知り合った人が自分の友達を知ってるんだもん
でも、僕が心を聴いてるから、なんて言えない…
言え、ない?
言った方が、いいのかな
僕の不思議な力のこと
こんにちは
勢いで予告して書いたけど、すごい駄作になっちゃった… 今まで不穏系ばっか書いてたから…ほのぼのわかんないよぉっ ごめんなさい
前作♡1000ありがとうございます 感想も沢山嬉しいです
この作品も♡&💬よろしくお願いします
それではまた。
追記 関係者様募集しようかな、って思ってます。 なりたい人いたら、教えて下さい。
コメント
14件
もう設定といいシチュエーションといいめちゃくちゃ大好きです!!もうほんとにこういう系愛してるんですお恵みくださってありがとうございます😭 もしよければ関係者なりたいです…!
儚くて尊い。可愛い。好き!わぁぁああ゙ぁ゙!!!!(発作) 相手大森さんだったかぁ!最高に可愛い、、涼ちゃんも心汲み取ってあげてるの優しすぎてほろるわ😢 良ければ関係者なりたい!
まってまって なんですかこの可愛い世界 悲しい感じもありながらふわふわした感じもあって、ほんと好きすぎるっっっ!! 毎回この作品一番好きかも…!を更新しちゃってます ほんと天才すぎるよおおお ❤️さん可愛すぎるし、、、💙さんのお見舞いも気になるな、、、、 とにかく大好きですあいらぶゆーーーー🫶🫶🫶