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この話は、"彼女達"が英雄になる前から始まる。

ある者は、失った栄華をもう一度手に入れる為にこの星へ訪れた。

もう一人は、罪も無く傷つけられた末に空から落とされた。

幸運にも、その二人はユニバースターと言う星に辿り着いた。 だが、英雄でもない彼らは永遠に続く夜の街へ流れ着く。

誰も訪れぬ路地裏の開けた所に、始まりとなるゴミ山はあった。

ギャスピオン

…ここなら、もう一度出来る筈だ。

ギャスピオン

ゴミぐらい、まだ使える物はあるよな…

一人のサラリーマンが、ゴミ山の中に手を突っ込んで何かを探る。

ギャスピオン

ん…人の手か?

ギャスピオン

人の手にしてはなんか硬いな…

ギャスピオン

仕方ねぇな、ここは…

その手を引っ張れば、人間…?であろう者が出て来た。

バドルス

…?

ギャスピオン

おい、大丈夫か?

バドルス

貴方は…誰ですか…?

明らかに人…だが、顔がおかしい。

風貌から執事である事は察せるが、右半分の顔が爛れていた。 どうやら、彼は執事ロボットの様だ。

ギャスピオン

俺ぁギャスピオンだ。あんたは?

バドルス

私…ですか?

バドルス

私には、仮名として…「バドルス」と呼ばれたことが…

ギャスピオン

じゃあ、それでいい。

ギャスピオン

なぁ、あんた…ここで頂点(トップ)目指さないか?

バドルス

頂点…ですか?

ギャスピオン

俺も、あんたみたいに全てを失っちまった。

ギャスピオン

だからこそ、やっとの思いで辿り着けた。

ギャスピオン

お前はどうしてここに?

バドルス

…!

一つ、バドルスと言う執事ロボットは何かを思い出した。

痛々しい、あの日の光景が。

ギャスピオン

どうした…?何か思い出したような顔して…

バドルス

そ…それは…その…

ギャスピオン

落ち着いて話しな、ちゃんときいてやるから。

バドルスと言う執事ロボットは、恐る恐る口を開けて話を始めた。

─あの日、私は気がつけばここに居た。─

"私を捨てた屑"

おい!目覚めたならとっとと仕事しろ!

バドルス

は、はい…

─私は、次々と襲いかかる無理難題に答えるしかなかった─

─いつしか、私は本当にこれで良いのかと思い始めた。─

─人はこれを、感情と呼ぶらしい。でも…─

"私を捨てた屑"

ったく使えねぇゴミだな、お前は!

頑張った筈なのに、私は叱られるだけだった。

バドルス

私が…何をしたと…

"私を捨てた屑"

黙れ!ロボットのくせに感情なんて持つから悪いんだよ!!

私は、見せしめに危険な薬を顔にかけられました。

右半分の顔は爛れ、人の顔を保つ皮が剥がれて剥き出しに…

バドルス

こんな事を…他の者にしていると言うのですか…

"私を捨てた屑"

口答えするな!この鉄クズ!!

"私を捨てた屑"

お前なんか、作られなきゃ良かったんだよ!

心無い言葉が突き刺さり、私は酷く胸を痛めました。

そのまま、私は外へ突き出されて…

落ち行く中で意識がシャットダウンし、後は分からずじまいです。

ギャスピオン

…そういう事があったのか。

バドルス

もし…宜しいのなら、一つ…

バドルス

あなたの事を、お坊ちゃんと呼んでも宜しいですか?

ギャスピオン

その呼び方…まぁ、気に入ったよ。

ギャスピオン

それじゃあバドルス、このドン底から頂点を目指そうぜ!

バドルス

…!

この瞬間、バドルスは心の中で誓った。

自分を犠牲にしてでも、お坊ちゃんを…絶対に守らなければ。 もう、捨てられる訳には行かないように…

忠誠の証に、バドルスは跪いてギャスピオンの指先へと口づけた。

これが、二人の始まりであった。

今日はここでおしまい。次の朝が来るまで、今はおやすみ。

Gambling・Vigirante!!!

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コメント

3

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過去を見たらまじでバドルス可哀想だな...みたら突き刺さる言葉で泣きそうになった

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