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たぁむ@フォロバ
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黒瀬白夢
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コメント
11件
見事に涙腺が崩壊しました...😭 情景描写とか、所々に入れてくるなつぴょんさんの生きていない感とか...あまりにも上手すぎます... いつも素晴らしい作品を作ってくださってありがとうございます。好みの中の特に好き部類に入るジャンル(切ない系)なので、感謝の言葉しかないです。

うわあああ やばいです 呼んでて涙が止まらなくなっちゃいました 途中からもしかしたら…?と思ってたけどまさかの想像通りで 悲しいのと切ないのと感動で本当に涙腺崩壊しました! さすがです
ぽすさん、第4話、読み終えました……。 もう、胸がぎゅっとなりました。 なつきが笑顔で「遊びに行こう」って言うたびに、読んでるこっちは「ああ、そういうことか」って気づきながらも、一緒に連れ回されてるような気持ちになりました。特にカフェの店員さんの反応や、はてなたちの「誰もいない」の台詞が、すごく静かに刺さってきて……。 最後の海辺のシーン、キスと「またな」の別れが、優しくて切なくて、泣きそうになりました。 「生きよう」って決意したあさひの背中を、ちゃんと見届けたいと思いました。 素敵な作品をありがとうございます。
ワンクッション 今回は死ネタです 終始若干暗め、一部相当暗めになる予定です お互いを「なつき」「あさひ」呼びで固定しています その他捏造も含まれます ぐだっています めちゃくちゃ長いです タップが300回以上必要となります 客観的な意見を取り込み改訂を行いました
初の死ネタです。上手く書けるか分かりませんが、どうぞお付き合いください。笑
窓の外から蝉の声が鳴り響く。
部屋の中はゴミの臭いが充満し、足にいつ着たのか分からない布の感覚がする。
お気に入りだったギターはネック部分が折れ、PCはずっと触っていないからか、埃が積もり、もう使えないだろと言う程ぼろぼろ。
そんな部屋の中で俺は、延長コードを手に持ち、茹だるような暑さの中ぼーっとカーテンの隙間から漏れる光を見つめた。
いつからそうしていたのかもう覚えていないが、光のが橙色に変化して、少し静かなひぐらしの声へ変わっていることから、既に数時間は経ったんだなと自嘲するように笑いが溢れる。
重い腰を上げてその場に立ち、ゆっくり深呼吸をした。
埃とカビのツンとした臭いが鼻腔を掠めて、思わず眉を顰めたその時だった。
少年のような無邪気な声が背後から聞こえてきた。
瀬戸あさひ
恐る恐る振り返ると、少し首を傾けて笑うなつきの姿があった。
手に持っていたコードを取り落とし、はくっと息が漏れる。
瀬戸あさひ
なつぴょん
瀬戸あさひ
なつぴょん
屈託無く笑う姿が眩しくて、優しくて......懐かしくて、目から熱いものが溢れ出す。 これは果たして現実か否か、暑すぎて頭がぐらぐらする。
けれど、どっちでもいい。これが現実だろうとそうで無くとも俺はこいつに言いたい事があった。
瀬戸あさひ
なつぴょん
俺が口を開こうとしたら、腕を振って止めてくる。ぷくっと頬を膨らませて眉を釣り上げた。
なつぴょん
話について行けず困惑する俺を置いて、物の散乱する部屋をすいっと抜けて玄関まで行ってしまった。
しばらくその後姿をぼんやり見ていたが、我に返って準備をした。数分で身体を洗い、出来るだけ綺麗な服を引っ張り出して家を飛び出す。
表に出ると、なつきがマンションの壁に寄りかかって立っている。 夕日に照らされているその姿は儚くて、とても綺麗だった。
なつぴょん
和かにそう言って「さぁ行こ〜!」と子供みたいに駆けて行く。
瀬戸あさひ
慌ててその後を追いかけた。
なつぴょん
瀬戸あさひ
なつきに連れられてやって来た市内のゲームセンターは、学校終わりの学生や家族連れが多くなっていた。 音楽や機械音が人の声と混ざり、活気に溢れている。
なつぴょん
人の隙間をすっと抜けて新しい台...本当は1年前に導入されたものだが...それに向かった。
俺も人の隙間を謝りながら通って行く。
台に「わぁ!!ヨッシー!!」と言いながら張り付いて、なつきは少年のようにはしゃいでいた。
なつぴょん
瀬戸あさひ
なつきのおねだりに負けて、仕方なくプレイする事にした。
1500円ほど消費したところでようやくお目当てのものが取れ、安堵する。
かなり大きなぬいぐるみで、こんな成人男性が持っているのも恥ずかしかったから、なつきに渡そうとしたが、困ったような笑顔で断られてしまった。
ため息を吐きながら、使用しても良い備え付けの袋に入れて手に持つ。
なつぴょん
また人の隙間をするっと抜けて行き、勝手に出口へ行ってしまう。 本当に自由気ままなうさぎなこと...とくすっと笑いを溢したら
とまた聞き馴染みのある声がした。
振り返ると、少しやつれたハッチャンと、目を見開くポン酢野郎の姿があった。
しばらく3人の間に無言状態が続いたが、ハッチャンが「ぅ...」と目を潤ませた事で断ち切られる。
ハッチャン
がしっと肩を掴まれ、存在を確認されるように触ってくる。 いやいや、いい歳した大人がこんなゲーセンの中で泣くなやと思い、とりあえず外へ連れ出した。
瀬戸あさひ
ハッチャン
胸にぐりぐり頭を押しつけられ「うへぇ、」と変な声が出る。
ポン酢野郎
瀬戸あさひ
乾いた笑いが出て、すっと視線をずらす。こいつらに合わせる顔が無かった。
瀬戸あさひ
ポン酢野郎
ハッチャン
瀬戸あさひ
軽く小突かれ、また謝る。
ポン酢野郎
ハッチャン
瀬戸あさひ
ハッチャン
あの頃みたいに少し弄ると、寂しそうに笑いながら返してくれる。
今から、およそ2年半前。俺は、あんなに楽しかったYouTuberを辞めた。
特に予告もせず急に引退の話を出したから、視聴してくれていた人達からは多数のコメントを貰った。 勿論、中には「裏切り」「最低」といったような否定的なものもあって、直視する事ができなかった。
当時所属していたアルジャンも辞め、メンバーの連絡先も全てブロックして消去。家も引越し、仕事は殆どアルバイトと言っても過言ではないようなものに就き、死んだように生きていた。
働いて帰ってきたら酒を飲み、軽くシャワーだけを浴びて倒れるように寝床へ着く。
昔だったらテトラが顔を踏みつけて起こしに来ていたが、生憎もうテトラは別の家、バブルの所に引渡した。重い身体を起こし、また仕事へ行く。
そんな日々を繰り返していた。
ハッチャン
瀬戸あさひ
ポン酢野郎
二人と固い握手を交わして、ずっと陰で見ていたなつきの元へ行く。
なつぴょん
瀬戸あさひ
なつぴょん
肩を竦めて、くるっと向きを変える。
なつぴょん
瀬戸あさひ
また俺は元気よく走り出すなつきの後を追いかけた。
ポン酢野郎
ハッチャン
ハッチャン
駅前のカフェは混雑時のピークを超えたからか、人はまばらですぐに入れそうだった。
俺たちの前に並んでいた女子高生達は学校帰りだろうか、最近人気のキャラクターの話で盛り上がっている。
なつぴょん
大きくて綺麗な瞳が俺を捉える。
瀬戸あさひ
なつぴょん
何か変だったのだろうか、俺がなつきに会話を返した時、ぎょっとしたような表情で女子高生達が俺を見てきた。
会話ははっきりとは分からなかったが「え、何、怖い。」だとか「ヤバい人だよ、絶対。」というのは聞こえてきた。
ヤバい奴、なのだろうか。 カフェに男二人で並んでることが原因か、それとも俺の発言が変だったのか。
ぐっと黙って考えていると「次の方ー!」という明るい店員さんの声がする。
店員
瀬戸あさひ
店員
一瞬沈黙が流れたかと思うと、店員さんから小さな驚愕の声が上がった。俺の横にいるなつきの方を見て、その逆側の横も見る。
店員
強張った笑みを見せながら、俺達を店の中へ案内した。
コーヒーとスイーツの香りが漂ってきて、不思議と食欲をそそってくる。二人席のテーブルに座り、メニュー表を眺めた。
なつぴょん
逆側から覗き込んでいたなつきがそっと呟く。 そういえばこいつはチョコ類とか好きだったなと思い返す。
俺は近くを歩いていた店員さんに、迷う事なくチョコケーキを頼み、ついでにコーヒーと紅茶を頼んだ。
ぼーっと窓の外を眺めるなつきを見つめ、こいつ2年半前から全く姿変わんねぇなぁと不思議に思う。
店員
店員さんの明るい声と共に目の前にチョコレートケーキが置かれ、コーヒーと紅茶も一緒に置かれる。
…それらは何故か、全て俺の方に置かれた。
気の利かない人なのかなと少し眉を顰めながら紅茶とケーキをなつきの方へ寄せる。
瀬戸あさひ
なつぴょん
すると急になつきが困ったような表情を見せ、ぎゅっと唇を噛み締めた。
なつぴょん
なつきが話している最中に誰かに声をかけられた。 声のした方を向くと、みさとらんがいて、はてなとバブルケーキが少し離れた席に座っていた。
瀬戸あさひ
はてな
バブルケーキ
みさとらん
瀬戸あさひ
そう言った瞬間、水を打ったかのように静まり返り、さっきまで普通だった3人が固まった。
みさとらん
みさとらんが恐る恐るというように俺に問いかける。
瀬戸あさひ
苦笑しながら肩を竦める。
カフェの明るくまったりとした音楽が妙に耳に刺さる。どこか居心地が悪くて、このカフェ、俺は苦手かもな...と思った。
はてな
黙り込んでいた中、はてなが静かに声を出す。
はてな
胸の中の何かがざわりと動く。まるで、この後の言葉を知っているような、認めたくないような。
窓の外では雨が降り始めていて、夕方の美しい空は消え失せていた。
はてな
瀬戸あさひ
はてなの言葉がすとんと胸に落ちてきた瞬間、思い出さないようにしていた“あの光景”が脳裏に浮かんできてしまった。
なつぴょん
瀬戸あさひ
冬の寒さに手が悴み、吐く息を白く染める。どんどん強くなる雨は、屋根と線路を強く叩いた。
都市の中心部から少し外れた場所にある駅であっても、帰宅時間かつ大雨ということから人も多く、ホームはかなり混み合っていた。
なつぴょん
瀬戸あさひ
なつぴょん
繋いでいた手を渋々ではあるが離し、端へと移動する。
人と人の間を上手く避けながら掻い潜った。時々後ろで「ご、ごめんなさい!」と聞こえてきたから、人にぶつかってしまったんだろうなと、なつきのドジっ子さに笑みが浮かぶ。
今日は帰ったら何を作ろうか、配信内容はどうしようかと日常生活の事を考えて、なつきと来れたことで昂っていた気持ちを落ち着かせる。
「三番線の電車が通過します。」 「ご注意ください。」
ホームのアナウンスが流れ、特急が通過すると言うことは後5分ぐらいで乗る電車も来るなと考えた。
瀬戸あさひ
少し早く行き過ぎてしまってなつきと離れていたようだ。 後ろを振り返った時、2、3人ほど後ろでなつきが立ち往生している姿が見えた。
なつぴょん
困ったように笑ったその時、なつきの身体が突如としてよろめいた。
なつぴょん
多くの人が並ぶその向こうで、バランスを崩したなつきは、安全扉も何もついていない駅のホームから落ちた。
その数十メートル先、特急が水飛沫を上げながら強い光を放ち突っ込んでくる。 雨で視界も悪く、強く光るライトもあって、なつきの姿はほとんど見えない。
なつきのすぐ隣や周りに居た人だけは落ちたことに気がついていたようで、悲鳴を上げたり、鞄を手放したりしていた。
瀬戸あさひ
俺は手に持っていたグッズや鞄を放り投げ、線路の方へ飛び込む__
世界が全てスローモーションになったみたいにゆっくりになって、雨一滴一滴がはっきり見える。
吐く息の音が頭の中からして、コンマ何秒か遅れて白い水蒸気が映る。
人の叫び声と電車の汽笛の音、ホームのアナウンスの音がぼやけたように遠くの方で聴こえて、線路に落ちたなつきの姿が視界に飛び込んできた。
視線はこちらを向いていて、恐怖で顔が歪んでいる。
はくっと綺麗な唇が動いた。
刹那、轟音と共にほんの数ミリ先で電車が通り過ぎた。
飛び出す俺を助けてくれた誰かと共に後ろに倒れ込み、身体に赤黒い何かと水滴が飛んでくる。
人々の声が、悲鳴が頭の中でガンガン鳴り響く。
瀬戸あさひ
呼吸の声が煩くて、目の前が歪んで、身体が馬鹿みたいに震える。
俺のせいだ、 俺が移動しようって言わなかったら、 俺が先々行かなければ、 俺がぼんやりと一人で考えたりしなければ、 俺が、俺が...ッ、 あいつの、なつきの手を離していなければ......っ!
後悔だけが頭を埋め尽くし、それ以外何も考えられなくなる。
優しい人達が声をかけてくれるが、耳から耳を通って言葉を理解する事が出来なかった。
ふと、雨音と共にそんな言葉が聞こえた。 わざとじゃない…?ぶつかった...?誰に...??
なつき
瀬戸あさひ
気付けばその男の胸倉を掴んでいて、壁に押さえつけた。
周りの人が止めてくるが、危ないとか、そんな事今はどうでもいい。
瀬戸あさひ
持つ手が震えて、目の前が滲む。男の顔が何か分かったかのように目を開いて、ぐしゃりと歪んだ。
…そんな顔をしないでくれ。
っ、そんなに、謝らないでくれ...!
瀬戸あさひ
自分が惨めで堪らない。
地面に崩れ落ち、大声をあげて泣いた。
あんなに近くにいたのに守れなかった。何が友人だ、何が恋人だ。俺は何も出来ないただの屑じゃないか。
大きくなる雨音と救急車のサイレンだけが耳に残っている。
___あの後、唯一形を保っていた左腕だけが埋葬された。
瀬戸あさひ
みさとらん
そうだ、そうじゃないか。なつきは2年半前のあの時、俺の目の前で死んだ。
しかも遺体も分からないぐらいぐしゃぐしゃになって。
無意識のうちに目を逸らしていた現実が突き付けられて、頭がぐらぐら揺れる。
はてな
バブルケーキ
3人の声が俺を少しずつ安心させてくれる。
なつぴょん
あいつの、俺の愛しいやつの声もして、きゅっと心が温かくなる。
瀬戸あさひ
呼吸が落ち着くと同時に、急激な眠気に襲われて、俺は意識を手放した。
一瞬で目が覚めたような感覚がして、がばっと起き上がる。 見覚えのない部屋が広がっていて、腹あたりに心地よい温もりがあった。
瀬戸あさひ
2年半前にバブルに預けた愛猫だった。まだ俺のことを覚えていてくれたのだろうか、前みたいに俺の側でぐっすり寝てくれている。
バブルケーキ
どうやらここはバブルの家のようだ。 窓の外がまだ少し暗いことから夜は明けていない状態なんだと分かる。
瀬戸あさひ
バブルケーキ
バブルケーキ
腹に頭を擦り付ける愛猫にふっと頬が緩む。 こいつにも申し訳ない事をしてしまった。
瀬戸あさひ
柔らかい頭を撫でて、また、テトラと一緒に過ごしたいなぁと思う。 けれど、そんな資格が、俺にはあるのだろうか。
バブルケーキ
いつの間にか出された水を飲み、膝からテトラを降ろしながら昨日の事を考える。
夕方、なつきが俺の家に現れて、ゲーセンに行って、カフェに行って、ぶっ倒れて...
...なつきはもう居なくなってしまったのだろうか。
バブルケーキ
瀬戸あさひ
バブルケーキ
寂しそうに笑うバブルに渡されたのは、小さな紙だった。綺麗に折り畳まれていて、それを開くと、あいつのお世辞にも綺麗とは言えない字が書かれていた。
“お前しか知らない思い出の場所で待ってる”
その文字を見た瞬間、俺は弾けるようにベッドから飛び出た。
バブルケーキ
バブルの驚く声が聞こえるが、無視して部屋を飛び出す。
スマホのマップアプリを開いて場所を確認し、徒歩20分という案内を見て、迷う事なく走り出した。
夏場のむしっとした暑さは夜明け前だからマシではあるが、普段出歩く事が仕事へ行く以外に無かった俺には応える暑さだった。
けれど、そんなことは関係ない。 ただ今は、必死に足を動かして俺たちだけの思い出の場所、俺があいつと初めて心の想いを打ち明けた場所に行かなければならなかった。
殆ど動いてこなかった身体はほんの少し走るだけで苦しくなり、筋肉が悲鳴を上げる。 自分の荒い呼吸音が響き、唯一綺麗だった服にも汗が滲み始めた。
それでも走り続け、やっと、その場所に辿り着いた。
瀬戸あさひ
細波の音と自身が踏みしめる砂の音を聞きながら、必死にあいつの名前を叫ぶ。 犬の散歩をしていた人や、ランニングをしていた人がこちらをチラッと見てきたが、気にせず通り過ぎてくれる。
ふと、数十メートル先の場所に、薄く煌めく海を眺めるなつきの姿が見えた。
瀬戸あさひ
名前を呼ぶと、ぱっとこちらを振り向いて、ふわっと花のように笑った。
なつぴょん
二人一緒に駆け出して、なつきが寸前でジャンプする。
それを絶対に落とすまいとしっかり抱き抱えて、勢いと共にぐるっと回転した。額と額を寄せ合って、軽く笑う。
こいつはもうこの世の者ではない筈なのに、すごく温かくて、心地よかった。
なつぴょん
瀬戸あさひ
ゆっくり地面に降ろし、もう二度と触ることのできないはずだった両手を掬い上げる。
瀬戸あさひ
瀬戸あさひ
海風が髪を揺らし、潮の匂いが鼻をくすぐる。
瀬戸あさひ
なつぴょん
穏やかに笑いながら、手を握り返してくる。
なつぴょん
空を、海を、地面を眺め、なつきはその一つ一つを目の奥に焼き付けるように視線を這わせている。
そして、ふっと息を吐いて俺の目を見つめた。 その合わせてくる瞳は何かの思いを押し留めるかのように揺れていて、穏やかで、優しくて、でもどこか恐怖と不安があって。
なつぴょん
宥めるような口調でなつきは言った。
…知っているさ。昨日その現実を思い出したから、はっきりと分かっている。
変えることのできない事実に無性に腹が立ってぎりっと奥歯を噛み締める。
なつぴょん
不意に、なつきの声が震えている事に気付いた。目線を逸らされ、自笑するかのように声を洩らす。
なつぴょん
ああ、そうだよな。 これから先まだまだ人生を楽しむ時期に突然の事故で一人先に命を落として、、、向こうで待つには長すぎる。
瀬戸あさひ
なつぴょん
「お前と行く」と言い切る前にそうきっぱり言われてしまう。 真っ直ぐななつきの言葉に、紡ごうとした言葉が詰まった。
なつぴょん
なつぴょん
なつぴょん
なつぴょん
握っていた手を離して、くるりと後ろを向く。
その背中が今にも消えそうで「あ、」と声が手を伸ばす動きと共に出る。
なつぴょん
なつぴょん
詰まった声になり、きらりと光る雫が流れるのが見えた瞬間、俺はなつきのその体を後ろから抱きしめた。
びくりと腕の中の肩が動いて、でもすぐに綺麗な手が俺の腕を掴む。
瀬戸あさひ
なつぴょん
瀬戸あさひ
なつぴょん
どこかスッキリしたかのように返事をするなつきに、ふっと心が軽くなるのと同時に、そろそろ時間なのではないかと肌で感じる。
ざぁっと一際強い風が吹き抜けて軽く目を細めた。
軽く目を落とし、なつきをまた正面に向き直させ、綺麗な唇にそっと俺の唇を落とす。
一瞬ぽかんと何が起こったのか理解していなかったようだが、処理できたのかまたふわっと楽しそうに笑った。
なつぴょん
その笑顔の弾けるなつきに、目の奥がじわっと熱くなる。
もう、触れることも、声を聞くこともできなくなる。
けれど___
なつぴょん
瀬戸あさひ
___もう、大丈夫だ。
昇り始める太陽の輝きに目が眩み、思わず目を瞑る。 柔らかい風が頬を撫で、ゆっくりと瞼を開くと、そこには朝日に照らされて煌めく美しい海だけがあった。
手を胸に当て、自分の心音を感じる。
生きよう。 自分の悔いのないように、胸を張ってなつきに伝えられるように。
もう、迷いは何もない。
スマホを取り出して、ブロックをしたあいつらの連絡先を開いた。
タップお疲れ様でした。 長くなってしまったこと、非常に申し訳ないです...書いていたら思っていたよりも多くなってしまいまして...笑 お楽しみいただけましたでしょうか? もしよろしければご感想などお待ちしております。
最後まで読んでいただきありがとうございました!