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コメント
1件
今回のお話もとても素敵でした! 次の話も楽しみにしています!
狛
狛
狛
僕は最近歳上の知り合いが出来た
竜胆
艶やかな紫色の髪は 夜明けの冷りとした空を 悠々自適に泳ぐクラゲのようで
僕が持っていないもの 僕が知らないものを 全て我がものにしているのだろうと 想像してしまうほどに美しい。
竜胆
竜胆
狛
狛
竜胆
竜胆
一体どれだけ飲んだのか
ただでさえ垂れている瞳が 今日は一段と蕩けてる
ぼうっと前を向きながら 煙草を吸う彼の喉仏が微かに上下して その度に刺青が脈を打つ
狛
狛
竜胆
竜胆
狛
狛
竜胆さんとここで話すようになって 一ヶ月ほど経つが
他愛のない話をするだけで 互いのことを深くは知らない。
それはきっと、薄々気がついているから。
僕らが 交わってはいけない世界にいることを。
狛
竜胆
竜胆
狛
狛
竜胆
竜胆
狛
竜胆
そう言いながら こちらへ身を寄せ教科書を覗き込んでくる
いつもより距離が近いのは 酒のせいだろうか
全身に染み付いた煙草の匂いと 微かな酒の匂いが鼻孔を擽る
竜胆
竜胆
狛
狛
狛
狛
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
狛
狛
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
アルコールに弄ばれて ふわふわと緩い口調で話す彼は 充電が切れたみたいに僕の肩に身を預けた
狛
竜胆
竜胆
首の角度が気に入らないのか 僕の頭に頬擦りをするように身動ぎをする
竜胆
竜胆
身動いだせいで彼が言葉を零す度 熱っぽい息が僕の耳に掠れて、
行き場のない羞恥が全身を巡り 真っ赤な顔を俯かせた。
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大人のくせに無防備で
大人のくせに狡猾で
大人のくせに可愛い。
出来るだけ自分の心に蓋をして 尚且つ視線を逸らしていたのにな
僕はもっとこの人に触れたい