タンポポって知ってる?
まぁ、みんな知ってるかな
よく道にはえてる、黄色い小さなおはな
じゃあ、タンポポの花言葉は知ってる?
タンポポの花言葉はね
『真実の愛』
高校3年生の冬
生徒会長のくせに授業中寝てる
そんな僕には好きな人がいた
ころん
るぅと
ころん
ころん
るぅと
ころん
るぅと
水色の髪をした人
水色の髪なんて変、って思ったでしょ
それがすっごく似合ってて、
気づいたら目で追っちゃうほど
君との出会いは1年生のとき
入学してから1ヶ月もたってるのに全然なれなくて、
いつものように遅刻ギリギリで家を出た
全速力で道を走る
その時、1つのタンポポが目にはいった
普通のタンポポだけど、すっごく大きくて
綺麗な色をしていた
遅刻する、分かっていても目が離すことができなかった
よそ見をしながら歩いていると
るぅと
るぅと
ころん
るぅと
るぅと
前を歩いてた人にぶつかっちゃって
すぐに謝った
そしたら君は
ころん
ころん
るぅと
一緒に学校へ走った
同じクラスのことに驚いた
ここ1ヶ月生徒会のことでいっぱいで、
クラスの人の名前なんて覚えていなかったから
あれから、ころちゃんと楽しい日々をすごした
僕たちはあっという間に3年生
そして明日、卒業する
卒業式が終わり、1人教室に残った
君と一緒に過ごした学校
遅刻し、ホームルーム1分前に扉を開けた教室
そんな学校と、今日でさよなら
自分の席に座り、君との会話を思い出す
るぅと
時計がカチカチとなる
どうやら寝てしまったみたい
外はもう夕陽でオレンジ色にそまっている
ふと時計を見ると、針はもう4時をさしている
焦った
親には2時に帰るといっていたのに
急いでスマホを取り出したが、運が悪いことにバッテリーは0
自分が帰ることしか、親に安否を伝えられない
けど、
まだ帰りたくなかった
君と過ごしたこの教室
まだこの温もりを
そんなこと考えていたら
勢いよく扉があく
入ってきたのは君
ころん
ころん
ころん
見つけた?僕を探していたの?
君は息を切らしていて、ズボンは膝が擦りむいている
るぅと
るぅと
ころん
ころん
ころん
ころん
ころん
ころん
るぅと
るぅと
ころん
ころん
こういうことをするのも…最後なのかな
そう考えた
君は大学生になったら、この町を出て東京に行く
もう…会えない…
るぅと
ころん
ころん
そんなになるまで僕を…
嬉しいな…
そしたら君はもじもじしだした
ころん
ころん
ころん
夢だと思った
3年間片思いだと思っていた相手は、両思い
逆にこの3年間はなんだったんだ
返事は
るぅと
放課後の教室で、喜ぶ2つの影
あれから僕たちは、東京に行って一緒に過ごしている
そして、この家には
タンポポが飾ってある
付き合ったとき記念にとったもの
タンポポがなければ、僕たちはこうはならなかったかもしれない
ころちゃんが毎日お世話してくれているからか
タンポポは全く枯れない
そして最近、タンポポは綿毛に変わってきた
1つ2つと綿毛が飛んでいく
5月、君が死んだ
通り魔…だったらしい
電話でそれを伝えられたとき、信じられなかった
もちろん犯人も許せなかったが
それ以上に、君が死んだことを受け止められなかった
電話を落とし、本もバラバラ落とした
しばらく放心状態だったが
君に会いに、気力を振り絞る
一冊の本を手にとった
趣味で買った花言葉の本
開いたページ
タンポポ 花言葉 真実の愛 綿毛 別れ
別れ…
きっと、こうなることは最初から決まっていたのだろう
僕たちの愛は、タンポポで始まり、タンポポで終わった
それから僕は、通り魔を片付けるようになった
四つ葉のクローバーを残し
四つ葉のクローバー花言葉 復讐
コメント
5件
............え、好き 大好き() ブクマ失礼します🙇🏻♀️