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原典未履修(地獄変など)、良秀の過去妄想etc、関西弁を理解することができない
昔、I社という翼の区域に、「蜘蛛の巣」という町がありました。
そこの伝統文化(みたいな)である刀鍛冶があまりにも盛んで、しょっちゅう外から剣士が訪れることも多々あります。
レイホン
薄明かりの街灯が照らす道の半ばで呟く、小指レイホンもその内の1人である。
彼の手元には、新品同然の朴刀が置かれてあった。
男はにっと笑い、朴刀を鞘にしまう。
レイホン
都市にしては珍しい場所に感心しながら呑気に歩く姿は、まさに「無警戒」そのもの。
結局、都市は都市である。
ちび良秀
そんな男の背後に、一つの小さな人影が迫り寄る。
トコトコと……。不安定な足取りながら、確実に背後へ迫る。
身丈に合わない血生臭い着物をつけ、糸が巻かれた刀を向けたそれは、少女だった。
ちび良秀
何か複雑な事情を持ってるだろうか。悲壮感を汲み取れる笑いを不意にも溢してしまう。
それでも男は気が付かない。ただ煙草を吹かしながら歩いてるだけだ。
少女は、成功を確信した。
少女でも殺められる距離まで近づき、鞘に収められたままの刀を突き立てる。
少女が、そうやってその小さな腕を動かそうとした刹那。
レイホン
煙草の煙が一段と大きく吹かれた。
ちび良秀
吹かれた一瞬の殺気を感じ取り、刀を下ろし、すぐさま後ろへ退避しようと動いたが、もう遅かった。
小さな体に、丸太のように太い脚に蹴りを入れられ、大きく吹っ飛び地面を転がる。
その衝撃に受けて、刀を離せざるを得なかった。
レイホン
ちび良秀
身の危険を少しでも回避するため、離してしまった刀を掴み取ろうとしたが、頭を踏みつけられ身動きが取れなくなってしまった。
ちび良秀
レイホン
余裕たっぷりの言動と共に、少女を完全に抑えたレイホンは、少女が滑り落とした刀を見つめた。
それを目にした瞬間、レイホンは眉を顰めた。
レイホン
赤い糸で柄から鞘まで頑丈に結ばれた大きな刀。
どこかで見覚えがあったのだ。レイホンはその刀を手に取る。
ちび良秀
少女はさらに反発し、ジタバタと体を動かし、刀を手に取ろうとする。
レイホン
うざったらしく動く少女を踏みつける足の力が更に強くなる。
ちび良秀
耐えきれなくなったのか、高い叫び声を発し、涙を垂らしまくるという、年相応の反応を見せた。
が、レイホンはそれを関心が無さそうに見下ろした後、改めてその刀を眺めた。
よおく眺め回して、やっと一つの結論を出した。
レイホン
そう問いかけるも、それに対する返事は返ってこない。
ちび良秀
しゃっくり上げながら涙を垂れ流す少女に、レイホンはしばらく無言で見下ろしていた。足元に伝わる震えが鬱陶しかった。
レイホン
呆れたように息を吐くと、レイホンはようやく足を退ける。
代わりに無造作に、黒く長い髪を掴み、ぐいと顔まで持ち上げる。
相手は苦痛の表情を見せるが、お構いなしに顔を覗き込む。
レイホン
少女の頬についた涙の筋を、まるで汚れでも見るように見下ろしながら、続ける。
レイホン
小さく笑い、鼻で息を吐く。
レイホン
ちび良秀
やっと泣き止んだか、少女は強気で言い返す。
レイホン
そう言ったのち、少女の髪を下ろす。
レイホン
ゆっくりと背を伸ばし、軽く首を回す。
レイホン
少女の顔を再び見下ろし、ニヤリと口角を上げる。
レイホン
少女の肩をぽん、と叩く。
レイホン
ちび良秀
レイホン
続きはまた今度で……(思いつかない)