テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
その学校のテストには、変わった問題があった。
紙
あかねは、迷わず書いた。
『そばにいて、話を聞く』
翌朝返された答案には、赤いばつがついていた。
正解の欄には、こう書かれていた。
紙
あかね
あかねは答案を裏返した。
隣から楓がのぞきこむ。
楓
楓の答えは、『何があったのか聞いて、助ける』。
ふたりは顔を見合わせた。
あかねと楓
あかねが笑うと、楓も笑った。
テストは毎日あった。
『困っている人がいても、自分に関係がなければ――』
『みんなと違う考えを持ったときは――』
楓は何度も手を挙げた。
楓
先生は答えず、黒板を指さした。
先生
赤いばつが増えるたび、楓の答案から文字が消えていった。
消しゴムで何度もこすった紙は、ところどころ薄くなっていた。
ある日、あかねは百点を取った。
楓
楓が言うと、あかねは答案を折りたたんだ。
あかね
楓
あかね
あかねは笑っていた。
楓は、自分の答案を机の下に隠した。
そこには、大きな赤い字で零点と書かれていた。
最後のテストの日。
楓は登校する途中、階段でうずくまるあかねを見つけた。
楓
あかね
あかねの声は、いつもより小さかった。
楓
あかね
楓はすぐに隣へ座った。
楓
あかね
楓
あかねは返事をしなかった。
楓は何も聞かず、隣にいた。
始業の鐘が鳴った。
教室に戻ると、机の上に一枚の紙があった。
紙
楓は紙を持って、先生のところへ行った。
あかねがつらそうだったから、一緒にいました
先生
楓
先生
楓は振り返った。
あかねは自分の席で、両手を握っていた。
楓
楓は、いつものように言った。
楓
あかねは顔を上げられなかった。
春になり、あかねは卒業した。
楓の席は、最後まで空いていた。
卒業証書と一緒に渡された封筒には、あの日の最終問題が入っていた。
紙
あかねの答えには、丸がついていた。
間違っていると思います
あの日、楓が教室を出たあとに書いた答えだった。
先生に「これなら卒業できます」と言われて、書き直した答えだった。
あかねは封筒の底を探った。
楓の連絡先を書いた紙は、もうなかった。先生に言われて処分した日のことを、思い出した。
窓の外で、卒業生たちが笑っていた。
あかねは答案を小さく折りたたんだ。
赤い丸が見えなくなるまで、何度も。
コメント
5件
つ、続きある、、、?
おつかれちゃん~!第2話読み終えたよおお😭💕 学校のテストで「友だちが泣いてたらどうする?」って問題、あかねと楓が自然に出した「そばにいて話を聞く」が不正解なの、胸がぎゅってなったよ…。楓が消しゴムで何度も答えを消す場面、すごく切なかった。最後に楓があかねのために一緒にいて卒業できなくなっちゃうところ、涙出そうになった😢✨ ラストの「間違っていると思います」に丸がついて、しかもそれが書き直した答えだったってのが、もうね…心にずっしり来た。 焼きそばパン(チャンス)さんの世界観、毎回エモすぎてやばいです。続きが気になりすぎる!次話も楽しみにしてるよ🌸💕