この作品はいかがでしたか?
36
この作品はいかがでしたか?
36
輝星神斗
輝星神斗
輝星神斗
どこまでも続くような就活の時期は 四つ並ぶ眼の前を遮るものは何もない アスファルト、蝉時雨を反射して きみというカスが見えなくなる この日々が色褪せる 僕と違うきみの匂いを知ってしまっても 置き忘れてきた永遠の底に 今でも息子が住んでいる 今でも息子は住んでいる どんな祈りや言葉も 近づけるのに、届かなかった まるで、静かな怒りのような 頬を伝った夏のような色のなか きみを呪う言葉がずっと喉の奥につかえてる 「俺、就職する」って、声にならない声 昼下がり、じめつく風の季節は 想い馳せる、まだ何者でもなかった僕らの肖像 何もかも分かち合えたはずだった あの日から少しずつ きみと違う僕という呪いが肥っていく きみの真顔の奥の嗤いを 見落としたこと、悔やみ尽くして 徒花と咲いて旅立っていくきみに さよなら 今でも息子が住んでいる 今でも息子は住んでいる どんな祈りや言葉も 近づけるのに、届かなかった まるで、静かな怒りのような 頬を伝った夏のような色のなか きみを呪う言葉がずっと喉の奥につかえてる
輝星神斗
コメント
3件
ラムネェェェェ