テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
お母さん、私は笑えてるかな? ちゃん微笑んでいるように見えるかな
心の声は、きっとお母さんに聞こえている。
読まれている。 わかってるよ…お母さん
私はちゃんと笑えていない…自分自身でもわかっていた。 でも少しだけ、このまま作り笑いでも何でも良い。
いつか笑えるようになれるのなら───
花音
お母さん
と言ってお母さんはその場から、消えて行った。
前を向き最後の一段に、 足を乗せ降りると共に暖かい日差しが、廊下に差し込んだ。
廊下を明るくするその日差しは、ただ優しくて暖かった。 ギュッと鞄を握りしめ、アヤメに飛びかかる。
アヤメ
花音
アヤメ
お腹に手を当てて、笑うアヤメ。 何が面白かったのか、わからないけれど…なんとなく胸の中が、 くすぐったく感じた。
下駄箱に、入れた靴を取りつま先を合せて履く。
あまり履き慣れなかったローファーも今は、 履きなれ靴擦れする事も無くなった。
そっと近くにあった、柱に手を当てて立ち上がる。
アヤメ
花音
忘れ物が無いかお互い確認し校舎玄関を二人で同時に、 一歩踏み出す。
時間は、あっという間過ぎていく
それは、人間も動物も植物も同じ。 いつ何処で、何が起きても、可笑しくないこの世界で、 生きていると考えるだけで、背筋が凍る
…今さっき階段で、会ったお母さんだって、 何の為に現れたかもわからない…
わからない事だらけ…だ
アヤメ
首を傾げ、不思議そうに質問をしてくるアヤメ。
さっきのお母さんとの会話を、聞いていたのだろうか?
今ここで、説明してもただ混乱するだけ。 今の私自身でもあれは、何だったんだろうって疑問に想う
ほんの一瞬の出来事だった…から もう少し経ってから話そう
きっとその間に、何かわかるかもしれない…
花音
そう。いつか…その日まで。 この事はあの三人には秘密にしておこう…。 それが今私が、やるべき正しい選択だから
鞄を肩にかけ、門に向かって走り出す。 それにつられて、アヤメも駆け足で私の後を追いかる。
アヤメ
花音
意地悪な事を言っていると、自分でもわかっている。
だけど今だけは許してほしい。 だって今のこの瞬間が、楽しいから───。
心の底から、楽しい素直に言える
花音
息を切らしながら、 追いついたアヤメが、手をギュッと握りしめ───
アヤメ
と笑みを浮かべて言った。
アヤメの笑顔につられて、自分も笑みがこぼれる。
七月の終わり、蝉の鳴き声が、耳を痛くする。暑い日差し。 涼しい風。
七月の終わりを告げ、八月の初めを告げる。
季節外れの百合の花に風が、揺れ花弁が、舞い散る。
一つまた一つ明日の未来に、 向けて空高く舞い散り、鳥と共に旅に出る。
それは、誰かの願いを乗せて、 一番手の届かない遠い遠い明日の未来へと───。
◇───◇───◇───◇───◇───◇───
夏休みが、始まって少し経った頃───。
アヤメ
リビングに私と真幸海と三人椅子に座って、 アヤメの話を耳にする。
何を言われるのか知らないが、 大人しく話を聞こうと思い手を膝に置き、アヤメの方を向く。
アヤメ
ゴクリと喉を鳴らし、手をギュッと握る。 何を言われるのだろうと三人、顔を固くして話を聞いた。
アヤメ
きょとんと首を傾げる私と、呆れた顔で見る真幸と海二人。
何を言われるのだろうと思っていたら、 まさかの夏祭りがあると言う報告…
さっきまでの胸のドキドキは、なんだったのだろう
わからない…わからないけど、わかりたい
知りたい
ギュッと握った手に爪がくい込んだ跡が、浮き上がっていた。
静かな空間・赤く染まった跡からの痛みなんかどうでも良い
どうでも良かったんだ今の私には───
机に頭を乗せ呆れたような顔で、真幸の顔を覗き見る。
相変わらず…変わらないな真幸は
そう心のが、本音を呟けば口には出ない。
これが、誰も傷つけも裏切らないずっと 一緒に居られる方法だと、私は勝手に思っている。
…じっと見つめてふと想う。
このままずっと一緒に居られるのかな
っと。 多分アヤメと海は、時期に付き合い初めて結婚して… 子供を作るか知らないけど、幸せになるのは想像出来る
なら、私と真幸はどうなるんだろう
真幸には、好きな人が出来て結婚して、 幸せな家庭で笑って居て…私なんかの存在なんて……
忘れちゃうのかな…
キュッと胸の奥が、痛く切なく縮こまる。
この感情は何?悲しい?虚しい?寂しい? どれも違う。どれも違って合っているはずなのに、 何かが間違っている。そう…何か違う
花音
口に出た言葉は、今さっきまで考えていた言葉を 包むかのように、噛み合っていた。
そっか私…真幸の将来に嫉妬してるんだ
忘れられたく無い、真幸のそばに居たいんだ…。 それじゃこの感情はまるで…
花音
真幸
花音
真幸
苦笑いを浮かべる真幸の顔は 『また嫌な事でも合ったのかな』っと言いたそうな顔だった。
本当に心配症だなぁ…真幸は。でもそんな所が、私は───だ
腕も組む真幸に、ニコニコと笑顔を浮かべるアヤメ。
海は…暇なのか机に膝を着いてボーッとしている。
みんな、変わらない。 それが一番良い事だよね…
ずっとこのままで居てほしい…
目蓋をゆっくりと閉じ眠りに着こうとした時───。
海
アヤメ
海
海
真幸
アヤメ
嗚呼…始まった兄妹喧嘩
喧嘩するほど仲が良いと言うが、 アヤメと真幸の場合仲が良すぎて、怖いと想ってしまう。
似た物を持っていたり、 食べ物だって好き嫌いが似ている。まるで双子のようだ。
二人の邪魔しちゃ悪いと思い、席を外そうとした時───。
アヤメ
アヤメ
真幸
アヤメ
真幸
机をバンッと叩きその場から、立ち去ろうとする真幸。
何かフォローしないといけないのに、 手が動かないその場から、立ち上がれない…
力になりたいだけなのに…どうして私はこんな時に…
ドアノブに手をかける真幸の姿を見た、アヤメは───。
アヤメ
アヤメ
突然言われた私の名前に、 ビクリとその場を立ち上がってしまう。
アヤメの顔は『そう思うでしょ』っと言っている顔で、 何を返したら良いのか、わからなくなる。
感情を閉じ込めた時から、 好きとか嫌いとかもわからかくなって…何が好きだったのかも、何が嫌いだったのかも思い出せない
本当の自分が、わからないから。 そんな事言われても、わからない…今の私には
花音